2021.09.05 アーセナルの話題
獲得した6人の共通項は…!? 納得よりも疑念が深まった「エドゥTD独占インタビュー」
「プレミアリーグで最も多額の資金を投じているのに、サポーターはがっかりしている。マーケットにおける立ち回りの背景を教えてほしい」
開口一番、厳しい質問を投げかけたのは、プレミアリーグの創設から「スカイスポーツ」でレポーターを務めているジェフ・シュリーブスさんです。「みんな、ひとつの(トランスファー)ウィンドウだけを見たがるものだけど、大局的な観点で話す必要がある」と返したのは、アーセナルの補強を取り仕切るテクニカルディレクター。「Edu exclusive interview」と題したトークセッションは、記事にすると17500文字を超えるロングレポートになります。
「チームを統合し、よりよい基盤を築き上げるために、1年前に計画を立てた」と語り始めたエドゥTDは、プレミアリーグで8位に終わった前シーズンについて、「一貫性を得られずに苦しんだ」と振り返っています。「1年前にブカヨ・サカとガブリエル・マルティネリとの契約を更新したのは、チームの基盤を手に入れるためだった。この1年間で10人の選手と契約したけど、そのうち7人は23歳以下だった」。若手獲得にシフトした理由については、「よりよく、より強固に、一貫性のあるチームにするために、適切な特性とプロフィールを持った選手を採用した」と説明しています。
これに対して、タッチラインレポートのスペシャリストは、「獲得した6人のうち、すぐにチームを向上させられるのは2人だけでは?」「すぐにトップチームに入れるオーブンレディの選手を3人買えば、チームを改善できるということを理解しているのか」と鋭く迫ります。ヌーノ・タヴァレス、サンビ・ロコンガ、ラムズデール、冨安健洋はリザーブからのスタートで、即戦力といえるのはウーデゴーアとベン・ホワイトだけという解釈です。「繰り返しになるが、チームには基盤が必要なのだ」と答えたエドゥTDは、個々の獲得について、丁寧に解説し始めました。
「中盤にはグラニト・ジャカとトーマス・パーティーがいる。彼らがプレイするなら、その上にもうひとりを加えてもしょうがない。彼らをサポートするべくアルベール・サンビ・ロコンガを選んだ」
「10番のポジションは、エミール・スミス・ロウだけではギャップがあると考えた。同じクオリティの10番が必要だった」
「ダヴィド・ルイスが退団することになったので、すぐにでも長期的にも、信頼できるプロフィールがあってチームに影響を与えられるような人材が必要だった。それがベン・ホワイトだ」
レノの競争相手となるアーロン・ラムズデールは将来を見据えた投資で、冨安健洋は先々のベジェリンの後継者。ヌーノ・タヴァレスはキーラン・ティアニーをカバーする存在であるという説明は、すんなり理解できます。しかし…。
3000万ポンドを6人獲って3年後の最強をめざすのか、6000万ポンドを3人引き入れて目の前のプレミアリーグを勝ちにいくのかという二択は、後者のほうが確実という考え方があります。例えばジェイドン・サンチョ、ラファエル・ヴァラン、クリスティアーノ・ロナウドを手に入れたチームのサポーターが、グーナーよりも今季に対する期待感を高めているのは間違いありません。
エドゥTDとアルテタ監督の極端な若手志向は、「6人を得ても、全員が開花するとは限らない」という面を見落としているように感じられます。2013年の夏にガレス・ベイルを売却したトッテナムは、ソルダード、パウリーニョ、シャドリ、カプェ、キリケシュ、エリクセン、ラメラを獲ってプレミアリーグ6位フィニッシュ。その後、チームの軸となったのはエリクセンのみで、勝てるチームになるためにはマウリシオ・ポチェッティーノが必要でした。
翌年、ルイス・スアレスを失ったリヴァプールは、リッキー・ランバート、ララナ、デヤン・ロヴレン、ラザル・マルコヴィッチ、ディヴォック・オリギ、エムレ・ジャン、アルベルト・モレノ、マリオ・バロテッリをゲット。こちらも前年の2位から6位にランクダウンし、ブレンダン・ロジャース監督は大量補強の14ヵ月後に解任の憂き目に遭っています。
スパーズの大型補強においては、ソルダード、パウリーニョ、エリクセンは実績充分の目玉商品でした。リヴァプールの補強も、アダム・ララナは2013-14シーズンのセインツでプレミアリーグ38試合9ゴールの大活躍で、その年の1月にミランに加わったバロテッリはセリエA13試合12ゴールという数字を残しています。即戦力と将来性をミックスしてもコケた彼らに対して、今回のガナーズで最もレギュラーに近いベン・ホワイトは、プレミアリーグ実働1年…!
