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夏の半額に落ちたお買い得案件…!? 負傷が癒えたロス・バークリーがチェルシー移籍決定!

「リンガードとルカクのゴールで、マンチェスター・ユナイテッドが完勝」とFAカップ3回戦をレポートしたかったのですが、オールド・トラフォードでダービー・カウンティに80分過ぎまで0-0と苦戦した試合より、インパクトで勝る電光石火の移籍劇のほうを先にお伝えしたいと思います。チェルシーの公式サイトが、エヴァートンのロス・バークリー獲得を発表しました。昨夏、トッテナムとチェルシーが興味を示しているといわれ、ブルーズとは契約寸前だったと報じられた24歳のイングランド代表MFは、ハムストリングの負傷が癒えずにプレミアリーグのビッグクラブ挑戦を断念。回復に予想以上に時間がかかり、今季プレミアリーグの前半戦は出場ゼロに終わっています。10月には、エリクセンがいないときの攻撃のクオリティを上げたいスパーズが獲ると予測されていたのですが、年末以降は再度チェルシーが本命視されていました。半年前には3000万ポンド(約46億円)といわれていた移籍金は、契約期間が残り6ヵ月となったために半額の1500万ポンドにダウン。高値になりやすいホームグロウン選手との5年半の契約としては、相当お得感のある着地です。

2011年8月に17歳の若さでプレミアリーグデビューを果たしたエヴァートンの生え抜きMFは、2016-17シーズンにプレミアリーグ通算150試合出場を達成。チェルシーのディレクター、マリナ・グラノフスカイア氏はその経験を高く評価しており、「優れたテクニックと身体能力があり、トップレベルで成功することに強い意欲を持っている。チェルシーでプレイする姿を早く見てみたい」と絶賛しています。エヴァートンではトップ下でプレイすることが多かったものの、先々はスティーブン・ジェラードのようなスケールの大きいセントラルMFとして活躍する可能性も充分にあるでしょう。彼の能力と将来性だけにスポットを当てれば、チェルシーが急いで押さえにいったことは理解できます。

しかし、そこにチーム事情を重ね合わせると「慌てて獲る必要がある選手なのか」という疑問が湧いてきます。中盤センターにセスク、バカヨコ、カンテ、ドリンクウォーターが揃い、3-5-2ならウィリアンもインサイドに組み込めそうなチームは、来季になればロフタス=チークやジェレミー・ボガといったレンタル中の選手の抜擢も考えられます。2015-16シーズンにはプレミアリーグ38試合8ゴールという数字を残し、今後のイングランド代表を背負って立つ存在と注目されていたロス・バークリーは、昨季は調子の波が激しく伸び悩み感がありました。背番号8は期待の現われで、30歳になったセスクの後継者という意味合いなのだと思われますが、ジャック・ウィルシャーともども「未完の大器」で終わるリスクも感じられます。私のロフタス=チークに対する評価が高すぎるのかもしれませんが、クリスタル・パレスで修業を積んだ21歳が2年後には逆転している可能性は、決して低くはないのではないでしょうか。

ユースチームを充実させているチェルシーだからこそ、こんなモヤモヤ感があるのでしょう。ロス・バークリーに忠告できるとすれば、伸びしろが感じられたベルトラン・トラオレを惜しげもなくリヨンに売ったクラブが求めるクオリティは相当高く、今まで以上に集中してプレイしなければ望むポジションは取れないといいたくなります。とはいえ、シュート力と視野の広さ、馬車馬のような突破力が並みのMFのレベルではないことはグラノフスカイアさんに同意です。ましてや1500万ポンドなら、多少のリスクがあったとしても呑み込んで獲りにいくのが妥当でしょう。まずはチェルシーでのプレイを見よ、ですね。念願のビッグクラブ移籍を実現させ「楽しみ。ワクワクしてるよ」と喜びを隠さない24歳には、今年こそ持てる才能を満開にしていただければと期待しています。(ロス・バークリー 写真著作者/Football.ua)

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“夏の半額に落ちたお買い得案件…!? 負傷が癒えたロス・バークリーがチェルシー移籍決定!” への1件のコメント

  1. makoto より:

    明けましておめでとうございます。今年も切れ味抜群のプレミア考察を期待しています。よろしくお願いします。

    私のバークリーのチェルシーへの移籍に対する見方は概ね同じですが、一番気になったのはランパードが背負っていた8番を引き継ぐ点です。

    今のチェルシー、コンテ監督のパーソナリティーと人使いの上手さ、規律を重視し戦術に落とし込める能力と、バークリーのポテンシャルを照らし合わせれば今回の移籍は期待できるのではと思っています。
    決して楽観から来るものではありません、と付け加えます。
    現在のスタッツ、特に得点に関する数字に着目すると、ブルーズのメンバーは他のチームに比べて全員でゴールを取っていっている印象で、この事実と今のチームワークにバークリーが入ればサポートの厚いプレイヤーの中で彼の能力、パフォーマンスが再び返り咲くのではないかと私は考えます。それは、モラタ君がイマイチな現状でもヤル気を落さずサポートも失っていない事実を見れば、時間はかかるかも知れませんが、今後チームの心臓たるプレイヤーとして活躍できる可能性は十分にあると思います。勿論、中盤選手の数が多いので競争がある事は大前提ですが。

    バークリーがランパードの着用していた8番を引き継ぐ意味は決して浅くはないと思います。イングランドの若手ホープとして是非、チェルシーの8番として是非是非、長い目で彼を見守っていきたいです。
    私の心の中に暖かく残るスタンフォードブリッジでのランパードのラストスピーチ、プレイヤーとしても人間としても今尚サポーターの心を鷲掴みにして離さない彼、いつの日かバークリーがその日を、その役割を引き継ぐ事を今から夢見ています。

    すいません、やっぱり思い切りバイアスかかってますね。。。笑
    取り敢えず、ユニフォーム買います。

    —–
    バークリーは確かに安いし才能のある選手なんですが今のチェルシーで試合に出れるかは正直?が付いて来ます。
    後、今必要な補強って明らかにそこじゃないと思いますが。
    ていうかバークリーてコンテが欲した選手なんですかね?
    もしフロント主導で取った選手ならさらに監督との間に溝ができそうな気がします。

    —–
    バークリーは長年チェルシーが追い続けてきた選手ですね。
    ショー、ストーンズは逃しましたが遂にと言う感じですね。
    恐らく352のインサイドハーフで使われると思いますがスケールの大きい選手なので大成してほしいです。

    —–
    Chihaartさん>
    こちらこそよろしくお願いします。おっしゃるとおり、8番は重いメッセージですね。ポテンシャルが高い選手ですので、覚醒すればレジェンドといわれる選手になる可能性も充分にあると思います。

    セスクさん>
    中盤が厚いチームではないので、フロント主導だとしても問題にはならないのではないでしょうか。いかに早く以前のフォームを取り戻せるかだと思います。

    そらさん>
    カンテの脇にバカヨコとバークリーというイメージでしょう。楽しみですね。

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