【Hull City×MAN.UTD】前半12分で2-0の大ピンチ…マン・ユナイテッドは相変わらずのヒヤヒヤ勝利!
と、そんな私の皮算用を一気に吹き飛ばすような事件が、前半始まってすぐの4分に発生します。CKから、何とホームのハル・シティが先制。右からのハイボールをDFブルースが競り合って落とすと、落下点でフリーになったのは、同じくDFのチェスターでした。ハル・シティにとってはこれ以上ない幸先いいスタート。片やマンチェスター・ユナイテッドのベンチには緊張が走ります。
そしてその興奮がさめやらぬ12分、マンチェスター・ユナイテッドは自らのミスでさらに失点を重ねます。左サイドで粘ったハル・シティFWサグボから中央のMFマイラーにつなぎ、ラストパスを入れますが、これは苦し紛れで落ち着いて処理すれば何でもないボール。ところがCBエヴァンスがこの球をマイラーの足元に蹴ってしまい、彼のシュートは再度エヴァンスに当たってGKデ・ヘアのリアクションの逆に飛び込みます。誰が開始早々の2-0というスコアを想像したでしょうか。この後も、勢いはハル・シティ。マンチェスター・ユナイテッドはラファエウが傷つき、ヤヌザイを投入。バレンシアをSBに下げる布陣を強いられ、絶体絶命です。
しかし、昨季プレミアリーグ王者にはこの男がいました。崩れる寸前のチームに待ったをかけたのは、エース・ルーニー。19分の右からのFKは、スモーリングの頭にドンピシャの絶品キック。何とか1-2として息を吹き返したマンチェスター・ユナイテッドは、20分過ぎからゲームを支配し始めます。そして25分、今度はルーニー自らの完璧なボレーがさく裂!前線でウェルベックが体を張り、こぼれたボールを受けた10番は、DF2人に囲まれながらも、その間を縫うエクセレントなミドルシュートを放ちます。これは、お見事!同点となれば、追い込まれるのは個人力に劣るハル・シティのはずです。
マンチェスター・ユナイテッドがあっさりひっくり返すかと思われた流れでしたが、結局前半は2-2のまま。冷静にみれば、2点を返したとはいえ、セットプレイと個人技です。いざ攻め込むとなると、パスはすべて足元。チェンジオブペースもなく、ルーニーしか変化と違いを演出できるプレイヤーがいません。ダレン・フレッチャーのシンプルなさばき、ウェルベックの切れ味いい突破、ヤヌザイの左足シュート以外にこれといった見どころもなく、最初の45分が終了。勝負は後半に持ち越されます。
後半に入ってしばらくは、両者ともこれといったチャンスがありません。マンチェスター・ユナイテッドはサイドから攻めるもののいい形でシュートが打てず、セットプレイぐらいしかチャンスが作れないハル・シティは、CKからのデイヴィーズのシュートの後は沈黙。それでも60分を過ぎると、再びハル・シティがアウェイチームのゴールを襲い、トッテナムからきたハドルストーンのプレースキックがエヴァンスやスモーリングを脅かします。再三のアタックのなかで、ヘディングシュートがバーを直撃するシーンまでありましたが、ここを耐えたマン・ユナイテッドが66分、勝負を決める逆襲です。右サイドでフリーになったヤングのクロスが先制点を決めたチェスターのオウンゴールを誘い、ようやく2-3と勝ち越しました。
リードを奪ったマンチェスター・ユナイテッドは逃げ切りを図り、78分にはヤングに代えてキャリックを入れますが、最後までハル・シティの波状攻撃を受けて、ヒヤヒヤの勝利でした。GKデ・ヘアのハイボール処理は観ていられませんね。1対1を含め、あわやというシュートを2~3発セーブしてくれているので、トータルの評価は「サンキュー」なのですが、プレミアリーグ上位との対戦で飛び出しの判断を誤れば、たちまちやられてしまうでしょう。
このゲームの収穫は、今までならドローに終わっていたようなゲームを勝ちきったことと、フレッチャーとキャリックの復活です。とはいえまだまだ、ヨーロッパやプレミアリーグを制すレベルには程遠く、ハル・シティにシュートを16本も喰らっていてはいけません。次戦のノーウィッチ戦で文句なしの勝利を挙げていただき、年明けにトッテナムをかわして上位進出、というストーリーに期待しましょう。
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