偏愛的プレミアリーグ見聞録

ダニエル・スタリッジ、スティーブン・ジェラード。チェルシーからはエデン・アザール。外せないヤヤ・トゥレと、新星アダム・ララナ。そして大本命のルイス・スアレス！今季も、PFA（プロフットボール選手協会）主催のプレミアリーグ最優秀選手投票の季節がやってまいりました。プレミアリーグ2013-14シーズンの最優秀選手候補にノミネートされたのは、上記6人。彼らに対して、プレミアリーグに所属するクラブの選手たちが最大2名に投票。その結果が27日に発表される運びとなります。1973年から始まり、40周年を迎えるこの賞は、「同じピッチで戦っている相手から選ばれるのは最高のリスペクト」と受賞を名誉に感じる選手が多く、毎年かなりの盛り上がりを見せます。

過去、複数回にわたってこの賞を獲得しているのは、5名のみ。古くはマンチェスター・ユナイテッドのアタッカーだったマーク・ヒューズ、ご存じ「元祖SASの点を獲るほう」アラン・シアラー。2000年代に入ると、アーセナルのレジェンド、ティエリ・アンリと、昨年度バロンドール獲得でキャリアのピークを迎えたクリスティアーノ・ロナウド。そして昨季、PFA年間最優秀若手選手賞とダブル受賞したガレス・ベイルです。今回、2回めにチャレンジするのは、リヴァプールのリーダー、スティーブン・ジェラードただひとり。先日のマンチェスター・シティ戦の試合後に見せた、仲間に熱く語りかける姿や、ノリッジ戦の必死のディフェンスなどを見ると、彼に獲ってほしい気持ちになったりするのですが、今季はスアレスで決まりでしょうね。プレミアリーグが始まって以来、優勝クラブで30ゴール以上決めながら、この賞を獲れなかったのは、「エリック・ザ・キング」カントナに持っていかれた1993-94シーズンのアンディ・コールだけですから。…あ、まだ決まってませんね、優勝。これは失礼しました。

スアレスが獲ったら、奥さん、喜ぶでしょうね。例のかみつき事件で、お子さんともどもマスコミやサポーターの悪意に満ちた視線にさらされながら、旦那の名誉挽回を待ち続けたわけですから。リヴァプールのエースストライカーと同じ愛妻家（愛じゃなくて恐、かもしれませんが）の私は、そんなことまで想像してしまうのでした。はい。

さて、大本命スアレスがいる最優秀選手に対して、「最優秀若手選手」のほうは以下の6名が候補です。エデン・アザール、ダニエル・スタリッジ（ときどき、彼が24歳であるという事実を忘れそうになります）は、最優秀選手とダブルでノミネート。これにラヒム・スターリング、アーロン・ラムジー、ルーク・ショー、ロス・バークリーの4名が加わります。こちらは、20ゴールのスタリッジ本命、チェルシーの攻撃を支え続けた14ゴールのアザールが対抗馬。大穴はスピードを活かして9ゴールをマークしたスターリング、といったところでしょうか。どうやら、プレミアリーグと得点王レースだけでなく、名誉あるPFA最優秀選手も、SASが持っていきそうな雲行きです。「いやいや、今季のアザールめっちゃすごかったぜ！」というディフェンダーが、プレミアリーグにどのくらいいるでしょうか。

スアレスといえば、イギリス紙「ミラー」が、「以前に人種差別発言でスアレスと揉めたマンチェスター・ユナイテッドのエヴラが、2年連続でスアレスに投票していた」と報じていました。いい話です。ピッチの中では戦っていても、ロッカールームをひとたび出れば、いい選手はきっちりリスペクトするというエヴラの懐の深さを称えたいと思います。PFA最優秀選手は27日発表ですので、リヴァプールVSチェルシーの観戦記と同時に、速報できるかと思います。こちらの結果も楽しみですね！