同じ若手狙いでも、移籍金の水準が上がる即戦力に絞ったほうがよかったのではないかと思ったりします。ジェームズ・マディソンに7000万ポンド、ルベン・ネヴェスに3500万ポンド、マックス・アーロンズは4000万ポンドでトータル1億4500万ポンド。レスターのプロテクトは強固ですが、本人はノースロンドンに興味を示していたという話もあり、実際にガナーズが使った額を下回る規模でまとめられそうです。CBが必要なら、移籍金を払わずに起用できるウィリアム・サリバを合流させるという手がありました。
「結果を出さなければ去ることになるミケル・アルテタは、この計画に賛同しているのか?」「わかっていると思うけど、フットボールの世界は時間がないからね…」「プレーイングスタッフやマネジメントスタッフと同じように、結果に対する責任を感じているのか?」。言葉を選ばず、芯を喰った質問を連発したジェフ・シュリーブスさんに、ポジティブな言葉を返し続けたエドゥTDに対して、こんな疑問が浮かびました。
この夏獲得したのは、「適切な特性とプロフィールを持った選手」ではなく、「ハードな交渉や争奪戦を必要としない選手」だったのではないか?フロントのバックアップに感謝していると語ったアルテタ監督が、「うれしく思う」という言葉の前に、こんな微妙な表現を使っていたのが裏付けのように感じられたのですが…。
「われわれにとって、可能な条件でリクルートをしなければならなかったが」
穿ちすぎでしょうか?
開口一番、厳しい質問を投げかけたのは、プレミアリーグの創設から「スカイスポーツ」でレポーターを務めているジェフ・シュリーブスさんです。「みんな、ひとつの(トランスファー)ウィンドウだけを見たがるものだけど、大局的な観点で話す必要がある」と返したのは、アーセナルの補強を取り仕切るテクニカルディレクター。「Edu exclusive interview」と題したトークセッションは、記事にすると17500文字を超えるロングレポートになります。
「チームを統合し、よりよい基盤を築き上げるために、1年前に計画を立てた」と語り始めたエドゥTDは、プレミアリーグで8位に終わった前シーズンについて、「一貫性を得られずに苦しんだ」と振り返っています。「1年前にブカヨ・サカとガブリエル・マルティネリとの契約を更新したのは、チームの基盤を手に入れるためだった。この1年間で10人の選手と契約したけど、そのうち7人は23歳以下だった」。若手獲得にシフトした理由については、「よりよく、より強固に、一貫性のあるチームにするために、適切な特性とプロフィールを持った選手を採用した」と説明しています。
これに対して、タッチラインレポートのスペシャリストは、「獲得した6人のうち、すぐにチームを向上させられるのは2人だけでは?」「すぐにトップチームに入れるオーブンレディの選手を3人買えば、チームを改善できるということを理解しているのか」と鋭く迫ります。ヌーノ・タヴァレス、サンビ・ロコンガ、ラムズデール、冨安健洋はリザーブからのスタートで、即戦力といえるのはウーデゴーアとベン・ホワイトだけという解釈です。「繰り返しになるが、チームには基盤が必要なのだ」と答えたエドゥTDは、個々の獲得について、丁寧に解説し始めました。
「中盤にはグラニト・ジャカとトーマス・パーティーがいる。彼らがプレイするなら、その上にもうひとりを加えてもしょうがない。彼らをサポートするべくアルベール・サンビ・ロコンガを選んだ」
「10番のポジションは、エミール・スミス・ロウだけではギャップがあると考えた。同じクオリティの10番が必要だった」
「ダヴィド・ルイスが退団することになったので、すぐにでも長期的にも、信頼できるプロフィールがあってチームに影響を与えられるような人材が必要だった。それがベン・ホワイトだ」
