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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

リヴァプール紀行 (2)大聖堂とアルバートドックを歩けば

思ったよりも小さいぞ、とイメージとのギャップを感じながら床に就き、翌朝早く目が覚めた私は、朝の空気を愉しむべく、ホテルを出ようとしたそのとき…どんよりした雨空から白い物体が、駅に、信号にゆっくり降ってくるのを目撃しました。カモメです。ここは港町なのです。車も人もまばらにしか通らないなかを、多くの海鳥がひらり、ひらりと低空飛行していきます。寂しさすら感じるほどの静けさと、冷えた空気の緊張感のなかに、彼らが明るいのんびりした風を持ち込んでくれます。ロンドンとは違う。これは、悪くない。カモメの飛来が、これからの2日間が楽しいものであることを予感させてくれているような気がしました。

朝食を終えて、15時キックオフのマンチェスター・ユナイテッドの試合まで、まだ時間があります。そこでまずは、リヴァプール大聖堂を訪ねることにしました。欧州で最も大きいイギリス国教会の聖堂で、イギリスでいちばん大きいオルガンやベルがある、ゴシック様式の建造物です。実は私、聖堂が大好きなのです。過去行ったなかでベスト5を挙げれば、ノートルダム、サンピエトロ、ケルン、フィレンツェ、ソールズベリですかね。歴史的なおもしろさではサンピエトロ、内部の美しさと厳かな雰囲気はノートルダム、景観を含めた全体的な素晴らしさならソールズベリを推したいと思います。リヴァプール大聖堂は、ベスト5に割り込んでくるのでしょうか。何といっても、欧州最大。多分に期待して足を運んだのでした。

ライム・ストリート駅近くのホテルから15分ほど静かな大通りを歩くと、欧州一の聖堂はいきなり左手にその巨大な体躯を現わします。20世紀になってから建てられた新しい聖堂で、歴史的なエピソードはさほどないのですが、イギリスらしい灰色の空の下に、鬱々とした雰囲気を醸し出しながら要塞のようにそびえ立つその姿は、華があるフィレンツェやローマの聖堂とは対極の独特の存在感があります。内部は高い天井ゆえの冷やかさ、厳かさがあり、柱の造りもステンドグラスの絵柄もシンプルです。私は高所恐怖症なので遠慮申し上げたのですが、エレベーターで最上部まで昇れるようになっており、天気のいい日はウェールズの山が見えるそうです。リヴァプールを訪ねたら、ここにはぜひお立ち寄りいただきたいですね。

聖堂と同様、リヴァプールに来たら必ず見ておきたいのが、アルバート・ドック。2004年に「海商都市リヴァプール」の名前で世界遺産に登録された港湾地域の中心です。美術館「テート・リバプール」、博物館「ビートルズ・ストーリー」を筆頭に、マーシーサイド海事博物館、国際奴隷博物館などのさまざまな観光スポットが密集しています。この港は、水運業が物流の主役ではなくなってしまった後、再開発がなされ、旅行客向けのアトラクションのほかにもコンベンションセンター、ショッピングセンター、レストラン、ギフトショップが数多く並んでおり、リトル・ヨコハマ的な雰囲気があります。

非常に歩いていて気持ちいい場所。朝だったので、一部のカフェを除いて博物館やお店はオープンしていなかったのですが、観光とショッピング目的でゆっくり時間をかけて見てまわれば、楽しいだろうなと思いました。上の写真は晴れていますが、私たちのリヴァプール滞在中、青い空を見たのはここにいた30分ほどの時間だけでした。下の写真にある、カラフルなボートに書かれた「FAB4」の4文字は、「素晴らしい4人」を意味するビートルズの愛称です。

大聖堂、アルバートドックともそれぞれ、リヴァプールらしさを感じられたのですが、何しろ人が少なく、静かな田舎町なのではないかという疑念は解けません。マンチェスター・ユナイテッドの試合が終わったら、今日こそはリヴァプールの夜を満喫しよう。早めの時間に繁華街に出て、マシュー・ストリートなど歩けば、この街の活気に触れることができるはずだ。そう決意しながら、マンチェスターへ向かいます。ゲームは望み通り、ホームチームの快勝に終わり、ライム・ストリートに帰ってくると、支度も早々に街へ出たのですが…。

(3)マシュー・ストリートとリヴァプール最後の夜 に続く

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