現役No.1ストライカーなのに…セルヒオ・アグエロがMVPに縁がない理由を考察してみました。
2018年9月に、2020‐21シーズン終了まで契約を延長。「ここで10年プレイしたい」「契約を全うする」と公言しており、残り68試合で37ゴールを積めれば、ウェイン・ルーニーの上をいく209ゴールでシアラーに次ぐ2位となります。これまでのペースで走れれば充分手が届く数字ですが、シーズンのどこかで軽傷で休むのが「アグエロあるある」。シーズン平均22.5ゴールを2年続けるというミッションは、プレミアリーグ屈指のゴールマシンといえども約束できるレベルではありません。
マンチェスター・シティで歴代最多ゴール、プレミアリーグにおける南米出身選手としても最も多くのゴールをゲット。8シーズンすべてで2ケタゴールを達成し、5シーズン連続で20発以上。ハットトリック11回はシアラーと並ぶリーグレコードで、1試合あたりのゴール率69.6%は史上最高です。これほどの選手なのに、地味というか華がないというかキャラが弱いというか、「アグエロ・イズ・ナンバーワン!」な雰囲気がないのはなぜでしょうか。「現役選手でNo.1ストライカーは?」と、トータルの評価を匂わせると名前が挙がりそうなのですが、「今いちばんスゴい選手は?」というテーマでランキングを作ると、いつも2番手3番手な印象があります。
2017年までプレミアリーグ年間ベストイレブンに1度も選ばれていないと聞いて、驚く方は少なくないでしょう。ようやく2018年に初選出され、今年の春に連続受賞を果たしていますが、「マン・シティがあれほど圧倒的に強くないと、アグエロといわれないのか」と、むしろため息をついてしまいます。アグエロがマンチェスターにやってきてから、最初の6シーズンに選ばれたストライカーをチェックしてみましょう。ファン・ペルシ、ルーニー、スアレス・アンド・スタリッジ、ハリー・ケイン、ジエゴ・コスタ、ジェイミー・ヴァーディー、ロメウ・ルカク。なるほど、ちょっと見えてきました。アグエロの弱点は、「アクロバティックなゴールがない」「優等生キャラ」「間が悪い」の3点ではないでしょうか。
ルーニーのオーバーヘッド、ファン・ペルシやハリー・ケインのハンマーショット、スアレスの超ロングシュート、ヴァーディーの縦パス1発カウンターのような記憶に残るゴールがないのが、アグエロの弱点…いや、彼らしさです。ストロングポイントは、ニアに入ってワンタッチゴールを決める際の絶妙な速度計算と瞬発力、浮き球やクロスの落下点をいち早く察知する空間把握力、緩急の差が激しいフェイント、DFを背負いながら振り向く速さ。ボールを見なくても確実にタッチできるため、GKは表情や顔の向きから蹴るタイミングとコースを読めません。持てる能力を駆使した結果、どうなるかといえば、ほとんどのフィニッシュが簡単に見えてしまうのです。
ガチガチのマークを駆け引きと技術でかわしてシュートを積み重ねるアグエロを、拙いトラップから無理やり蹴ったボールが運よくサイドネットに突き刺さった選手が抜き去っていく…大げさにいえばそんなイメージで、表彰においては「記録よりも記憶」で損をしてしまったケースが多分にあったのではないでしょうか。そういえば、プレミアリーグの月間MVPは、たったの5回。ハットトリックを達成しながら選ばれなかった月が5回もあります。
「最前線の選手は、いわゆるヒールやプチトラブルメーカーのほうがキャラが立ちやすく、活躍したときのインパクトがデカい」というのは、思い込みでしょうか。先に並べた名前のなかで、優等生キャラはハリー・ケインとアグエロだけ。スパーズのエースには母国のヒーローというアドバンテージがあり、アグエロのひとり負け…というのが仮説です。監督とケンカしたり、移籍騒動の主役になったり、レッドカードを喰らったりすることがないため、ゴールを決めるか何らかの記録を塗り替えたときしかメディアの見出しになりません。実力の割に話題性がないことが、アグエロのそこはかとない地味な雰囲気につながっているような気がします。
最後に、「間の悪さ」ですが…。マン・シティが44年ぶりのプレミアリーグ制覇を果たした年に、最後の劇的なゴールを決めながらも、ファン・ペルシ無双にMVPを持っていかれてベストイレブンもルーニーがゲット。得点王を獲ればいいのかと2014‐15シーズンに唯一のNo.1に輝くと、チェルシーに優勝をさらわれてしまい、スポットライトを浴びたのはアザールでした。ぶっちぎりのリーディングゴールゲッターなのに、ベストイレブンをジエゴ・コスタとハリー・ケインに譲るとは…。2015年10月には、月初の試合でニューカッスル相手に5ゴールを決めた後、3試合を欠場し、月間表彰を逃すという無念もありました。
