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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Tottenham×Arsenal】ハリー・ケインのヘディング1発で、トッテナムがアーセナルに完勝!

アルデルヴァイレルトには、無理をさせない方針なのでしょう。プレミアリーグ27節、ウェンブリーで開催されるノースロンドンダービー。ポチェッティーノ監督は、ロリスの前にトリッピアー、ダヴィンソン・サンチェス、フェルトンゲン、ベン・デイヴィスの4枚を並べています。セントラルMFにデンべレとエリック・ダイアー。ソン・フンミン、デル・アリ、エリクセンの前にハリー・ケイン。終盤戦でどうしてもゴールがほしい局面になれば、ルーカス・モウラのプレミアリーグ初登場があるかもしれません。アウェイのアーセナルは、GKチェフ、最終ラインにベジェリン、ムスタフィ、コシールニー、モンレアル。ジャカとエルネニーの2センターに、エジル、ウィルシャー、ムヒタリアンが2列め。最前線にはプレミアリーグデビュー戦ゴールを決めたオーバメヤンです。

キックオフから攻めていたのはスパーズでしたが、5分を過ぎた頃からガナーズが反撃。サイドから速攻を仕掛けるスパーズはクロスの精度が低く、ガナーズはエジルとミキにいいパスを集められません。8分、ハリー・ケインが左のデル・アリに落として始まったカウンターは、ラストパスを受けたスパーズのエースの前でムスタフィが触り、チェフがセーブ。アーセナルは縦パスに対するチェックとニアのカバーがよく、17分のソン・フンミンのミドルまでシュートを打たせませんでした。25分、トリッピアーのクロスをニアで合わせたエリクセンのヘッドは、チェフがキャッチ。1分後、左のエリクセンが中央に入れたクロスは、ラインの裏に出たハリー・ケインがフリーで頭に当てますが、クロスバーを越えていきます。

29分、CKのクリアを叩いたデンべレのシュートは明らかに右に外れていましたが、エリック・ダイアーの足元へ。うまくミートすれば先制でしたが、薄く当たったボールはチェフの懐に収まります。今日のミキは、ボールをうまくコントロールできていません。味方がいないエリアに上げてしまうことが多く、ガナーズはシュートがない時間が続いています。39分にミキが右のエジルに展開すると、逆サイドに通ったボールをモンレアルがヘッドで折り返すもダヴィンソン・サンチェスがカット。ベジェリンのミドルはロリスの頭上を越え、前半は0-0で終わりました。オンターゲットはエリクセンが浮かしたヘッドのみ。ムスタフィとダヴィンソン・サンチェスの的確なカバーリングが効いています。

後半開始早々、左サイドを突破したベン・デイヴィスの折り返しはムスタフィがブロック。49分、先制点はやはりプレミアリーグ得点王でした。ベン・デイヴィスのクロスに対応したのはコシールニーとモンレアル。前半もこの2人の裏にハリー・ケインに入られたシーンがありましたが、コシールニーが完全に競り負け、完璧なヘディングがゴール左隅に吸い込まれます。52分、エリック・ダイアーが右からクロスを上げると、フリーの10番がヘディングシュート。左に向かったボールは今度は切れてしまい、アーセナルは命拾いします。54分にもハリー・ケインはトリッピアーが中に入れた浮き球をダイレクトボレー。チェフが弾いて追加点を許さなかったものの、ガナーズは綻び始めた守備を修正しなくてはなりません。

57分、エリクセンの直接FKは読んでいたチェフがビッグセーブ。ヴェンゲル監督は64分にミキとエルネニーを下げ、ラカゼットとイオビを投入する積極策に出ました。ラカゼットが前、オーバメヤンがやや下がりめの4-4-2。68分にエジルからオーバメヤンにつないだ速攻は、クロスのこぼれ球をウィルシャーが左隅にコントロールしますが、ロリスが飛んで弾き落とします。70分、ポチェッティーノ監督はソン・フンミンをラメラ。71分にコシールニーのミスを拾ったラメラが、裏に走り込んだデル・アリに浮き球を通すと、チェフの脇を抜いたシュートは右にアウト。直後、右サイドからドリブルで持ち込んだラメラがチェフと1対1になりますが、左足のトゥーキックは守護神が体に当ててCKに逃れます。

