「モウリーニョと変わらない」ファン・ハール氏のスールシャール批判には違和感が…!
欧州主要リーグを渡り歩いた元指揮官は、「変化が起こり、雰囲気はよくなった。ポール・ポグバをより重要なエリアに配したのは事実」とスールシャール監督の工夫を認めながらも、「今のマンチェスター・ユナイテッドはファーガソンのやり方とは違う。それを好むならいい。私の退屈な攻撃よりもエキサイティングというならいいと思う。しかしそれは、私の真理ではない」と批判しています。いやー、ファン・ハールさん、何をおっしゃいますやら。そういうお話は、フルシーズン戦い抜いた監督に対してするべきでしょう。スールシャール監督のミッションは、「指揮官と選手の確執によって痛んだチームを立て直す」ことで、3ヵ月の成果としては上々です。
「守備のシステムが出来上がっているので、チャンピオンズリーグで優勝することも可能だろう。しかしそれは、モウリーニョの仕事の成果だ」というご指摘も、スールシャール監督に対するリスペクトを欠いているのではないかと思います。バトンタッチされたばかりのチームが持つポジティブなベースを活かすのは当然。性急な変化を求めれば、クリスタル・パレスでプレミアリーグ4連敗という記録だけ残して解任されたフランク・デブールや、フラムで空回りしてしまったクラウディオ・ラニエリのような結果に終わる可能性のほうが高いでしょう。ファン・ハールさんは、当事者だったチームゆえに感情的になっているのだと思われます。2度にわたってチェルシーの立て直しに取り組んだフース・ヒディンクには、「モウリーニョの最高のチームには及ばない」といった無慈悲な評価は下さないはずです。
さらにもうひとツッコミ入れるなら、「プレミアリーグで49ゴールしか挙げられなかった2015-16シーズンのチームは攻撃的だったか?」。自分のサッカーのほうが攻撃的だったとおっしゃりたいようなので、こちらにも言及しますが、スールシャール監督のチームはプレミアリーグ13試合で29ゴールを決めており、38試合に直せば84となります。事実ベースでいくつか記せば、「モウリーニョ時代よりも試合あたりのゴールもシュート数も増えている」「リヴァプールやトッテナムよりカウンターは少ない」「チェルシーとトッテナムよりもオープンプレイからのゴールが多い」のが今のチームです。ラシュフォードのトップ起用、リンガードのプレイエリアを中央に寄せる戦い方、相手のウィークポイントにルカクをぶつける奇策など、アタックにおける工夫はポグバだけではありません。
実現したいのは「ファーガソンのフットボールに回帰すること」ではなく、「より多くのゴールを奪って勝つこと」。84ゴールペースのチームと49ゴールは比べるべくもなく、横に10本つながるチームよりは縦に3本通るチームのほうが魅力的に映ります。ファン・ハールさんのご意見はいささか的が外れているように感じますが、いかがでしょうか。
私は、あなたに感謝しているのです。ラシュフォード、リンガード、マルシアル、エレーラは、ファン・ハール時代からの主軸です。「多くのトレーナーは、モウリーニョのように若い選手にチャンスを与えない。はい5分、スールシャールでも10分。それはチャンスとはいわない。1ゲーム戦ってこそチャンス」などと主張しなくても、若手を成長させていい未来を創ろうと苦心していた姿をリスペクトしているのです。「スールシャールはよくやっている。来季続投となるようであれば、攻撃的なフットボールで勝ち続けてほしい」でいいではありませんか。私は、期待しています。次世代の選手たちが続々と登場し、胸が熱くなったあなたの頃と同じように。
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ファンファールの主張が間違っているかどうかはともかく 勝っている時期に別にネガティブなことを言う必要はないと思いますがね。
あえて言及するなら主張自体は的はずれってほどじゃないと思います。でも 勝ってるか 負けてるか がサッカー(特にビッククラブ)において一番大事です。 勝てればつまらないサッカーでもそう多く文句は出ません。
気にくわないんでしょうね、スールシャールが立て直した事実が。でもスールシャールのような求心力がないと、ここまで劇的な改善はできなかったし、それはファンハールには無いと思います。ここは、今期は見事だが真価は来年問われるだろう、ぐらいで済ませればいいのに、負けず嫌いなんだね。少なくとも、他ファンから見ると今のユナイテッドはバスを並べていないと思います。