高校生に例えるなら、アグエロは学年で2番めに成績がいい優等生。苦手科目がなく、どんなテストもすいすい解いてしまうのですが、ほとんどが2番手で、唯一TOPなのは物理です。英語や体育ならアウトプットによって目立つのですが、「物理ってよくわかんない」「何でそんなに難しいことがわかるの?」と周囲は若干引き気味。ケンカの強さをアピールして注目を集めることもなく、学級委員長に選ばれる人気者でもないのですが、温厚なキャラと実力で、クラスメイトに一目置かれている…。
いかがでしょう。デフォルメが過ぎるでしょうか。「みなさん、クン・アグエロにもっとリスペクトを!」と声を張り上げたいわけではありません。プレミアリーグファンなら、マン・シティのエースの凄さをよくご存じでしょう。私が彼に密かに期待しているのは、見納めになるかもしれない来季までのどこかで、形に残る極上のリスペクトを手に入れることです。プレミアリーグ通算209ゴールか、悲願のチャンピオンズリーグ制覇&バロンドールか、PFA年間最優秀選手とプレミアリーグMVPのダブルか。長きにわたって1度も沈むことなく、ゴールを決め続けた真のワールドクラスにふさわしい何かを。
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たしかアンリが、何で彼がバロンドールにノミネートされないのかが不思議でならない、というような事を何年か前に言っていた気がしますが、たしかにその通りだと思います。
あまりにも無理のない形で点を入れるので、ああアグエロ入れたね、って感じで感動が薄いってのはあるでしょうね。
よくよく見ると、ゴールの為のお膳立ても素晴らしくて、裏を狙ったり、貰いやすくするための立ち位置の細かな修正などは、唸るものがあるのですが、私のような素人はそういった凄さよりも、逆にお膳立てがされてない状況からの派手めなゴールの方に価値を見いだしてしまいますね(笑)
つくづく私のような素人には、アグエロの凄さは、リプレイを見るまでわからないんだよなぁ。
シティのファンの方以外だと、玄人好みなストライカーではあると思います。
間が悪いは納得ですね。プレミアリーグの得点ランキングをアグエロ シティ加入時から追うと必ず誰かその年爆発した選手がいて影に隠れてるんですよね。
安定度でいえばTOPなのですが。あと軽傷でどこかで抜けるので成績が飛び抜けないのもデカイですね。出場時間あたりの成績は最高なんですが、単年で見たときの見栄え(ゴール数)が飛び出ないイメージです。
あと主さまに付け加えるなら、シティが強過ぎてアグエロ個人の活躍が薄れるのもあるかと思いました。チームとして強い分 個々の活躍が薄れてるかなー、、と。
アグエロ最高なんですけどね。15歳でデビューした時に度肝抜かれたのをよく覚えてます。
NBAで言うならばカール・マローンですかね。メールマン(郵便配達人)の異名で淡々とゴールにボールを「配達」し続けた巨人です。
素晴らしいストライカーの1人である事に疑いは無いのですが、何年前だかのルイスへの殺人タックルの件でどうしても負のイメージが多い選手です・・・
FAからオイル金満のシティが嫌われてる感は否めない
だから得点王になろうが優勝しようがシティの選手はMVPに選ばれない感じはある
マンチェスターシティは常に味方のフォローが厚いので戦術的理由もありますがほとんど1人でやらざるおえない他のチームの選手よりゴールを稼ぎやすいからですかね
ケインやアグエロが優等生……!?
どこの世界線の話ですか???
どうしても強豪相手やここ一番に沈黙したりやらかしたりするイメージが未だにあるんですよね…
去年にしてもCLのスパーズ戦でPK止められたし
マンシティの初優勝の時みたいに劇的ゴールを決めてくれたこともあるけど、レスター優勝のシーズンのその天王山レスター戦で決めたのは焼け石に水のゴールとかだったり
ビッグ6相手に1番ゴール決めてるのに?
あっビッグ6って強豪じゃないか
>>8番のコメントさん
アグエロのビッグ6に対する得点率調べて見てください。印象に残ってないだけでほぼ彼はビッグ6相手に沈黙しません
主様が言っている通り当たり前すぎて感覚がみんかマヒしてしまってるんだろうなぁ
すみません、言葉が足らなかったです(レスター戦で例えたの失敗でした)
国内のビッグ6には決めてますがCLでの強豪相手に沈黙して勝ち抜けない事が多いと言いたかったです
GLでならバイエルン相手にハットトリックしたこともありますが決勝トーナメントだと一回戦以外は沈黙してるので(去年のスパーズ戦が準々決勝以上での彼の初ゴールのはず)