【Crystal Palace×Liverpool】3点差圧勝のはずが一転…リヴァプール、悪夢のドローでスアレス号泣!
立ち上がりから、クリスタル・パレスの本拠地セルハースト・パークは攻め合い・殴り合いの様相を呈しています。4分にはスアレスが左サイドから持ち込み、ドリブルでDFを一瞬外してシュート。7分のCKではサコがフリーでヘディングシュートを放つも、力んだのか、叩きつけたシュートはゴール左に外れていきます。クリスタル・パレスの攻撃は、シャマフやパンチュンを拠点としたカウンター。リヴァプールは、シュートは打たせませんが、セットプレーからの高いクロスとミドルレンジには継続的に注意が必要です。15分、ジョー・アレンのロングフィードでDFラインの裏に抜けたのはグレン・ジョンソン。GKスペロニと競りながらヘディングでコースを変えますが、これは惜しくもゴール右に外れます。
どちらが先に獲るのかわからないスリリングな展開でしたが、18分、CKを得たリヴァプールがあっけなく先制します。ジェラードのキックに完璧なヘディングで合わせ、ゴール左隅に決めたのは、MFジョー・アレン。意外にもアレンは、これが今季プレミアリーグの初ゴールになります。リヴァプールが幸先よくリードを奪うと、ホームで負けるわけにはいかないクリスタル・パレスは再三、逆襲に転じます。30分のスアレスの直接FKがわずかに右に外れると、33分にドリブル突破からパンチュンが放った左足シュートはGKミニョレがセーブ。昨夜のチェルシVSノリッジと違って、今夜は両者ともに攻撃的です。
クリスタル・パレスが惜しかったのは、34分、ジェディナクが思い切り右足を振り抜いたミドルシュートでした。高さ、強さはよかったものの、コースがミニョレの真上に飛んでしまい、ベルギー代表GKが指先で弾いてCKに逃れます。41分、リヴァプールはスアレスが左サイドでボールを受け、角度のないところからミドルシュート。これはスペロニがセーブし、前半は0-1で終了。リヴァプールには、強い時の圧倒的な支配力はありませんが、DFラインは落ち着いており、ミドルシュート以外でクリスタル・パレスにチャンスを与えることはありません。
後半が始まると、完全なリヴァプ―ルペース。1点を追って前がかりとなるホームチームのDFとMFの間にスペースができ、スアレスやスタリッジがここにうまく侵入。彼らを狙ったジェラードやアレンの長い縦パスが決まり始めます。51分、スタリッジのミドルはGKがぎりぎりで弾いてポストに当たり、フォローしたスアレスのシュートは大きくアウト。その直後の53分、ジェラードのロングパスをペナルティエリアの外で受けたスタリッジは、右から中にツータッチで持ち込むと、左足を一閃。シュートはDFに当たってGKを破り、ついにリヴァプールが2点のリード。さらに2分後には、自陣からの縦パスを競り合ったスアレスが勝ち、ドリブルで中央を突破。スターリングとのワンツーで左に抜け出し、フリーのシュートを突き刺します。SAS、久しぶりの揃い踏みで、あっという間の0-3。このときは、リヴァプールの圧勝間違いなしと思ったのですが、やはりクリスタル・パレスに勝つのは簡単なことではなかったようです。
3点負けていても決してゲームを投げていなかったクリスタル・パレスの執拗な攻撃は、78分にようやく実を結びます。右からのパスを中盤で受け、グレン・ジョンソンのブロックに当てながらもミドルシュートをねじ込んだのは、こちらも今季プレミアリーグ初ゴールのデラニー。これでクリスタル・パレスの攻撃に火がつきます。リヴァプール守備陣は、ロングボールが止められません。左サイドのボラシエが止まりません。80分、自陣でのボールカットからボラシエがドリブルを始め、一瞬のスピードでイングランド代表SBグレン・ジョンソンを抜き去り70メートルを独走すると、左からのクロスをドワイト・ゲイルが巧妙に右足インサイドで流し込んで2-3!セルハースト・パークのボルテージは最高潮。リヴァプールDF陣は動揺を隠せず、奪ったボールをまともに前につなげません。3点差がついて終わっていたはずのゲームは、あっという間に1点差。奇跡的な同点劇の瞬間は、すぐそこに迫っているようにみえます。
そして87分、ついにその時が訪れました。後ろからの放り込みをマーレーが胸に当てて流すと、落下点に走り込んだゲイルはフリー。GKミニョレの飛び出しより一瞬早く、左足でプッシュしたボールがゴールに飛び込みます。ゲイルもマーレーも途中出場、トニー・ピューリス監督、会心の采配でついに3-3!リヴァプールのプレミアリーグ優勝が遠ざかります。追加タイムは5分。ここから、アウェイチームはいま一度、勝ち越すことができるのでしょうか。
