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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Fulham×MAN.UTD】 停電、バー、ポスト…ロンドンの不思議な夜

アーセナルの勝利から2時間30分後、試合終了まで残り10分ちょっとというほぼ同じ時間帯に、カウンターからルーニーが見事にコントロールされたシュートをゴール右隅に流し込み、この1点でマンチェスター・ユナイテッドは勝利を決めました。両チーム合わせて3本のシュートがバー、ポストに嫌われ、ゴールの中に入った選手がヘディングでクリアしたシーンが3回。普段なら入っていてもおかしくないようなシュートがなかなか決まらない試合でした。前半42分にはなんと停電で証明がすべて落ち、真っ暗!珍しいアクシデントなので、写真に撮ってここに載せようと考えたのですが、真っ暗で真っ黒な写真をブラッキスキンのサイトにUPしたらどうなるかを考えてあきらめました(苦笑)。フラムが攻守ともに出来がよく、引き締まったいいゲームだったのですが、何とも不思議な夜でしたね。

久しぶりに、マンチェスター・ユナイテッドの伝統的な4-4-2を見ました。ナニとバレンシアが、中からのボールを受け、ひたすら縦にドリブルで抜けて、クロスを上げる。サイドが香川やウェルベックだと、中に入ってきてルーニーやファン・ペルシと絡む機会が増え、攻撃に幅ができるのですが、この日は後半21分のチチャリート投入まで、オーソドックスなフォーメーションでプレーしました。フラムの両サイドが健闘したために、縦への速い崩しは封印され、どこにでも顔を出すルーニーが絡むシンプルなコンビネーションで攻める回数が増えます。ラファエウが中に斬り込み、ルーニーをポストに使って中央からシュートを打ったプレーなどは、その典型でしょう。しかしそうなると、前線ぎりぎりに張って裏を狙おうとするファン・ペルシが消え始めます。11人全員を機能させて、最大限の力を発揮させることを考えれば、ナニやバレンシアのような「縦にドリブル派」を2枚、両サイドに張らせるよりは、1枚は前の選手をうまく使えるタイプを起用したほうがいいのではないかと思いました。

対してフラムは、ベルバトフ不在。スピードを犠牲にして変化や意外性をとるなら、彼が前線にいることはポジティブなのですが、今日のようなシンプルで力強いサッカーを見ると「テクニカルなブルガリア人FWをどう活かすか」は悩ましいテーマですね。ダミアン・ダフやブライアン・ルイスが中に入ってボールを持つと、遠くからでもシュートが打てるだけに間合いを詰めざるをえず、そうなると後ろが空くのでサイドにはたいてクロスを上げる攻撃が有効になります。このシンプルなサッカーのなかでは、ベルバトフはその能力を十分に発揮できないでしょう。足元が巧みでシュートが正確な選手なので、うまく使いたいのは間違いないのですが…。

他の選手に気をとられたスキに、センデロスがルーニーの抜け出しを許してしまい、勝ち点3を得ることはできませんでしたが、フラムが今日のモチベーションを維持するならば、上位クラブにとっては脅威となるでしょう。一方でマン・ユナイテッドは、サイドを含む前線の顔ぶれをどうするか、が思案のしどころです。プレミアリーグはもちろん、目前の敵レアル・マドリーをはじめ、ワールドクラスのサイドアタッカーを抱えるバルサ、バイエルン、アーセナルが待つチャンピオンズリーグで、両サイドを支配されるわけにはいきません。今日の後半でとった「ファンペルシ・チチャリート2トップ+ルーニー左サイド」、もしくは「ファンペルシ1トップ+香川トップ下+ルーニー左サイド」など、ルーニーをサイドで使う形は検討の余地があるのではないでしょうか。とはいってもあまり時間はありませんが。

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