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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ユースのスターの前に立ちはだかるプレミアリーグの厚い壁。チェルシーの次世代を担うのは…!?

マンチェスター・ユナイテッドはプレミアリーグ27試合6ゴールのマーカス・ラシュフォードと今季頭角を現したマクトミネイ。アーセナルは29試合1ゴールのベジェリンと19試合2ゴールのイオビ。リヴァプールにはプレミアリーグ13試合先発のアーノルドがおり、トッテナムは昨季からファーストチームに定着したハリー・ウィンクス。マンチェスター・シティでは、天才フィル・フォーデンが3試合に出場しています。資金力でワールドクラスを続々と獲得するTOP6のクラブといえども、それぞれ1~2名はプレミアリーグで活躍し始めているユース上がりの選手がいるものです。

この話になると、俄然チェルシーが気になります。今季プレミアリーグの記録を見ると、ムソンダが34分、カラム・ハドソン・オドイが25分、ジェレミー・ボガが18分、イーサン・アンパドゥが10分のみの出場に留まっており、ドイツでブレイクしたクリステンセンが出場23試合&先発19試合と孤軍奮闘。これを見て、「ライバルたちと同じく、チェルシーにも素晴らしいCBがいるじゃないか」と思う方もいらっしゃるでしょう。それはそうなのですが、最強アカデミーを持つこのチームからは、もっと多くの選手がクラブに定着してほしいものです。U-21やアカデミーのチームの戦績を振り返ってみましょう。FAユースカップは、2010年からの8年で優勝6回。2014年にU-21プレミアリーグを制し、U-18プレミアリーグは2014-15シーズンから3季連続のサウスチャンピオンで、昨季はナショナルチャンピオン。2014-15シーズンから2年連続でUEFAユースリーグを制覇し、欧州で最も強いアカデミーに輝いています。

クラブのヤング・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーのリストを見ると、過去5年に選出された逸材たちは、いずれも他クラブでプレイしています。2013年のナタン・アケはボーンマスに完全移籍。翌年のルイス・ベイカーは、フィテッセで64試合15ゴールと素晴らしい2年を過ごした後、2017-18シーズンはミドルズブラに貸し出されて難しいシーズンを過ごしています。2015年のクルト・ズマはプレミアリーグ19位のストークにレンタルされて悪戦苦闘。2016年のロフタス・チークはクリスタル・パレスで負傷に悩まされました。昨年のメイソン・マウントはフィテッセでの武者修行で22試合7ゴールといい出足を見せていますが、青いユニフォームでプレイする日は来るのでしょうか。コンテ監督に抜擢されて出番を得た17歳のオドイとアンパドゥは楽しみですが、最強アカデミーを卒業した先輩たちと同様に、いずれ他クラブに活躍の場を求めることになるかもしれません。

昨夏のU-20ワールドカップでイングランドを初優勝に導き、ゴールデンボールを獲得したドミニク・ソランケがリヴァプールに移籍したのはショッキングでした。私が今季、最も注目していたのはスウォンジーにレンタルされたタミー・アブラハムです。UEFAユースリーグ連覇の立役者であり、昨夏のU-21ユーロにおけるイングランド代表のエースストライカー。スワンズでは、プレミアリーグ8節までに4ゴールと順調な滑り出しを見せたものの、11月になると完全に沈黙。負傷で1月を全休した後、ジョルダンとアンドレのアイェウ兄弟にポジションを奪われ、2月からの4試合は出場時間57分とベンチが定位置になりつつあります。フラットに見ればうまくいっているとはいえませんが、それでも彼は「ワールドカップのメンバーに選ばれたら、チェルシーのドアをノックする」と、少ない可能性を捨てていません。「スカイスポーツ」の記事から、最近のコメントを拾ってみました。

「このシーズンをストロングに終えたい。夏のワールドカップのスカッドを見据え、チェルシーにフォーカスする。私の目標は、チェルシーに復帰してうまくやることだ。6歳からいたチームが、自分が成功する場だと信じている。夢はファーストチームに加わることだ」

以前は、なぜチェルシーは若手を使おうとしないのかと焦れていたのですが、今季ノーゴールのソランケやサブに落ちたアブラハムを見て、少し考え方が変わりました。世界でいちばん選手にお金を使うプレミアリーグの何と奥深いことか、と。チェルシーがいい素材を活かせないのではなく、ラシュフォード、ベジェリン、クリステンセンのような化け物はそうそう出てくるものではないと理解したほうがよさそうです。今まで抱き続けてきた、チェルシーから凄い選手が出てくるのではないかというワクワク感まで消し去るのは難しいのですが…。

引き続き、タミー・アブラハムが夢を叶えるのを応援しつつ、私たちはチェルシーでレギュラーの座を手に入れる次世代のスターを既に目撃しているのではないかと想像します。まだ底を見せていないロフタス=チークと、1月に行われた「プレミアリーグ2」のサンダーランド戦でハットトリックを決めた「U-23の17歳」、ハドソン・オドイに期待しているのですが、果たして…!

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“ユースのスターの前に立ちはだかるプレミアリーグの厚い壁。チェルシーの次世代を担うのは…!?” への2件のフィードバック

  1. nor より:

    試合を見ず応援しないうことではなく、正直今季は終わった感があります。もちろんCL枠やFA杯は残っていますが、来季に向けて出て行くと心の中では決めている選手も少なくないと思います。来季に向けて若手の登用にも多少はシフトする姿勢を見せてもいいのではないかと感じますね。結果、他に売る事になっても、砂に埋もれる一粒の原石を掘り当てるにもユースの規模は必要でしょうし、トップチームへのモチベーションが何よりの原動力。そんな若手の活躍、台頭でチェルシーらしいチームが作り替えられていけば、、と願ってやみません。

  2. xof ybot より:

    チェルシーのユース出身者で言えばベルトラン・トラオーレをもっとプレミアで見たかったですね。
    将来はスタリッジのような万能型のアタッカーになれるような気がしていたのですが…

    私はスパーズファンなのですが、最近のウィンクスの不調が心配です。ウォーカーやローズ、ハリーケインと同等の人材をコンスタントにトップチームに定着させ続けるのは、やはり至難のことなのだろうと思います。
    彼らに続くと思っていたキャロル、プリチャード、ベンタレブは移籍、オノマーも現在はチャンピオンシップにレンタルされていますし、このリーグの難しさを感じますね。

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