偏愛的プレミアリーグ見聞録

今季のプレミアリーグも残すところ5節。昨日は、マンチェスター・シティ、チェルシー、リヴァプールの3強が争う優勝の行方について、ラストスパートのプレビューを書かせていただきました。本日はもうひとつのバトルである、セカンドグループのチャンピオンズリーグ出場権を巡る戦い、すなわちプレミアリーグ4位争奪戦について触れたいと思います。

つい先日まで、プレミアリーグの優勝争いに加わっていたアーセナルが脱落。彼らの足踏みは激しく、ここ4試合で勝ち点2しか積めないという失速ぶりです。この間、エヴァートンが5連勝。先週のアーセナルとの直接対決では、サイドからの崩しを軸に完膚なきまでにライバルを粉砕。勝ち点では1つ下回っているものの、消化試合が1試合少ないため、事実上アーセナルをかわしています。

同じくここ3週間で、6位トッテナムは2勝1敗、7位マンチェスター・ユナイテッドは3勝1敗。4位から7位までが、勝ち点7差の中におさまる激戦です。まずは、それぞれのチームの残り試合の組み合わせを見てみましょう。青字はプレミアリーグ上位対決＆彼ら同士の直接対決、赤字は番狂わせが多いと思われる、15位以下の降格候補との対戦です。では、どうぞ。

【エヴァートン】18勝9分け5敗＝勝ち点63　最大勝ち点81
4/12（土） サンダーランド(A)
4/16（水） クリスタル・パレス(H)
4/20（日） マンチェスター・ユナイテッド(H)
4/26（土） サウザンプトン(A)
5/3 （土） マンチェスター・シティ(H)
5/11（日） ハル・シティ(A)

【アーセナル】19勝7分け7敗＝勝ち点64　最大勝ち点79
4/15（火） ウェストハム(H)
4/19（土） ハル・シティ(A)
4/28（月） ニューカッスル(H)
5/3 （土) 　WBA(H)
5/11（日） ノーウィッチ(A)

【トッテナム】18勝5分け10敗＝勝ち点59　最大勝ち点74
4/12（土）WBA(A)
4/19（土）フラム(H)
4/26（土）ストーク・シティ(A)
5/3 （土） ウェストハム(A)
5/11（日）アストン・ヴィラ(H)

【マンチェスター・ユナイテッド】17勝6分け10敗＝勝ち点57　最大勝ち点72
4/20（日） エヴァートン（A)
4/26（土） ノーウィッチ(H)
5/3 （土）  サンダーランド(H)
5/6 （火）  ハル・シティ(H)
5/11（日） サウザンプトン(A)

このバトルをおもしろくしているのは、残り試合を全勝した場合の最大勝ち点がいちばん多いエヴァートンの組み合わせが厳しく、戦力とコンディション両面で最も厳しそうなトッテナムのドローがラク、という複雑さです。最近、絶好調のエヴァートンですが、本拠地グディソン・パークで戦えるとはいえ、マンチェスターの2チーム相手に勝ち点6は難易度大。アウェイのセインツ戦も嫌な試合です。ここだけ取ると、「結局、アーセナルが恒例イベントでプレミアリーグ4位キープ」で片付いてしまいそうですが、コシールニーとギブスが離脱してからというもの、彼らの守備は相当脆く、ハル・シティ、ニューカッスル、WBAという曲者相手にまっすぐ勝てるとは思えません。

では、現状の勝ち点の多いアーセナルとエヴァートンは、最終どのくらいで着地するでしょうか。エヴァートンが、マンチェスター勢に負けて、セインツと分け、他を全勝した場合は3勝1分け2敗で最終勝ち点73。アーセナルが73に到達するためには、3勝2敗でOKです。最近コンディションを落としており、FAカップを残しているとはいえ、アーセナルがこの5試合を負け越すとまでは考えにくいですね。勝ち点73前後が4位の条件だとすれば、トッテナムは全勝必須、マンチェスター・ユナイテッドはノーチャンスです。となると、ポイントは、「エヴァートンがどこまで踏ん張り、トッテナムがどこまで追い上げるか」でしょう。

長くなりそうですので、続きは「プレミアリーグ4位は彼らだ！チャンピオンズリーグ＆ヨーロッパリーグ出場権の行方【後篇】」でご覧ください。