レノの競争相手となるアーロン・ラムズデールは将来を見据えた投資で、冨安健洋は先々のベジェリンの後継者。ヌーノ・タヴァレスはキーラン・ティアニーをカバーする存在であるという説明は、すんなり理解できます。しかし…。
3000万ポンドを6人獲って3年後の最強をめざすのか、6000万ポンドを3人引き入れて目の前のプレミアリーグを勝ちにいくのかという二択は、後者のほうが確実という考え方があります。例えばジェイドン・サンチョ、ラファエル・ヴァラン、クリスティアーノ・ロナウドを手に入れたチームのサポーターが、グーナーよりも今季に対する期待感を高めているのは間違いありません。
エドゥTDとアルテタ監督の極端な若手志向は、「6人を得ても、全員が開花するとは限らない」という面を見落としているように感じられます。2013年の夏にガレス・ベイルを売却したトッテナムは、ソルダード、パウリーニョ、シャドリ、カプェ、キリケシュ、エリクセン、ラメラを獲ってプレミアリーグ6位フィニッシュ。その後、チームの軸となったのはエリクセンのみで、勝てるチームになるためにはマウリシオ・ポチェッティーノが必要でした。
翌年、ルイス・スアレスを失ったリヴァプールは、リッキー・ランバート、ララナ、デヤン・ロヴレン、ラザル・マルコヴィッチ、ディヴォック・オリギ、エムレ・ジャン、アルベルト・モレノ、マリオ・バロテッリをゲット。こちらも前年の2位から6位にランクダウンし、ブレンダン・ロジャース監督は大量補強の14ヵ月後に解任の憂き目に遭っています。
スパーズの大型補強においては、ソルダード、パウリーニョ、エリクセンは実績充分の目玉商品でした。リヴァプールの補強も、アダム・ララナは2013-14シーズンのセインツでプレミアリーグ38試合9ゴールの大活躍で、その年の1月にミランに加わったバロテッリはセリエA13試合12ゴールという数字を残しています。即戦力と将来性をミックスしてもコケた彼らに対して、今回のガナーズで最もレギュラーに近いベン・ホワイトは、プレミアリーグ実働1年…!
同じ若手狙いでも、移籍金の水準が上がる即戦力に絞ったほうがよかったのではないかと思ったりします。ジェームズ・マディソンに7000万ポンド、ルベン・ネヴェスに3500万ポンド、マックス・アーロンズは4000万ポンドでトータル1億4500万ポンド。レスターのプロテクトは強固ですが、本人はノースロンドンに興味を示していたという話もあり、実際にガナーズが使った額を下回る規模でまとめられそうです。CBが必要なら、移籍金を払わずに起用できるウィリアム・サリバを合流させるという手がありました。
「結果を出さなければ去ることになるミケル・アルテタは、この計画に賛同しているのか?」「わかっていると思うけど、フットボールの世界は時間がないからね…」「プレーイングスタッフやマネジメントスタッフと同じように、結果に対する責任を感じているのか?」。言葉を選ばず、芯を喰った質問を連発したジェフ・シュリーブスさんに、ポジティブな言葉を返し続けたエドゥTDに対して、こんな疑問が浮かびました。
この夏獲得したのは、「適切な特性とプロフィールを持った選手」ではなく、「ハードな交渉や争奪戦を必要としない選手」だったのではないか?フロントのバックアップに感謝していると語ったアルテタ監督が、「うれしく思う」という言葉の前に、こんな微妙な表現を使っていたのが裏付けのように感じられたのですが…。
「われわれにとって、可能な条件でリクルートをしなければならなかったが」
穿ちすぎでしょうか?
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マンチェスターU好きがの発想
今期はCL.ELがないのでリクルートが限られるのは当然でしょう。