2つの幸運を活かしたアーセナルが、チェルシーに逆転勝利でカラバオカップ決勝進出!
さて、2日めは注目のビッグロンドンダービーです。コミュニティシールドは1-1でアーセナルがPK戦勝利、プレミアリーグはスタンフォード・ブリッジが0-0、エミレーツは2-2。カラバオカップ準決勝のファーストレグは0-0と、今季の4試合すべてが90分で決着つかずだったライバル決戦。オスピナ、カバジェロと両者とも第2GKが先発ではありながら、ベジェリン、ムスタフィ、コシールニー、モンレアルVSリュディガー、クリステンセン、アスピリクエタはガチンコ対決。エルネニー、ジャカ、エジル、ウィルシャー、イオビ、ラカゼットで勝ちにきたガナーズに対して、モラタは不在ながらもペドロ、ウィリアン、アザールを揃えたブルーズも、カンテ、バカヨコ、ヴィクター・モーゼス、マルコス・アロンソと必勝仕様です。
あっさり先制したのはアウェイのチェルシー。5分にアスピリクエタの浮き球をヘッドで突き刺したペドロはオフサイドでしたが、2分後、カンテの縦パスをラインの裏に送ったペドロのスルーパスは完璧でした。ムスタフィとコシールニーの間をすり抜けたアザールが、左足インサイドでオスピナのグローブを弾いて0-1。ガナーズが早めに追いつけければ、引いてカウンター狙いにシフトされて難しい展開を強いられそうです。9分、イオビがボックス左に走り込んだウィルシャーに縦パスを通すと、カバジェロと1対1になった10番はシュートをセーブされてしまいます。このシーンでこぼれ球に詰めていたモンレアルは、12分の幸運な同点ゴールの主人公となります。
エジルが左から高く上げたCK。下がりながらフリーになって合わせたモンレアルのヘディングシュートは、マルコス・アロンソとリュディガーに次々と当たってゴールイン。ピンボールのようなトリッキーな弾道に、逆に動いたカバジェロは茫然と見送りしかありませんでした。19分、左のペドロが入れたパスをアザールがスルーすると、中央にいたウィリアンがモンレアルをかわして左足を振り抜きますが、ボールはファーポストの外に切れていきます。ウィリアンはハムストリングを痛めたのでしょうか。30分に代わって入ったのは、チェルシーでのデビュー戦となったロス・バークリー。プレミアリーグでは未だベンチ入りまでの「ランパードの後継者」は、初めての試合で結果を出すことができるでしょうか。
32分、ジャカが右サイドの角度のないところから狙ったFKは、壁にヒットしてクロスバーの上。前半終了間際にウィルシャーがエジルに通したスルーパスは決定的でしたが、マルコス・アロンソを制して右足で打った11番はクリステンセンに足を出され、ボールは左のポストすれすれを抜けていきます。前半は1-1、オンターゲットが少ない神経戦は、ワンチャンスを活かしたチームが勝利に近づきそうです。48分のジャカのミドルは枠を越え、52分にバカヨコの鋭いスルーパスで完全に抜け出したアザールはつまずいて転倒し、チャンスを逃してしまいます。60分、2度めの幸運をつかんだのは、ボックス右に流れたラカゼットに縦パスを通したジャカでした。
クリスタル・パレスに圧勝した先週末のプレミアリーグから、攻め上がりが目立つようになったセントラルMFが、パスを出した後にニアにスプリントしたのが決勝ゴールにつながりました。ラカゼットの左足のクロスのコースを変えてしまったのは…ああ、リュディガー!2度の失点シーンでいずれも決定的な役回りを演じてしまった2番には、「not his day」という言葉しか浮かびません。アスピリクエタとカバジェロの前にいたジャカが、瞬時の判断で左足のアウトにかけて押し込み2-1。逆転された昨季プレミアリーグ王者は遠めからの精度の低いシュートしか攻め手がなく、76分にはエルネニーを起点としたカウンターを喰らいます。縦に走ったエジルが右に流した優しいラストパスはパーフェクト。決めなければならなかったイオビは、工夫のないダイレクトショットをカバジェロの足に当ててしまいました。
この日のアーセナルは、冷静に守れていたと思います。81分に途中出場のザッパコスタが高く上げたクロスは、マルコス・アロンソの強烈なボレーをベジェリンがブロック。セットピースを活かせなかったチェルシーは、88分のマルコス・アロンソの直接FKも落とし切れませんでした。ラカゼットとイオビをコラシナツとラムジーに代え、エジルを前に残したヴェンゲル監督は、安心して観ていられたのではないでしょうか。5度めの勝負はアーセナルが2-1で競り勝ち、思い出したくない2010-11シーズンのバーミンガムとのファイナル以来、7年ぶりのリーグカップ戴冠チャンスを手に入れました。
ウィリアンが最後までいれば…。ブライトン戦でバチュアイとアザールをうまく動かしていたMFのリタイアがなければ、チェルシーはより多くの決定機を創れていたのではないかと思います。ポゼッション52対48、シュート数11対12、オンターゲット4対2の拮抗した試合を決めたのは、ホームチームを後押ししたいくつかの幸運ばかりではなく、効果的なパスを出せる選手の数だったのではないでしょうか。右サイドにスペースを見つけてイオビのサイドチェンジを待ったジャカ、ラインの裏を狙って中盤からのパスを引き出したエジルなどの動きは、チェルシーの前線の選手に足りないパーツでした。グーナーのみなさん、おめでとうございます。ヴェンゲル監督の最後の晴れ舞台となるかもしれないウェンブリーで、プレミアリーグ史上最強ともいわれる相手にガナーズらしいサッカーを披露していただければと思います。決戦は2月25日、いいカードとなりました。エジル、ラムジー、ウィルシャー、デブライネ、スターリング、アグエロ…楽しみです!
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