インスタライブでのコメントに話題集中…現地メディアが激論を交わす「オーバメヤンの未来」
「あと1年だ」「ああ、そうだね」「確かに」。インスタグラムのライブチャットで、ケヴィン・プリンス=ボアテングと絡んだ彼は、「アーセナルと、新たな契約を結んでほしい」と請うグーナーの声に対して、笑顔と柔らかいリアクションで軽くいなしました。ピエール・エメリク=オーバメヤン。2018年1月に、ドルトムントからやってきた稀代のゴールゲッターは、プレミアリーグ75試合49ゴールという出色のスタッツを残しています。圧巻だったのは、2018-19シーズン。得点王であることを示すプレミアリーグ22ゴールという数字よりも、ビッグチャンスにおける23回のミスというリーグNo.1の記録が目に飛び込んできます。どれだけDFの目を眩ましたことか。ハードマーカーたちの視界から外れるセンスにおいて、彼と勝負になるのはセルヒオ・アグエロぐらいではないでしょうか。
アーセナルとの契約は2021年の夏まで。プレミアリーグ2019-20シーズンが終われば、残り1年となる彼の去就が話題になるのは避けられません。「フットボール・ロンドン」「イブニング・スタンダード」「ミラー」などの現地メディアが、こぞってソーシャルメディアでのトークの模様をレポート。「スカイスポーツ」は、アラン・スミスとチャーリー・ニコラスの激論というスタイルで、ガナーズのキャプテンの選択肢について検証しています。
レアル・マドリード、バルセロナ、マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ。イギリスのメディアが挙げるオーバメヤンの行き先は、多額の移籍金とサラリーを払える4つのクラブに絞られています。「32歳になったベンゼマの後継者候補だったルカ・ヨヴィッチが空回り」「33歳のスアレスのゴールが減少」「ゴールを量産できるストライカー不在で、現在の最前線はマルシアル」「CL出場禁止処分でアグエロに退団の噂」と、それぞれに動機は充分です。
このなかで、最初に消すとすればマン・シティでしょう。CLから2年間遠ざかるのが確定すれば、ビッグイヤー獲得をめざすオーバメヤンの条件から外れてしまいます。アグエロの後継者としてガブリエウ・ジェズスがおり、喫緊の課題はコンパニとダヴィド・シルヴァの後釜探し。30歳のストライカー獲得の優先順位が急激に上がることはないでしょう。ハリー・ケイン獲得の噂があるマンチェスター・ユナイテッドは、ファン・ペルシという苦い記憶があるガナーズのほうが全力で回避するのではないでしょうか。彼らの最重要ターゲットも別なポジションである可能性が高く、ジェイドン・サンチョやクリバリを押さえたら、オーバメヤンに数千万ポンドという選択肢は消滅するはずです。
残る候補はスペインの2強ですが、レアル・マドリードのリストにおけるオーバメヤンの順位は3番めといわれています。TOPはドルトムントで大爆発中のアーリング・ブラウト・ハーランド、2番手はリヴァプールのサディオ・マネ。オーバメヤンが彼らを抜くのは、ドルトムントとリヴァプールに意中のタレントをプロテクトされ、ガナーズがルカ・ヨヴィッチをほしがった場合に限られるのではないかと思います。残ったひとつが、最大の脅威でしょう。33歳のスアレスと32歳のメッシの衰えが懸念されるバルサにとって、この先3年は確実にゴールを決めてくれるストライカーは魅力的でしょう。
「1億ポンドをもらえるなら売ってもいい」というのは、チャーリー・ニコラスさん。アラン・スミスさんのほうは「とにかく口説け。彼の将来がアーセナルにあることを説得しろ」と、「それができるならアルテタさんがやってますがな」とツッコミを入れたくなる緩い結論で終わっています。私が経営ボードなら、1年のギャンブル。コロナウイルス蔓延の影響で、どのクラブも財政に余裕がないなか、この夏にオーバメヤンが高値で売れるとは思えません。ならばもう1年、今の契約のままで走って、キャプテンとともに2021-22シーズンのCL出場権を獲得しつつ最後のラブコール…という選択です。
ご本人に、「いいアイデアでしょ?」と問うてみたいのですが、「そうだね。確かに」と軽くかわされて終わりでしょうね。厳しいチェックをかわすのが最もうまいストライカーに、正面からのアタックはあまりにも無謀です。いつまでもプレミアリーグで観ていたいタレントなのですが…。
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