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未来なき選択、勝算なき船出…トッテナムの新監督は、暫定監督のティム・シャーウッド氏!

プレミアリーグで勝つことよりも、アンドレ・ヴィラス・ボアス監督を追い出すことのほうが、大事だったのかもしれません。

そんなふうに勘繰りたくもなる、ドタバタの監督交代劇です。トッテナムは23日、ティム・シャーウッド監督と1年半の契約を結んだと発表しました。このニュースをみて、「なぜ、1年半?今季いっぱいじゃないの!?」と思った方も多いのではないでしょうか。これはおそらく「そうしなかったら新監督がYesといわなかった」のでしょう。イラン代表監督のカルロス・ケイロス、アヤックスのフランク・デ・ブール、QPR監督のハリー・レドナップ、スカイスポーツ解説者でクラブのレジェンド、グレン・ホドルと、何人かの名前が取り沙汰されましたが、ホドル氏以外は現在、ほかのチームで指揮をとっており、いずれも現実感のない話でした。お金をかけて、今の契約を解除してもらってでも呼んでくるほどの価値がある大物はおらず、「であればチームのことを理解しているシャーウッド氏の内部昇格のほうが得策」となったのでしょう。

しかし、こうなると「なぜヴィラス・ボアス前監督を解任したのでしょうか!?」という疑問が頭をもたげてきます。トッテナムは現在、チャンピオンズリーグ出場権が得られるプレミアリーグ4位まで勝ち点4差の7位です。監督解任理由は、単純な成績不振ではなく、「先行き不透明」「未来が見えない」ということだったはずです。うーん、やはり、お話の順番が逆ですね。今回は「解任してから後任を探す」ではなく、「未来を描ける監督を指名してから現監督にご退場いただく」としないと、問題解決にならないように思います。

クラブの公式サイトには、「可能であればシーズン半ばで変化を加えることはしたくなかったが、クラブのためにそうするしかなかった」という苦しい説明がUPされています。もしかしたら外からはうかがい知れない何らかの事情があり、レヴィ会長とヴィラス・ボアス氏が修復不可能な関係に陥ってしまったのだとすれば、やむなしなのですが…。

とまあ、過去をどうこういうのはこのくらいにして、シャーウッド新体制となったこれからのトッテナムのことを考えましょう。先日のプレミアリーグ第17節、サウサンプトン戦は、一筋の光明が見えた、次につながるゲームだったのは間違いありません。ヴィラス・ボアス氏が、自らの理想に選手をあてはめる傾向があったのに対して、シャーウッド監督は、現有戦力の力を最大限発揮させるにはどんなフォーメーションがいいかを考える、適材適所志向の指揮官のようです。ソルダードとアデバヨルの2トップが機能して、レノンやタウンゼント、カイル・ウォーカー、シグルズソンらに徹底的にサイド攻撃を繰り返されるのはなかなかの脅威ですね。2008年、レドナップ監督時代にコーチとしてトッテナムに加入し、5年間チーム強化に携わってきた敏腕コーチが、選手の特徴を活かしたチームづくりを始め、そこにリーダーシップが加味されれば思わぬ好成績でのフィニッシュもあるかもしれません。

そういえば、ヴィラス・ボアス氏がチェルシーの監督をクビになった後、後任の暫定監督、ディ・マッテオさんはバルセロナとバイエルンを破ってチャンピオンズリーグを獲ったんですよね。今回、シャーウッドさんが好成績を挙げれば、「ヴィラス・ボアスをクビにするとチームに幸運が訪れる」というちょっとしたジンクスが語られ始め、彼の去就への注目度が上がるかもしれません。

いずれにしても、シャーウッド氏とトッテナムの幸せを願ってやみませんが、ひとつだけお願いです。強くなるのは、元旦に行われるプレミアリーグ、マンチェスター・ユナイテッド戦の後にしていただけますでしょうか。われわれにとっても監督解任問題は、対岸の火事と笑っていられない喫緊のテーマなのです。トッテナムサポーターならびにプレミアリーグ上位クラブのファンのみなさん、どうですか?モイーズ監督が残ってくれたほうがいいでしょう?あの方が戻ってくるより…。

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“未来なき選択、勝算なき船出…トッテナムの新監督は、暫定監督のティム・シャーウッド氏!” への3件のフィードバック

  1. どさんこっぷ より:

    いつも楽しくブログを拝見させていだいてます。
    僕もAVB解任は少し早かった気が。。。
    これが吉と出るか凶と出るか。これからのスパーズに注目ですね!

  2. トーレス下さい。あ、赤い方ね より:

    僕はあのサッカーでは解任やむなし派です。新戦力が多いとはいえ監督2年目。それに新戦力も同時にピッチに立つのは4人程度ですよね。2年目ロジャーズや1年目マルティネスと比べれば、彼がチームに「勝つ仕組み」を植えるのができないor非常に遅い監督なのは明らか。そのことはスパーズのような「各選手の能力を存分に引き出してようやく金満と争えるクラブ」にとって致命傷でしょう。
    ただビハインドからのCL圏確保を監督未経験の方に委ねるとは思いませんでしたね。100億(補強)を未経験者に委ねるようなもので、ポジェやディマテオ以上の博打です。ただそれでも今季の成績に限って言えば、ボアス続投よりは可能性が広がったと思います。実際リバポサポ目線からしても、監督ドーピング・アデバ復帰・アウェーセインツ撃破でスパーズが一際厄介に見えてきてます。
    ちなみに舞台裏に関しては、(真否はさておき)Dailimailが報じていますね。リバポ戦翌日にレヴィがアデバ復帰や戦術変更を求めたがボアスは呑まず。では、ということでクビに至ったそうです。

  3. makoto より:

    どさんこっぷさん トーレス下さい。あ、赤い方ねさん>
    解任は仕方がないと思うのですが、問題はタイミングとプロセスです。デイリーメールの記事が、トーンとしては正しい(詳細は別として)とすれば、多分に衝動的で、いいやり方とは思えませんね。

    ディ・マッテオ監督はガチガチに守ってCL勝ちましたが、プレミアリーグは5位フィニッシュ。レドナップもQPRを救えず、ベニテスは世界一を逃しました。ポジェも今のところ結果が出ておらず、近年の途中交代でうまくやれたのは、ポチェッティーノを選ぶという準備をしてからアドキンスを解任した慧眼のコルテーゼ会長だけです。トッテナムは、よくはなると思いますが、4位まで順位を上げるのは難易度高いと思います。

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