試合終了2分前。リヴァプール最後の攻撃は、ジェラードが蹴る右からのCK。誰も触れず左に流れたボールに追いついたのはコウチーニョ。ファーサイドめがけて出した柔らかいクロスは、クリスタル・パレスがクリアミス。そこにいたのは7分前に入ったばかりのモーゼスでした。GKスペロニは眼の前、丁寧に当てればゴール…という左足ボレーは、無念の空振り!フォローしたルーカスのシュートもブロックされ、逆サイドに出たこぼれ球はスアレスがコントロールできません。この瞬間、プレミアリーグ優勝に迫っていたリヴァプールが、悪夢の3-3ドローで大事なゲームを終えることが決まりました。
試合終了の笛と同時に、スアレスはユニフォームで顔を覆って号泣。ジェラードがTVカメラをシャットアウトし、エースの肩を抱き寄せます。グレン・ジョンソンや控えのコロ・トゥレが声をかけても、スアレスの嗚咽は止まりません。ブレンダン・ロジャース監督も俯いてピッチを後にします。胸が痛む残酷な光景を観ながら、私は2年前、エヴァートンに2点差を追いつかれてからつまずきを繰り返し、最終戦のラスト5分に始まったマンチェスター・シティの大逆転劇でプレミアリーグを失ったマンチェスター・ユナイテッドを思い出しました。こんな夜のサポーターの悲しみは、察するに余りあります。
同じ2-3から、3枚のカードを次々と切ってエヴァートンの猛攻をしのいだマンチェスター・シティと、DFをベンチに3枚残しながらも交代枠を使いきれずにクリスタル・パレスを止められなかったリヴァプール。この明暗は、経験の差、チーム力の差、精神力の差といった短い言葉で片付けられてしまうのでしょうか。ああ、1点差に迫られたとき、アッガーをピッチに送り込んでいれば…。リヴァプールには、未来を自ら切り開く術はありません。これからマンチェスター・シティと戦うアストン・ヴィラとウエストハムに、運命を託すよりほかにありません。(ジョー・アレン 写真著作者/Liz Phillips)
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この結果にがっかりはしましたが、長い間夢を見させてくれました
4位が目標のシーズンで優勝争いをしてくれた監督、選手たちを責めることなんてできませんね
ロジャースを含め、大半が優勝争いを初めて経験したことは来季以降の糧になるでしょう
スアレスの涙で思わずもらい泣きしそうになってしまいましたが、これをバネに更なる成長を遂げてくれると信じています
リバプールに留まる理由がもう一つできたのでは・・・
ひとい低迷を経て、今シーズンは本当にワクワクさせてもらいました。選手の気持ちを考えると残念でならないですが、これを糧に来シーズンもやってくれると信じたいです。あとはスアレスの残留とDFのテコ入れ、選手層の充実ですね。
アッガーを入れてくれれば…というのは同意です。大量得点が必要とはいえ、勝ち点を落としては意味がないのですから。
KOPさん YNWAさん>
無念ですね…。最後のスアレスの姿には、胸が締め付けられました。ロジャース監督とリヴァプールは、ここまでよく戦ったと思いますが、チェルシー戦と今日の試合で、現実的な判断をしきれなかったところが残念でした。
そうはいっても、あさってヴァイマンやアグボンラホルが、さらにプレミアリーグをおもしろくしてくれるかもしれません。欧州ナンバーワンを獲ったこともあるアストン・ヴィラの意地に期待します。
ひとい低迷を経て、今シーズンは本当にワクワクさせてもらいました。選手の気持ちを考えると残念でならないですが、これを糧に来シーズンもやってくれると信じたいです。あとはスアレスの残留とDFのテコ入れ、選手層の充実ですね。
アッガーを入れてくれれば…というのは同意です。大量得点が必要とはいえ、勝ち点を落としては意味がないのですから。
来年スアレスはいてくれるか心配になりました。また、リバプールにのこってリベンジしてくれるといいですが、
3-0から追い付かれるなんて誰も想像してなかったですね。ガス欠してしまってましたけど、得失点差考えると攻めにいったのは当たりだと思いますし、ほんとに誰も責めれないですよね。
スアレスの涙には心が痛むものがありました。ほんとに悔しいですね。
リバサポさん りーくさん>
サコ、スアレス、グレン・ジョンソンと、ゴールシーン以外にも決定機が多かったので、余計に残念ですね。スアレスは、CL出場権を得て、チームも強化できる見込みとなったので残ると思われますが…。「子どもの教育を考えるとスペイン語圏がいい」などと奥方が言い出さない限り。
リバプールファンにとってはあまりにショッキングな負け方でしたね。
世界最高といってもいいぐらいの攻撃力誇りながら守備はザル。
makotoさんはこの原因はなんだと思いますか?
単に選手が悪いとかそういう問題ではない気がします。
正直、シーズンを通して守備の改善がなされなかったことを考えるとロジャースにそういう能力はないのではないかとおもうのですが。
最後に・・・一番泣きたかったのはジェラードでしょうね