【MAN.CITY×Aston Villa】どうしたマンチェスター・シティ…ダービーが嘘のような守備の綻び
アストン・ヴィラとのアウェイ戦は、その輝かしいダービー勝利からわずか1週間です。しかもヴィラはホームでリヴァプールとニューカッスルに敗れており、守備が落ち着かないチーム。加えてこの日は、ベンテケとアグボンラホルを欠いており、自慢の3トップは作動しません。ひとり残ったFWヴァイマンのパートナーは、期待のCFニクラス・ヘレニウスではなく、さほど得点力があるわけではないリボル・コザク。調子が上向いてきていたはずのマンチェスター・シティには、負ける要素は見当たりません。ダヴィド・シルヴァ不在のなか、ヘスス・ナバスとヨヴェティッチをベンチに置き、ネグレドとジェコの2トップという初めてのフォーメーションをとったところに問題はあったのでしょうが、ゲーム開始前は、「これはおもしろい」としか思いませんでした。何点獲って勝つのだろう、と。
結局、マンチェスター・シティは、1軍半といってもいいアストン・ヴィラの攻撃陣に3点を奪われ沈みました。「後半開始直後のアフマディの同点ゴールは、完全にオフサイドじゃないか」など、言いたいことはあるでしょう。しかしその後、CKからジェコがきれいなヘディングで勝ち越しゴールを決め、1-2として勝ちゲームの流れに持っていけてたのも事実。あるいは逆に、先制点もCKのクリアのこぼれ球をヤヤ・トゥレがプッシュしたゴールだったことを思い返せば、セットプレイでしか点が奪えず、新しいフォーメーションが機能していない状態だったともいえます。いずれにせよ、「自分たちは決してよくはなかったものの、セットプレイで運よく2点獲れて、後はさして強くもない敵の攻撃を抑え込めば勝利」というところまではいっていたのです。しかし…。
73分に、GKハートが一歩も動けない見事なFKをバグナに叩き込まれてから、舞台は暗転し始めます。74分、ペジェグリーニ監督は、みたびの勝ち越しをもくろみ、ヨヴェティッチを投入。ところがそのたった2分後、信じられないプレイでマン・シティは勝つべきゲームを失うことになります。アストン・ヴィラGKグザンが蹴った何でもないゴールキックを、コンパニとナスタシッチがお見合いし、あっという間にヴァイマンにど真ん中を突破されてGKと1対1。ハートの飛出しはタイミング、態勢とも最悪で、ヴァイマンに足元を簡単に抜かれ、難なくゴールイン!あっけない、のひとことが似合う、ホームチームにしてみれば望外の1発です。マンチェスター・シティは、セットプレイでしか点が獲れないこの日の急造フォーメーションではこれを取り返すことができず、そのまま3-2でタイムアップ。痛い敗戦で上位進出のチャンスをつぶし、ハル・シティと並ぶ7位にとどまることとなりました。
ひとことでいえば、「油断」でしょう。もともとワントップでFWの頭数が少ないのにネグレド、ジェコの2トップを突然採用したのも、ヘスス・ナバスをスタメンから外し、特段調子がいいわけでもないミルナーを出したのも、「マン・ユナイテッドに勝ったわれわれが負けるわけがない」という油断にみえました。混戦模様のプレミアリーグでは、こういう星の落とし方が勝ち点1を争う最後に効いてきます。
タイミングの悪いことに、マンチェスター・シティの次戦は、チャンピオンズリーグのバイエルン・ミュンヘン戦。さらに週末のプレミアリーグは、今夜ニューカッスルに快勝したエヴァートン戦と厳しいゲームが続き、こぼれたミルクを嘆いているヒマもありません。ここで切り替えて早期に態勢を立て直せるか、敗戦が影を落として2つ3つと失ってしまうのか。マンチェスター・シティ、今週は大事な1週間です(写真著作者/Илья Хохлов)。
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ユナイテッドの不調で一番恩恵を受けているのは、ペジェグリーニじゃないでしょうか。英紙ではモイーズ批判ばかりが目につき、ペジェへの風当たりはずいぶん緩いです。
既にシティチェルシーリバポ戦を消化し、加えて1つ取りこぼして勝ち点7のユナイテッド。ダービー以外は昇格組2チーム含む昨季の下位チームと戦い、3つ取りこぼして勝ち点10のシティ。個人的には両者はイーブンです。
トーレス下さい。あ、赤い方ね さん>
そうかもしれませんね。ただし、あちらは「気合い入れてやれば昨季のトップに4点獲って勝てる」ことを証明し、こちらは「どんなチーム相手でもセットプレイ以外では得点すらできない」ことを5試合かけて認識してしまった状態。重症度は、やはり赤のほうが高いです。
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