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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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今こそ、生まれ変わる時~前向きに捉えたいアレクシス・サンチェスとウォルコットの放出。

「Walcott having Everton medical(ウォルコットはメディカルチェックを完了)」。ついに「BBC」のトップに、アーセナルのサイドアタッカーのエヴァートン移籍が秒読みになったというニュースが掲載されました。2006年のプレミアリーグデビューから11年半、アーセナルひと筋で公式戦397試合108ゴール、プレミアリーグでは267試合65ゴール。昨季はキャリアで2度めの10ゴールを記録していたウォルコットが居場所を変えることになったのは、チームの戦い方の変化がきっかけでした。4-2-3-1の右サイドを持ち場としていた14番は、3-4-2-1ならラカゼットの右脇が適所となりますが、ここにはメスト・エジルがいます。

CBが1枚増えたことで前線の選手の椅子が減り、その影響を最も受けたのがウォルコットだったといういい方もできるでしょう。エジルとアレクシス・サンチェスが休んでも、イオビやウェルベックが優先。昨季の主力で唯一、プレミアリーグの先発がゼロとなった選手が出場機会を得るには、ユニフォームを変えるしか選択肢はありませんでした。

「BBC」「スカイスポーツ」は、ウォルコットの移籍金について「2000万ポンド(約30億4000万円)以上」と報じています。「GKの脅威となる素晴らしい補強」と、サイドアタッカーの入団を歓迎しているエヴァートンのサム・アラダイス監督にとっては手頃なお値段に見えるでしょう。ポジションを争うライバルは、アーロン・レノン、ボラシェ、シグルズソン、ヴラシッチ。元アーセナルという看板で試合に出られる環境ではありませんが、ウォルコットが昨季のフォームを取り戻せば、堅守速攻をめざすアラダイス監督のファーストチョイスになれる可能性は充分です。

「今まで、ウォルコットはプレミアリーグより他のコンペティションでの出場が多かった。われわれは週に2回試合があるので、ローテーションの必要があったからだ。いずれ、彼はプレミアリーグでプレイすることになる」。10月にウォルコットの必要性について語っていたヴェンゲル監督が、その後の14試合で彼を起用したのはたった3分でした。このたびの決断は、双方にとって正解でしょう。満足な出場機会を得られなかったルーカス・ペレスと使われ方に不満を抱いていたチェンバレンを放出したクラブは、ラカゼットとコラシナツを獲得し、ウィルシャーを復帰させています。単純計算で中盤より前の戦力が増えているアーセナルにおいて、今シーズンも誰かが我慢できないレベルで出場機会を失うのはわかっていました。

それが、ウォルコットだったのです。16歳の頃から成長を期待し続けていた選手との別れは、サポーターにとっては哀しいイベントではありますが、ライバルクラブがレベルを上げているなかで、現状維持で戦い続けるわけにはいきません。現地メディアは、アレクシス・サンチェスの後釜として複数の選手の名前を挙げていますが、エースの穴を埋めるだけでなく、ウォルコットに加えてもう1枚削ってでも2人獲りにいっていいのではないかと思います。例えば、ダニー・ウェルベック。アーセナルで4シーズンめを迎えるストライカーは、移籍してからはプレミアリーグで5ゴール以上を挙げたシーズンが1回もありません。ウォルコット、アレクシス・サンチェス、ウェルベックがクラブを離れてムヒタリアンとオーバメヤンが加わると想像すると、悪くない話のように思えるのですが、いかがでしょうか。

2018年1月、アレクシス・サンチェスとウォルコットの放出は、アーセナルが新しいチームに生まれ変わるための第一歩となるように思えてなりません。いや、「なる」ではなく「する」のでしょう。4位と8差という現在の状況を冷静に受け止めれば、バイエルン・ミュンヘンに惨敗し、プレミアリーグ5位に終わったチームが、ニューフェイスを2人獲るだけでは足りなかったと考えるべきでしょう。初年度無冠に終わったペップが、30代の選手8人とイヘアナチョまで放出してサラリーを浮かし、エデルソン、ダニーロ、カイル・ウォーカー、バンジャマン・メンディ、ベルナルド・シウヴァという後ろ中心のコンセプチュアルな補強を敢行して首位に立っているのを見れば、なおさら。

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“今こそ、生まれ変わる時~前向きに捉えたいアレクシス・サンチェスとウォルコットの放出。” への2件のフィードバック

  1. グーナーです より:

    ユナイテッドファンからすればムヒタリアンとサンチェスのトレードはぜひ実現してほしいですがライオラが首を突っ込んできたのでうまくいかないんじゃないかと不安を持っています。

    この移籍、サンチェス側からの意思がまったく表明されないのがよくわかりません。
    ユナイテッドと合意したというニュースが流れていますが、もしこの移籍が失敗に終わり夏にフリーでシティになればサンチェスは一番嫌いな選手になりますね。

    サンチェスの本心がどうなのかはわかりませんが、クラブへの愛がない選手に7番はつけて欲しくないです。
    もちろんサンチェスがクラブへのリスペクトを持っていれば全力で応援しますが。

    —–
    ウォルコットが去るのであれば、ファンとしてはやはり寂しい気持ちがあります。
    コクランやロシツキ同様、ウォルコットも「アーセナルというチームを愛していた」選手だと思えるからです。
    いくら試合に出られないからと割り切ったとしても、寂しいという感情はぬぐえません。
    矛盾するようですが、エバートンに行くのであれば素晴らしいプレーでアーセナルを苦しめる活躍をして欲しいと思います。

    主様にならい、将棋で例えるならばウォルコットは棒銀のような存在だったでしょうか。
    ハマりさえすれば王様の首まで狙えるのですが、戦術がうまくいかなくなると孤立したまま終局してしまうというような。
    ゴリゴリにゴールを狙う竜王のようなFWを渇望しているのは確かですが、不器用さも含めてアーセナルの選手らしかったウォルコットに感謝しています。

  2. ビッグサムファン より:

    アーセナルが変わるにはクロエンケからウスマノフへのオーナー交代も必須だと思います。ウォルコットがいなくなり、サンチェスもいなくなるのが濃厚、更にはヴェンゲルも辞める決意をした可能性がある今こそオーナーもクロエンケからウスマノフに変われば改革は進みそうなのですが。。

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