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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ミケル・アルテタが選手たちを説得。アーセナルがプレミアリーグで最初にペイカットを実施!

全員にイエスといわせたのは、どうやらミケル・アルテタのようです。「ガーディアン」「BBC」など現地メディアが、プレミアリーグのクラブで最初に選手たちのペイカットを実施するのはアーセナルと報じています。12.5%の引き下げを決めるまでには、2週間という時間が必要でした。当初は、過半の選手が拒否。彼らの心を動かしたのは、3つの要素だったようです。「経営ボードが、自らが受け取る今後12ヵ月のサラリーを1/3以上カット」「チャンピオンズリーグ出場権獲得など、いくつかのミッション達成によるボーナス」、そしてもうひとつが、若きマネージャーの熱いメッセージです。

「ミケル・アルテタの影響力は、27人の態度の変化をもたらす重要なものだった」。関係者によると、指揮官が選手たちに語りかけたのは、水曜日の夜に行われたビデオミーティング。「通常は、金銭に関する議論には入らない」と明言したうえで、「コロナウイルスによってもたらされた前例のない混乱に際して、クラブをサポートする強固な集団的スタンスが必要となっている」と熱弁を揮ったと伝えられています。

プレミアリーグの監督として3ヵ月しか指揮を執っていない新人マネージャーも、もちろんペイカットを敢行。年間2億3000万ポンドという重い人件費を抱えるクラブは、チャンピオンズリーグ出場権を獲得したら、カットした分を返金のうえ、ひとり10万ポンド(約1340万円)のボーナスを支給すると約束したそうです。

「BBC」によると、ミッションクリアのインセンティブにはさらに上があり、2020-21シーズンのチャンピオンズリーグを制すれば50万ポンド(約6700万円)、ヨーロッパリーグなら10万ポンド。当初は行き詰っていた議論は、ボスの介在によって、建設的かつポジティブになったようです。「ガーディアン」が指摘するように、2021年で契約が切れるオーバメヤンとサカがどういうリアクションを取るのかが心配ではありますが…。

「オーナーのクロエンケ、スポーツ&エンターテインメントは、この困難な時期を通じてアーセナルをサポートすることに全力で取り組んでいます」
「コスト管理も厳格に実施しています。大半の設備投資を停止し、裁量による営業費は厳しく管理されています」
「すべての従業員が、給与を全額受け取っており、これを継続する予定です。政府のスキームを利用する予定はありません。4月末から5月末までは、正規の従業員に加えて臨時スタッフにも支払うなど、コミットメントを広げています」

「2019-20シーズンにおいて延期となった試合のチケットは、再度実施が決まれば有効になります。プレミアリーグとともに安全に配慮しながら、できるだけ早く2019-20シーズンを完了させることを約束します」
「いくつかの試合が無観客となったりキャンセルされた場合は、シーズンチケットの一部や個別のチケットに充当したり、次のシーズンのチケットを提供したり、払い戻すなどの措置を取ります。詳細は、適宜共有いたします」
(4月15日、アーセナル公式サイトに掲載されたアナウンスより抜粋)

選手たちのペイカットについては、いいとも悪いともいえず、「さすがアルテタ」のひとこと。アーセナルの経営ボードも、監督も、選手たちも、平時なら誰も望まない苦渋の決断です。プレミアリーグのビッグ6といわれるクラブが、こういった策を講じなければならない状況で、中小クラブは存続を賭けた厳しいやりくりを強いられているものと思われます。コロナウイルス感染の拡大が収まり、それぞれのクラブが心おきなく週末にサポーターを迎えることができるようになるのを祈るしかありません。


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