76分、左からボックスの角に上がったエリクセンが、逆サイドから上がったトリッピアーにクロスを通すと、ノーマークのSBのボレーはチェフが素晴らしい反応でクリア。84分にデル・アリが下がってワニャマが入ると、ヴェンゲル監督はジャカに代えてウェルベックです。ラメラが左から突破を図り、クロスに打ったシュートはポストの外。91分にベジェリンが右から攻め上がり、ファーに入れたクロスはラカゼットがボレーを打ち上げてしまいます。93分、イオビが前線に縦パスを通すと、ダヴィンソン・サンチェスを振り切ったラカゼットがロリスと1対1。右足のシュートにロリスは触れなかったものの、わずかに左に逸れて同点はなりません。エジルの直接FKが壁に阻まれると、タイムアップの笛。プレミアリーグ4位に1差に迫っていたトッテナムがエースのゴールを守り切り、アーセナルとの勝ち点差を7としました。

シュート数は18対6、オンターゲットは6対1。最少得点差で着地した一戦でしたが、内容的にはトッテナムの完勝でした。両者の差は、完成度と運動量。とりわけデンべレのチェックが素晴らしく、手数をかけずにサイドにパスが入ってくるため、ベン・デイヴィス、エリクセン、トリッピアーは余裕をもってクロスを上げていました。オーバメヤンの活かし方、エジルとミキの連携など今後の宿題が多かったアーセナルは、守備においてはコシールニーがデュエルや空中戦で弱くなっているのが気になります。チャンピオンズリーグに復帰するためには、CB2人と守備力・展開力に長けた選手の獲得(あるいは育成・コンバート)が必要なのではないでしょうか。トッテナムの次節は与しやすいクリスタル・パレス。アーセナルはEL2試合を戦った後、カラバオカップ決勝とプレミアリーグでマンチェスター・シティと連戦です。

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“【Tottenham×Arsenal】ハリー・ケインのヘディング1発で、トッテナムがアーセナルに完勝!” への11件のフィードバック

  1. ロボ より:

    前半の戦いからガナーズが引いて守っているのを見てガナーズの負けを確信しました。
    前半はうまく守れていましたがガナの守備力でスパーズの攻撃を抑えきれるわけもなく、さらにはカウンターも特にうまいチームではないのに。

    いくらアウェイだったとはいえスパーズは再試合を行なったばかりで疲労の色も見えていました。
    いつも通りのパスサッカーのほうがまだ勝算は高かったのではないでしょうか。

    ベンチワークを見てもあまりのバランスの悪さに驚きますね。
    ジルーを放出したために似たようなタイプの選手がならび変化をまったくつけられていません。

    このチームがELで優勝なんてほぼ無理でしょうから来シーズンこそベンゲルを解任してチームを作り直すべきです。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    前節はエバートンがひどかっただけでしたかね。
    ムヒタリアン、オバメヤンの加入にエジル契約延長は朗報でしたが、やはり守備陣の補強をサボったのは夏まで影響大きそう。
    次節シティにとどめを刺されてCL圏争いからも離脱か…。

  3. xof ybot より:

    サンチェスよりもムヒタリアンの方がアーセナルに合ってるし前より強くなる、サンチェスがボールを持ち過ぎてアーセナルの攻撃リズムを壊していたとかサンチェスをこき下ろし、必死に自分達を慰めていた一部のグーナーが黙り込んでるのが面白いですね。あくまで一部のグーナーですよ。
    ムヒタリアンには新天地で幸せになってもらいたいですが、今日のムヒタリアンが最近のユナイテッドでの姿であったとだけグーナーにお伝えしておきますね。
    ただ今日の敗因は明らかに監督が上手くオーバメヤン、エジル、ムヒタリアンを使いこなせてない、試合の戦い方が悪いことだと思いますがね。

