ファン・ペルシ3発、デ・ヘア完璧!諦めなかったマンチェスター・ユナイテッドが大逆転でベスト8!
ファーストレグは敵地で0-2。プレミアリーグ勢では最後の登場となったマンチェスター・ユナイテッドがチャンピオンズリーグでベスト8に進出するためには、最低でも2点を奪わないといけません。モイーズ監督と選手たちは、リヴァプールにオールド・トラフォードで0-3と惨敗した先週末のプレミアリーグのショックを払拭できているでしょうか。今季のマンチェスター・ユナイテッドは、数々の連勝記録や不敗記録をストップされていますが、チャンピオンズリーグにおいても「グループリーグで無敗だったシーズンは、必ずファイナリストとなっている」といういいデータがあります。今日の試合を失えば、またひとつチームの誇りを消してしまうことになるのです。
オリンピアコスを迎えたオールド・トラフォードは、試合開始前からハイテンション。香川真司のスタメンが期待された一戦でしたが、モイーズ監督のチョイスはバレンシアとウェルベックの両サイド。「縦に速く、外から攻める」布陣です。試合はマノラス、ドミンゲス、キャリックと10分までに3枚のイエローカードが乱れ飛ぶ荒れ模様の立ち上がり。10分にルーニーのFKがゴールを襲うのを合図に、マンチェスター・ユナイテッドが攻勢を強め、ルーニー、ギグスからロングフィードを左右に展開して先制点を狙います。
ところが、先に決定機を創ったのはカウンターからアウェイゴールを狙うオリンピアコスのほうでした。15分、右サイドのドリブルから簡単にフィル・ジョーンズが振り切られると、中に走り込んだエルナン・ぺレスも抑えきれず、最も危険な選手にフリーでシュートを許します。対応が遅れたリオ・ファーディナンドが何とかコースを切り、ボールは上に外れたものの、相変わらず中央の守備は不安です。一方、攻撃においてはルーニーが冴えまくり!17分、左サイドからギグスがプラスに出したクロスを、ニアに入ったルーニーがきれいにヘッドで合わせると、シュートは惜しくもポスト直撃。ラインの間延びや工夫のないバレンシアのクロスは相変わらず気になりますが、リヴァプール戦の行き詰まりを思い出せば、この日の攻撃のほうが格段に期待度は上です。
そして25分、ついにホームチームのサポーターが歓喜するシーンが訪れます。オリンピアコスにとっては、絶対にやってはいけない不用意なファール。右サイドに流れ、ギグスからのロングボールを胸でトラップしようとしたファン・ペルシをDFホレバスが後ろから倒してしまい、ジャッジはPK!このチャンスにエースは迷わず、右に蹴り込んで1-0。いや、これは大きかった。リードしたマンチェスター・ユナイテッドは攻撃に弾みが付き、トータルイーブンとなった試合を支配し続けます。
しかし、チャンスの後に待っていたのは絶望的なピンチでした。この試合のターニングポイントは、40分のオリンピアコスのカウンター。左のエヴラがエルナン・ぺレスに完全に置いていかれ、つり出されたフィル・ジョーンズも何もできず、浮き球のラストパスを受けたMFフステルのヘッド一閃。この一発は、横のボールに滅法強いGKダヴィド・デ・ヘアが間一髪で左足ビッグセーブ!背番号1はすぐ体制を立て直し、こぼれ球に詰めたキャンベルの左隅へのシュートを今度は右足でクリアし、最大のピンチを食い止めました。すると直後の46分、ギグスのロングフィードを右サイドで受けたルーニーがDFの股間を通すグラウンダーの絶品ラストパス。DFの前でこれを受けたのは、ファン・ペルシです。左足のコントロールシュートに、GKヒメネスは反応できず。前半で2-0!マンチェスター・ユナイテッドがついにトータルイーブンに持ち込みました。
後半に入っても、オールド・トラフォードの熱狂的なチャントに支えられたホームチームの勢いは止まりません。51分、ドリブルで中央に斬り込んだウェルベックがファールをもらい、直接FKのチャンスをゲット。中央やや右、レフティにとって絶好の位置からのキックを蹴るのはもちろんファン・ペルシでしょう。ルーニーが蹴るふりをしてまたいだボールにGKがつられたのをみて、ファン・ペルシがカーブをかけてGKの重心の逆に落とすと、ヒメネスは一歩も動けません。エースストライカー、久々のハットトリック!マンチェスター・ユナイテッド、逆転です!
