リオ・ファーディナンドとランパード獲得を狙ってるって…QPRのどこにそんな金があるんですか!?
もし「ランパードはチェルシーと再契約する」のが暗黙の了解だとすれば、QPRはずいぶん空気を読まないことをしているわけですね。来季からプレミアリーグで戦えることになった彼らは、何と「リオ・ファーディナンドとランパードのダブル獲得を検討中」なのだそうです。いやいや、何をいってるんですか。近年、チャンピオンシップに落ちたクラブにあるまじき「ベテラン選手寄せ集め大作戦」を仕掛けたQPRは、大赤字でFFPアウトと聞いてますよ。私は、あなたがたがやらかした300億円を超える負債について、3月に紹介したばかりですから、ごまかされません。まさか2日続けてQPRについて書くとは思いませんでしたが、何なら昨日に引き続き、骨董品収集のような代表クラス&過去のビッグネーム集めについて、リストを出しましょうか。リオとかランプスとかいう前に、こっちの整理が先でしょう。
リチャード・ダン、ユン・ソギョン、ボビー・ザモラ、ジョーイ・バートン、ショーン・ライト=フィリップス、ベナユン、ジュリオ・セーザル、ターラブト、エムビア、ロイク・レミー。
これだけのメンツがいるのに、さらにクラニチャールやアス=エコトまで借りてきて、やっとチャンピオンシップ4位では「どうかしてるぜ!」といいたくなります。クラブは借金まみれなのに、試合に出ないビッグネームを山ほど抱えて、このうえ峠を過ぎたベテランを買って、お金どうするんですか。オーナーの方、出てきて事情を説明してください。オーナーは、どなたでしたっけ?おお、なるほど。QPRのオーナーを紹介しましょう。ケータハムF1チームオーナーでエアアジアCEO、チューン・ホテルズ創業者のマレーシア人、トニー・フェルナンデスさんです!どうやらお金はあるし、最悪、ケータハムF1チームを売れば何とかなるわけですね。その影響で、小林可夢偉がどうなるかは別として。
…しかし、いいんでしょうか、フェルナンデスさん。どうもこの方、サッカーもF1も道楽っぽくて、本業のようにマジメに儲けるつもりがなさそうですね。昔から、ときどきあるんです。ビッグネームをかき集めて、成長しきれずに傾くクラブ。私がいちばん覚えているのが、2000年代初頭のボルトンです。当時いたのは、ジョルカエフ、ジェイジェイ・オコチャ、イブラヒム・バ、ジャルデウ。そういえば、2005-2006シーズンには中田英寿さんもいましたね。彼はレンタルでしたが。一時は威勢がよかったボルトンのプレミアリーグ最高順位は6位。UEFAカップ(現在のヨーロッパカップ)に出るところまではいったものの、その後プレミアリーグから降格。昨季はチャンピオンシップ14位です。ああ…。
やはり、このやり方は長く続かないですね。中小クラブは、「安く仕入れた若手を育てて、ビッグクラブに高く売る」というのがひとつの経営手法なのに、これから値段が暴落するのがわかっている過去のビッグネームに金を使って、いわば「移籍金の減価償却が終わらないうちに」引退されてお金が消えちゃうという真逆の結果に終わるわけですから。これで儲かったら、経営者は相当の買い物上手です。財政が火の車のQPRが将来どうなるかはわかりませんが、もし、熱心に勧められても彼らの株は買わないことだけは間違いありません。
というわけで、やめましょうよ、特にランパードの検討は。お給料が高いし、そもそも獲得は無理でしょう。これを考える時間があったら、活きのいい若手のリサーチに費やしたほうがいいと思います。QPRとフェルナンデス会長には、ぜひ、この言葉を捧げたい。よく味わってくださいね。いい句ですから。
夏草や 兵(つわもの)どもが 夢の跡
2003年当時、19000人しか入らないQPRの本拠地ロフタスロードをフラムが間借りしており、稲本潤一の勇姿を観ようと訪れたときにみた、ピッチの鮮やかな緑が脳裏をよぎります。ビッグネーム軍団にふさわしくない、小さな小さなスタジアム。何だかぴったりですね、芭蕉の名句。
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いつも楽しく読ませていただいています。
FFPについて教えてほしいですが、これはUEFAの基準だと思うのですが、これが適用されるのはUEFA管轄の全クラブってことでういいんでしょうか?
今回シティ、PSG以下数チームが罰則を受けていますが、罰則には金銭+UEFA管轄大会での登録制限などあると思いますが、CL・EL出場とは無縁のチームにも罰則は適用されるのでしょうか?
教えてください。
ユン・ソギョンって他のメンツと名前を並べるほどの活躍してたか?
きんぐさん>
罰金などの罰則適用の可能性はあります。ただし、UEFAが「出場禁止」を言い渡せるのは、彼らが主催・管轄のCLとELで、国内リーグやカップ戦については各国協会の判断です。
プレミアリーグ大好き!さん>
してません。活躍していないということでいえば、並べた選手のうち半分は、多くの時間をベンチやスタンドで過ごしていました。