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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

絶頂期は早くも終焉?アトレティコ・マドリードはプレミアリーグに何人、主力を抜かれるのか!?

2005-2006シーズン、アンリ、セスク、リュングベリ、ピレスのアーセナルは、残り15分までバルセロナにリードしながら逆転を許しました。20012-13シーズン、クロップ監督のドルトムントはラスト1分まで耐えながら、ロッベンの決勝ゴールで同国のライバル、バイエルン・ミュンヘンに優勝をさらわれました。どちらも、その時期のエポックメイキングといっていい存在ながら、手の届くところにあった欧州の頂点をぎりぎりで奪えず、その後主力選手をビッグクラブに抜かれて栄光に包まれた季節の終わりを迎えています。昨季のチャンピオンズリーグで、追加タイム残り2分までレアル・マドリードをリードしながら敗れ去ったアトレティコ・マドリードもまた、先達と同じ運命を辿るのでしょう。スペインリーグ覇者の過半の主力選手には、思わず手を上げてしまいたくなるようなお手頃な値段がついており、プレミアリーグをはじめとする他クラブからリサーチやオファーが殺到しています。

まずは、チェルシーとの移籍合意報道まであったジエゴ・コスタ。本人が合意を否定し、アトレティコ・マドリードもまた「彼は出さない」としながらも「本人次第」ともコメントしており、今後の交渉次第という状況です。推定3200万ポンド(約54億80000万円)という額は、チェルシーにしてみれば問題ないレベル。昨季もウィリアン、シュールレ、マティッチ、サラーと、おいしいところを次々と持ってきたチェルシーは、プレミアリーグ奪回の最大のポイントであるポジションだけに、クラブ側からの相当な抵抗がなければ外さないのではないでしょうか。来季、ブラジル出身のスペイン代表FWは、青いユニフォームに身を包んでチャンピオンズリーグを戦っているのではないかと思います。

そして、現在欧州の移籍市場で最も人気者といっていいMFコケですが、こちらはマンチェスター・ユナイテッド、チェルシーに加えてバルセロナも手を上げており、スペインメディアは「セスクを放出してでもほしい存在」と伝えています。運動量豊富で守備もうまく、ボールを簡単にさばける選手。中盤ならどこでもOKでSBにも下がれて、セットプレイのキッカーもできて…と、書いているだけで欲しくなってくる、希少価値のユーティリティープレイヤー。今季の活躍があっても移籍金が3000万ポンドを下回るとなれば、当然買いでしょう。彼が獲れたら、マンチェルター・ユナイテッドはマタを放出、チェルシーはランパードの肩たたきをしてチームの軸に据えるくらいの勢いでしょう。

この2大スターの次に人気なのは、堅牢なDF陣です。右SBで攻撃力の高いファンフランは、内田篤人とセルジュ・オーリエとともに、アーセナルの「サニャの後釜リスト」に載っています。ウルグアイ代表CBゴディンに目をつけているのは、中央の守備に不安を抱えるプレミアリーグ王者のマンチェスター・シティ。クレバーでハードマークができるCBミランダはマンチェスター・ユナイテッド。左SBフェリペ・ルイスは、ルークショーが獲れなかったときのチェルシーのセカンドチョイスです。欧州一の堅い守備を支えるDFが、すべて1200万~1700万ポンド、すなわち20億円台で狙えるとあれば、最近守備が脆弱になったチームが多いプレミアリーグが黙っているわけがないでしょう。

そして、コケの次に中盤で人気なのは、トルコ代表のサイドアタッカー、アルダ・トゥランで、こちらはグリーズマンと両にらみのアーセナル、チャンピオンズリーグ挑戦を控えて攻撃のオプションを増やしたいリヴァプールが狙っています。DFの選手たちに比べれば、30億円台後半という価格にお買い得感はありませんが、シメオネサッカーを体現できる運動量の豊富さは、中盤の選手層が薄いリヴァプールにとっては魅力でしょう。

主な獲得候補は以上ですが、最後にもうひとり、GKクルトゥワがいます。こちらはチェルシーの判断次第。プレミアリーグナンバーワンのチェフをしばらく引っ張るか、思い切って若返りを図るか。クルトゥワ本人は、「試合に出られないのなら、チェルシーを退団してアトレティコ・マドリードでプレイしたい」意向を示しており、チェルシーは悩ましい二択を強いられています。おそらく来季は現状維持で問題を先送りするのではないかと思われますが…。今のチェフを放出するのは、レアル・マドリードがクリスティアーノ・ロナウドの売却を考えるくらい、難しい判断だと思われます。

さて、8月を迎えたとき、このなかの何人がプレミアリーグのクラブのユニフォームに袖を通しているでしょうか。あの魅力的なドルトムントのクロップ監督でさえ、香川真司、レヴァンドフスキ、ゲッツェを止められなかったことを考えれば、スペインやイタリアのクラブを含め「3」は堅そうです。それにしても、移籍市場が動く前から、アトレティコ・マドリードの連覇に赤信号が灯るとは何ともせつないお話ですが、これもまた欧州サッカー界の現実です。

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“絶頂期は早くも終焉?アトレティコ・マドリードはプレミアリーグに何人、主力を抜かれるのか!?” への3件のフィードバック

  1. ちくちく より:

    チアゴ・メンデスがチェルシー帰還ですね。契約満了に伴いですが、延長できないのがアトレティコ。余裕で引っ張れるチェルシー。セインツと共に草刈り場の惨状を見ないといけないのは辛いですね。。

  2. makoto より:

    ちくちくさん>
    これは、ジエゴ・コスタを引っ張る前の準備運動じゃないでしょうか。クルトゥワを人質に脅されたら、アトレティコ・マドリードはエースでもあっけなく出しそうですね…。

  3. リバサポ より:

    これほどまでに、辛い記事はありませんね。昨シーズンのドルトムント、今シーズンのアトレティコは、純粋にサッカーの面白さを見せてくれました。国籍も年齢も違うプレーヤーがチームの勝利のために、個の力で、組織の力で自分達の技術を高め合う姿は恐ろしくスポーツの原点でした。ここの10年で最も美しい挑戦者達だと感じました。だから、こうしてチームが解体されるのは見てて辛いです。

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