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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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チェルシー、トッテナム、アーセナル…1月補強はFW争奪戦!

プレミアリーグのいくつかのトップクラブで、1月に再開する移籍市場でのFW獲得話が再燃しています。ワールドカップまで残り8ヵ月となったところで、所属クラブで出場機会が得られない選手は、代表に選出されるために移籍によるポジション確保を模索。一方で、直近の戦績が思わしくないクラブ、先の見通しが厳しいクラブはさらなるチーム強化を検討しており、両者の思惑が一致すれば商談成立、というわけです。ワールドカップがある年は、例年に比べて1月の移籍市場が活発になりがちです。

冒頭に「再燃」と書いたのは、8月にFW獲得を熱望しながら獲れなかったクラブは継続的にいい選手を物色しており、一応補強はしたものの、フタを開けてみると結局ストライカーが期待外れで得点力不足に泣くチームもまた、次の機会での見直しを図っているからです。もっと簡単にいえば、「今季開幕前に、FW補強を満足にできたクラブはマンチェスター・シティとリヴァプールのみ」ということ。大物2人を獲得できた前者の課題はむしろGKとDFにあり、後者の最大の成果は「スアレス残留」だったといえるでしょう。

さて、直近で話題に上っている話をいくつか挙げると、まずはトッテナムのチチャリート獲得。こちらはイギリス紙「メトロ」が報じており、プレミアリーグで3試合しか出場していないメキシコ代表FWが出場機会を求めて退団を検討しており、FWの選手がPKでしか点を獲れていないトッテナムがこれを狙っている、という構図です。アデバヨルがゲームに出られる状況になく、ソルダードは序盤戦でPKを2発、決めたきり沈黙。7試合で6ゴールしか決められていないトッテナムが、この状況に危機感があるのはわかりますが、デフォーやラメラをうまく使う、という選択肢はないんでしょうか。中盤より前においては、パウリーニョとデンベレのみが絶対的なスタメンで、他をローテーションさせているこのチームは、まだ攻め方が固まっていない印象があります。であれば、FWの個人力に解を求めるより、短期間で急激に人数が増えた攻撃陣の熟成を図ることが重要。今の状態で新戦力を獲得しても、相当な大物じゃない限りは、点を獲れないFWがひとり増えるのみに終ってしまうのではないでしょうか。

そしてもう1チーム、FWの得点力で苦しんでいるのはチェルシーです。こちらは重症で、プレミアリーグにおけるFWの得点はゼロ。開幕当初は私も、「エトーは点を獲れずとも、前線でいいプレイをしている」「そうはいってもF.トーレス以上のFWはなかなかいない」と、気長に構えていましたが、7試合で3人のFWが誰もゴールを決めていないとなると、考えないわけにはいきませんね。プレイを見る限り、エトーは明らかに峠を越えており、F.トーレスに以前の爆発力は戻ってこないでしょう。モウリーニョ監督のリストに名前があるのは、FCポルトのコロンビア代表、ジャクソン・マルティネスだといわれています。昨季、FCポルトのスーペル・リーガ制覇に貢献し、30試合で26ゴールを挙げて得点王に輝いたこの選手が、なぜ夏の移籍市場で話題にならなかったのかがわかりませんが、彼は今季も7試合7ゴールと好調なスタートをきっています。個人での打開力がある選手なので、中盤が強いチェルシーにはすぐにはまるのではないでしょうか。この話がうまくいったら、チェルシーは一気に強くなりそうです。

一方、アーセナルの場合は、ジルーが好調な今、不安は得点力ではなく純粋にFWの枚数でしょう。先日、イギリス紙「デイリー・メール」がヴェンゲル監督が狙っていると報じていた選手は、ユヴェントスでテベス、クアリャレッラ、ヴチニッチの次という格付けになってしまっているスペイン代表FW、フェルナンド・ジョレンテです。しかしまあ、フリートランスファーで移籍金ゼロだったとはいえ、ユヴェントスはなぜ彼を獲ったのでしょうね。代表クラスのFWを5枚も入れてうえに、4試合使っただけで「期待に応えていない」などと評価されては、選手もたまりません。アーセナルが「1月スアレス獲得は無理」と判断しているのであれば、ジョレンテ獲得はいい選択肢だと思います。

最後にマンチェスター・ユナイテッド。何しろ不調なのでいろんな名前が取りざたされるのは理解しますが、バルセロナで好調のチリ代表FW、アレクシス・サンチェスと聞くと、「今はそのポジションは要らないでしょう」とツッコミたくなります。どうもモイーズ監督は、急いでファーガソンカラーを一掃したがっているようですが、予算があるならあちこち物色するのではなく、中盤とCB、左SBと狙いを定めたほうがいいと思います。今は単純にマスコミの好奇の眼にさらされやすく、飛ばし記事が充実しているだけかもしれませんが。

例年、1月はさほど大きな動きはなく、どちらかというと不振なチームのテコ入れ機会の色が強い移籍市場ではありますが、今季はおもしろい話があるかもしれません。そういえば、スアレスがプレミアリーグに参入してきたのも1月でした。まだ「関心」「興味」の域を出ない話も多いですが、今回紹介したニュースのなかから、実際に実現する話はあるのではないかと踏んでいます。いちばん怪しいのは西ロンドンですね…。(フェルナンド・ジョレンテ 写真著作者/Ferboth)

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