    —–
    中2日でCLユヴェントス戦が控える日程の中、この勝利は本当に掛け値無しのものとなりました

    デンベレは好調時にはブレーキどころか独力でプレスを打開できることを証明して見せましたね。前節から引き続いて彼の中盤での存在感は圧倒的で、ギャップで受けるアリやエリクセンへの効果的な縦パスが崩しのスイッチとなっていました。

    アルデルワイレルト、オリエ、ローズ、ウィンクスをユーヴェ戦に向けて休ませながらも、特にトリッピアとデイビスの両SBはその不在を感じさせない活躍で、ここに来てスカッドの充実度が最高に達しつつあることを実感しました。

    首位シティとの勝ち点差20は厳しいですが、少なくとも2位集団の中では最も勢いづいているのではないでしょうか。

  4. メルティ より:

    どーんさん
    それわざわざここに書く必要あります?そんなに煽りたいならTwitterにでも書いといてください。

    今日は中盤の選手たちの役割が不明瞭だったような気がします。バランスを取れる選手が欲しいところですね…。しかしヴェンゲルはELに絞れるでしょうか。ELが定位置になってきそうです…笑

  5. COYS より:

    戸田さんも仰っていたようにラカゼット投入後のガナーズの基本フォーメーションはオバメを左に出した4231ないしは4141だったと思いますよ。
    オバメが斜めに中に入ってきてた時に出来たスペースを誰がカバーするのか恐らく明確になってなかったので、時間帯によっては左SHなしの変則442みたいになっていたのではないかと思います。
    後半終盤スパーズの両サイドSBの運動量が落ち始めた辺りでコラシナツ投入して352にされた方がスパーズとしては嫌だったかなと思います。

    スパーズとしてはここ3連戦で勝ち点7取れたことは大きいですね。ユベントス戦も期待したいところです。

  6. プレミアリーグ大好き! より:

    どーんさんの仰ってる事は正しいと思います。グーナーの方々に向けて言ってるのはダメですけど笑

    ミキに散々イライラさせられてきたユナイテッドサポとしてはやっぱりなというような試合でしたね。彼が輝ける試合はストレスフリーでボールが持てる試合だけなんですよね。少しでもプレッシャーがかかるとすぐにボールロストしますし、それを平気で繰り返します。あとボールを受けるまでの動きも下手というか何も考えてないのですぐにゲームから消えます。他にも代表戦の後にめちゃくちゃなコンディションで帰ってきたりします。リカバリーもめちゃくちゃに遅いです。

    アーセナルのような緩めの中盤でエジルとミキを両建てで使えるようになるにはかなり時間がかかりそうですね。多くの方が仰ってるようにテコ入れは後ろからだったなと他サポながら思います

  7. トマシュ より:

    よくもまぁ1失点で済みました。

    守備力0の中盤と守備力0のサイドバックじゃこうなりますよね。4バック・・・。どうせやるなら2トップにしてほしかった。

    ところでFAカップしか可能性のない”ビッグチーム”のワンフーが湧いてますが最近こんな感じなんですかね?
    あくまで一部のですよ。

  8. スパーズファン より:

    点を取った場面のデンベレに二人向かっていって剥がしてハーフスペースでデイビスがフリーになって、クロスまでの余裕が勝負を分けましたね。

    終始ボールを持って内と外を使い分けながらゴールに迫ったスパーズとビルドアップを放棄して縦に入れることしかしなかったアーセナルとの内容の差も感じられる勝利でスパーズファンとして気持ちが良かったです。
    エミュレーツではあれだけの試合をしたアーセナルが今このようになっているのを見ると、チームの練度不足とシーズン後半に大きく選手を入れ替えるリスクを考えさせられました。

  9. sini より:

    今季ここまでスパーズは、ローズなりトビーなりデンベレなりが常に欠けていて、ベストメンバーでの戦いができていなかったわけですが、
    やっぱりデンベレが本調子だとそれだけで別のチームになるなあと、そう思わされます。

  10. どーん より:

