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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ネックは1億ポンドの移籍金。フィリペ・コウチーニョのプレミアリーグ復帰はあるのか…⁉

Philippe Coutinho ‘regrets’ Liverpool exit and will spark four-way summer loan battle(フィリペ・コウチーニョは、リヴァプールを出たことを後悔しており、4つの道がある夏のローンバトルを引き起こす/エクスプレス)」。2018年の冬に、アンフィールドを去ったブラジル人アタッカーが、バルセロナが支払った1億4200万ポンドという高額移籍金の「後遺症」に苛まれています。昨季のラ・リーガで真価を発揮できず、スペインの名門に戦力外のスタンプを押されたコウチーニョは、2019-20シーズンをミュンヘンで過ごすことになりました。ブンデスリーガ22試合8ゴール6アシストは、悪い数字ではありませんが、バイエルンは1億ポンドといわれる買い取りオプションを行使せずと伝えられており、彼の動向に注視しているといわれるプレミアリーグのクラブも、「ローンで獲れるなら」というスタンスです。

コウチーニョとの契約が2023年まで残っているバルセロナは売却にこだわっており、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、チェルシー、トッテナムは1億ポンドを出す気はないようです。積極的な補強が目立つインテルも、さすがにこの額には二の足を踏むでしょう。ネイマールのバルサ復帰が噂されているパリ・サンジェルマンがスワップに応じるという噂もありますが、この手の話は2人の差額で揉めて立ち消えとなるのが常です。

ご本人は、プレミアリーグに戻りたがっていると報じられていますが、元10番抜きでチャンピオンズリーグを制した古巣は、プレミアリーグ最強の3トップのサラリーを増やしつつ次世代のタレントを獲得するでしょう。半額で手に入るティモ・ヴェルナーをスルーして、コウチーニョを買い戻す強い理由は見当たりません。この状況を見て、「彼はなぜバルセロナに行ったのか?」とツッコミを入れているプレミアリーグOBがいます。結果論?いや、この方には後輩の不遇を嘆く資格があるのではないでしょうか。半ば自虐、半ば慈しみを込めてコメントしているのは、毒舌で有名なエマニュエル・プティさんです。

Philippe Coutinho must question why he joined Barcelona – as I did, says Emmanuel Petit」。イギリスメディア「ミラー」の見出しで着目すべきは、「コウチーニョは、なぜバルセロナに加わったのかを問わなければならない」という前段ではなく、「as I did」のほうでしょう。1998年のワールドカップフランス大会で、母国を優勝に導いたセントラルMFが、その前年にモナコを離れた後、とことんついていなかったのをご存じでしょうか。1997年にアーセナルに入団し、最初のシーズンにプレミアリーグとFAカップを制したところまではよかったのですが、痛恨だったのは2000年のバルセロナ移籍でした。

当時のバルサは、オランダ人選手をかき集めて非難囂々となったファン・ハール監督が辞めた直後で、カオスの季節。ロレンソ・セラ・フェレールが解任され、カルロス・レシャックも結果を出せなかったチームで、プティは本領を発揮できず、たった1シーズンでチームを離れることになりました。アーセナルに戻りたいという希望は叶えられず、選んだクラブはチェルシー。ヴェンゲル監督の下で完成度を高めた古巣は、プティがイングランドに戻った年に再びダブルを達成し、2003-04シーズンにはプレミアリーグ無敗優勝と黄金時代に突入しました。

チェルシーでの最初の2年は、6位、4位。アブラモヴィッチ氏がオーナーとなった2003-04シーズンは負傷をきっかけに出場機会が激減し、ジョゼ・モウリーニョがやってくる直前にスパイクを脱ぐことになりました。「もし、私がフィリペ・コウチーニョだったら、毎朝目を覚まし、なぜバルセロナとの契約にサインしたのかと思うだろう」。自らの苦難の時代を思い出したガナーズOBは、当時の率直な思いを吐露しながら、コウチーニョを激励しています。

「彼はリヴァプールに戻らないだろう。私がバルセロナにいたとき、彼らはアーセナルに返したがっていた。それは魅力的な話で、私はアーセナルに戻る寸前だった」「しかし、1日の終わりにこんなふうに思ったんだ。自分に正直であるべきだ。離れたとき、理由があったのだろう?と」
「コウチーニョが自身に正直であるなら、こう考えるだろう。”自分が去った後、リヴァプールはチャンピオンズリーグを制覇し、プレミアリーグを勝ち取る道を突き進んでいる。彼らは自分を必要としていない。戻る理由などありはしないだろう?”」

プティさんのアドバイスは、「イングランドに戻ればうまくいくと確信している。彼はプレミアリーグに完璧にフィットしている」。行くべきクラブまで聞かれたら、ブルーズOBはどう答えるのでしょうか。エジルの後継者探しを急務としているクラブが、最も監督解任騒動に巻き込まれづらいのではないかと思うのですが、1億ポンドとなると…。


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