こうなると、オリンピアコスも引いているわけにはいきません。失点直後より猛攻を仕掛け、FKからエルナン・ぺレスがフリーでヘッドを放つなど、決定的なシーンを創るものの、焦ったシュートは枠にいかず。4点めを奪ってセーフティに戦いたかったマンチェスター・ユナイテッドでしたが、ギグスとキャリックの運動量が落ちた60分過ぎからは、完全に守勢にまわります。64分、右サイドからのクロスをフステルが合わせた強いシュートはデ・ヘアの正面。78分、右サイドを完全に突破し、角度のないところでフリーになったドミンゲスのシュートは、これも守護神がクリア。モイーズ監督はウェルベックをフレッチャーに代え、試合をたたみにいきますが、ラスト5分を過ぎるとオリンピアコスの勢いが止まりません。
しかし、マンチェスター・ユナイテッドは泥くさくも耐えきりました。90分にマノラスのチャージを受け、太腿を押さえて立ち上がれず担架に乗ったままピッチを離れたファン・ペルシは気になりますが、代わって入ったフェライニが体を張ってボールキープ。長い長い5分の追加タイムをシュートを打たせることなくやり過ごし、プレミアリーグ勢ではチェルシーに続くベスト8進出を決めました。
いや、今日はもう、勝ったことがすべてでしょう。デ・ヘアの奮闘もさることながら、ファン・ペルシが先制PKを決めた直後、ダッシュでボールを拾いにいったルーニーの背中に、マンチェスター・ユナイテッドの魂をみました。勝ち負けの前に、観たかったのは、これです。この姿です。今のチーム状態で、チャンピオンズリーグで優勝をめざすなどとはとてもいえませんが、最後まで諦めないマンチェスター・ユナイテッドをもう一度、見せてください。
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スコアや試合展開を見るとなんだかんだで昨年のユナイテッドっぽさを彷彿とさせるところがありましたね。
ここのところ前半チームの救世主となってくれたウェルベックをどう処遇するんだろうと気になっていたのですが、今日のゲームを見てウィングで使うのも有りだなぁと改めて感じました。調子良ければヤヌザイやヤングでも良いけれども、ルーニー、ファンペルシが出ていても時にはウェルベック、という選択はこれからも試してほしいものです。まあファンペルシが怪我で出られないようだとまた前半戦のようにファーストチョイスになってくるのかもしれませんが。
Uボマーさん>
速いパスがサイドや前線に一発で出ていたあたり、ファーガソンのサッカーを思い出させてくれましたね。劣勢のとき、どうしても点がほしい時は、ウェルベックやヤヌザイを前に張り出させて、3人並べるくらいのフォーメーションをとってもいいのではないか、と思いました。
更新お疲れさまです
昨日コメントできなくて何か悪いことしてしまったかな?とおもったら不具合だったんですね(笑)
今日の試合にはユナイテッドの意地を感じました
これぞユナイテッド、プレミア王者ですね
ハットしたペルシーはもちろんですが個人的にはギグスが攻撃面も守備面でも1stレグより中閉めてて良かったなと思います
ベスト8は強者揃いでどの組み合わせも楽しみですね
UEFAポイント稼いでくれてありがとうございます!
チェルシーさん>
そうなんです。システム側に、設定上のトラブルがありまして。ほんとうにすみませんでした。
ギグスはよかったですね!ルーニーのポスト直撃ヘッドも、ファン・ペルシのPKも彼の正確なパスからでした。
ファーガソンが指揮をとってるのではと疑ってしまいました(笑)
クロップさん>
どういたしまして!(笑)
プレミアリーグ大好き!さん>
ギグスが活躍していると、なおさらそんな雰囲気がただよいますね。
あの嫌な(良い意味で)ユナイテッドが帰って来ました!!
やっぱ彼等はこうでなくちゃ。熱く、激しく、諦めない。某、スパーズファンですが不思議と嬉しかったです。
彼等の不調が周りのチームには短期的には嬉しいですけど、プレミアリーグの長期的な目で見れば、
伝統あるランドマーク的チームの凋落は、決してよくはないでしょうからね。
来期から、頑張ってください。監督を変えて。
スパーズファンさん>
ありがとうございます。来季からもあらためて、「目標にされるクラブ」であり続けてほしいと思います。