香川真司にイギリスメディアが高評価!レギュラー、サブ、移籍…今後どうなる?(後篇)
香川真司ファン、もしくは熱狂的な日本代表サポーターに散見されますが、「マンチェスター・ユナイテッドで出番がなければ、移籍すればいい」「ドルトムントに戻ればいい」ということをおっしゃる方がいます。これについては、事はそんなに簡単ではないと思います。確かにドルトムントのクロップ監督は「いつでも戻ってこい、歓迎する」といっていますが、現在のドルトムントの攻撃の選手を見てみましょう。ブンデスリーガで6ゴールのレヴァンドフスキ、5ゴールのオーバメヤンとマルコ・ロイス。3ゴールのムヒタリアンに、全試合出場中のサヒン、グロスクロイツ。香川とゲッツェの共存が可能で、ほかにめぼしいライバルがいなかった2年前と比べて、現在のドルトムントのレギュラー争いはし烈です。
ストライカーとサイドアタッカーがほとんどを占めるマンチェスター・ユナイテッドよりも、むしろマルコ・ロイスやムヒタリアンなど、香川と同タイプ、同ポジションの選手がいるドルトムントのほうが厳しいかもしれません。少なくとも「絶好調の香川真司は、モイーズ監督からもチームメイトからも確実に求められている」のです。原田公樹さんがJスポーツのサイトで書いていましたが、レアル・ソシエダ戦の後、ミックスゾーンで取材を受ける香川真司にルーニーが笑顔で体当たりをして、香川の復活を祝福していた、というエピソードがそれを証明しています。
結論めいたことをいえば、移籍はやめたほうがいいと思います。香川真司には焦らないでほしいのです。マンチェスター・ユナイテッドで目いっぱいがんばって、レギュラーポジションを獲ることだけに集中して、安易な移籍話は視野から外してほしいな、と。
以前、中田英寿がASローマにいた頃、トッティとのトップ下のポジション争いに敗れ、センターMFとしてもカペッロ監督のメガネにかなわず、ベンチを温める時間が長くなっていたことがありました。当時、そうはいってもそれなりに出場機会はあり、ローマはセリエA優勝で翌シーズンのチャンピオンズリーグ出場が決まり、必要とされる場面が増えると予想されているにも関わらず、中田英寿はたった1年半という短い期間でレギュラーポジションを求めてパルマへ移籍しました。このときも、「やめたほうがいいのに」と懸念したことを思い出します。欧州サッカーの厳しい環境のなかで、「ローマで控えで終わった選手」「マンチェスター・ユナイテッドで通用しないで古巣に出戻った選手」というレッテルが貼られてしまうと、その後のキャリアアップが難しくなるからです。
欧州のトップクラブでサブにまわされたり低評価をされたりして、くすぶってチームを離れ、格の落ちるクラブへ移籍した後、華麗に復活した選手はほとんどいないといっていいでしょう。パッと思いつくところでは、ディエゴ・フォルラン、ファン・デル・サール…。ほかにめぼしいところはいますかね。こういった場合は、簡単に自分から降りるのではなく、そのときいる場所で戦い続け、自らの価値を証明し、移籍する場合も相手クラブに懇願され、所属チームからも引き止めを受けて移籍するのがベストです。高く売れないなら移るな、説明しにくい経歴は履歴書に残すな、なのです。
吉田麻也も含めてですが、気軽に「試合に出られないなら移籍すれば?」という方にあらためて、お伝えしたい。これから頂点をめざそうとしている選手は、移籍については相当の吟味が必要です。特に気になるのは、サッカー事情に詳しくないスポーツマスコミが、そういったムードを煽っていたりすること。吉田麻也や香川真司、李忠成が苦境にある今、その論調に強い危機感があって、この記事を書きました。香川真司は絶対にマンチェスター・ユナイテッドで成功する。そう信じています。まずは今夜のストーク戦で、プレミアリーグ今季初ゴールが観たいですね。
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