    サンチェスに複数年契約を残してるムヒタリアンを差し出してくれるなんてありがたい、サンチェスはボールをこねてリズムを壊してるからムヒタリアンと交換してくれてラッキーなどといったサンチェス下げ、ムヒタリアン上げコメントがこのサイトの記事のコメント欄に複数見受けられたので少しやり返したかっただけです。これからはしません。
    本当に言いたかったことは中盤より後ろがハイプレッシャーに弱過ぎるアーセナルにとって特にビッグマッチにおいて多少孤立気味な状況でもボールをキープ、突破していたサンチェスは間違いなく必要な存在だったということと、エジル、ムヒタリアン、オーバメヤンを使ってシンプルで流動的なサッカーをしたいのであればもっと後ろをしっかりさせろよということです。

  11. makoto より:

    ロボさん>
    2015年1月に、マンチェスター・シティ相手に引いて0-2と勝った試合があり、あの再現があるかと思いながら観ていたのですが、当時のカウンターサッカーの徹底度はこの日は感じられなかったですね。スパーズは、ニューポート戦からソン・フンミン以外の10人を代えていたので疲れはさほどなかったのではないかと思います。ポチェッティーノさんの最大の強みは大胆さ、徹底度ではないでしょうか。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    一喜一憂してしまう内容の2試合だったので、いいたくなるのはわかりますが、ここからどう改善していくかですね。仮に2年連続ELとなったとしても、きちんと主力を引き留めつつ弱点補強を施していければいいのではないかと思います。CBは最低2人必要ですね…。

    xof ybotさん>
    デンべレ、素晴らしかったですね。おっしゃるとおり、負傷者が続々と復帰しているスパーズがTOP6のなかでは最も期待できるチームだと思います。CL楽しみですね。

    メルティさん>
    私も、中盤の選手たちの役割と動き方が曖昧なのが気になりました。

    COYSさん>
    4231と4411は、選手交代後の短い時間で判別するのは難しいです。おっしゃるとおり、終盤はFW2人で前線から圧力をかけていく352にしたほうが可能性があったかもしれませんね。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    応援していたクラブでうまくいかず、苦しんでいた選手に対して、移籍先のクラブの試合について語る場で「平気で繰り返す」などという恣意的な形容はいらないのではないですか?ご本人の問題ばかりではないと思いますし。

    スパーズファンさん>
    11月のノースロンドンダービーは、アーセナルが素晴らしかったのですが、今季のアーセナルはチームとして「いい時期」がないんですよね(単発でいい試合はありますが)。熟成度が低くてもオーバメヤンとムヒタリアンを先発させるという判断になったのは、シーズンを通じて悩めるチームだったからでもあるのかもしれません。

    siniさん>
    デンべレでしたね。トビー負傷直後の混乱から立て直しに成功し、プレミアリーグで直近9戦無敗は素晴らしいですね。

    どーんさん>
    わざわざ他クラブの試合のコメント欄にいって、私怨を晴らすために確信犯で荒らすのは絶対にやめてください。私も含め、サポーターは多かれ少なかれ出ていく選手にショックを感じるもので、「コウチーニョなしでもいける」「アレクシスは今季は要らなかった」「ムヒタリアンは余剰戦力だった」といって自分を納得させたくなるものです。無邪気にいっていても、時折揉めてしまうことがあるのに、わざと煽りにいったら雰囲気が悪くなるのはわかりますよね。ガナーズとスパーズのファンの方が最も大事に思うノースロンドンダービーという場で、それぞれ相手方の感情を慮って喜びと悔しさを収めながら、試合を愉しんだ感想を語り合っているということを大事にしてあげてください。

    みなさん>
    変な雰囲気になってしまい、すみません。楽しみにしていたノースロンドンダービーでしたが、ぞくぞくするほどの緊張感が続くおもしろい試合でした。アーセナルがうまくいかなかった試合ではありますが、チェフとムスタフィは素晴らしく、最後のラカゼットの一撃が決まっていればまた違う趣のコメント欄になってましたね。デンべレ、エリクセン、ベン・デイヴィス、トリッピアー、そして最前線のモンスターが冷静かつシュアに戦っていたスパーズの熟練度が上回った一戦だったのかなと思います。

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