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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

地元メディアがアーセナルの冬の補強を想定。エドゥ&アルテタは動くのか、ステイか!?

レアル・マドリードからメスト・エジルが移籍してきた2013-14シーズン。プレミアリーグ13節までで8ゴールというアーロン・ラムジーの狂い咲きと、新たなプレーメイカーの7アシストによって、アーセナルは年明けを首位で迎えました。ところが、絶好調ラムジーは年末に太腿を痛めてリタイア。冬のマーケットで代役を獲って、何とか首位をキープしたい状況だったのですが…!

ニューフェイスは、スパルタク・モスクワからレンタルしたキム・シェルストレームのみ。デッドラインデーの前日に急遽呼び寄せられたMFは、メディカルチェックで腰の骨に亀裂が入っていたことが発覚し、プレミアリーグ出場は3試合に留まりました。ラムジーの穴を埋められなかったチームは、3月にエジルもハムストリングを痛めてしまい、2人とも揃ったときは4位でした。

エジルが前半戦だけで16アシストを決めた2015-16シーズンも、アーセナルは22節まで順位テーブルの頂点に立っていました。ライバルは、ラニエリのレスター。チェルシーはジョゼ・モウリーニョによる混乱で消え去り、マン・シティは2月からの3連敗で沈むという絶好のチャンスでした。

夏のマーケットでチェフしか獲らなかったアーセン・ヴェンゲルは、14節から長期離脱となったカソルラの代役をなぜ押さえなかったのか。アレクシス・サンチェスとジルー頼みだった前線を、なぜ強化しなかったのか。12月のアレクシスの離脱から2ヵ月の猶予がありながら、補強したのはエルネニーのみ。年明けまで好調だったジルーが、プレミアリーグ15戦連続ノーゴールという不振に陥ってしまい、ガナーズはラニエリの奇跡の引き立て役になってしまいました。

こんな昔話を始めたのは、当時はチームの主軸だったミケル・アルテタ監督が、同じ失敗を繰り返すのではないかと不安に駆られたからです。プレミアリーグ首位に立ったチームは、明らかに足りないポジションが2つあります。ストライカーと、セントラルMF。ガブリエウ・ジェズスとトーマス・パーティーがいないゲームを勝ち切る備えがありません。

最前線の控えとなるエンケティアは、ELとカラバオカップで3ゴールを決めているものの、プレミアリーグは12試合の途中出場でノーゴール。トーマスを欠いた3試合は、フラムとヴィラには2-1というきわどい勝ち方で、マンチェスター・ユナイテッドに唯一の敗戦を喫しています。レギュラーを固定する傾向がある指揮官は、主力が離脱した際の戦い方を想定しているのでしょうか。

ジェズスが抜けたら、マルティネッリを中央にコンバートし、スミス・ロウかファビオ・ヴィエイラを左に配するという手はあるでしょう。トーマスがいなければ、ベン・ホワイトを中盤に上げるのもおもしろそうです。しかしどちらも、アルテタ監督がトライしていない布陣。9番の代わりはいつもエンケティアで、セントラルMFはサンビ・ロコンガかエルネニーです。

一昨日、「エドゥのサプライズ1億1000万円投資プラン」という見出しで期待感を煽った「フットボールロンドン」のトム・カントン記者は、「サカとマルティネッリをサポートできる万能型フォワード」「トーマス・パーティー&ジャカと競り合えるMF」が最優先と主張しています。

前者の候補はシャフタール・ドネツクのウクライナ代表FWミハイロ・ムドリク、後者はパルメイラスのダニーロ。今季公式戦で16試合8ゴール8アシストという数字を残しているムドリクは、アーセナルのプレースタイルをチェックしていると語っており、「監督の考え方を知りたい」と前向きです。

一方のダニーロは、夏にエドゥSDが検討していた逸材です。6番も8番もこなすユーティリティーの高さと、足元の確かさは、いかにもアルテタ好み。引き留める理由となっていたコパ・リベルタドーレスに敗退し、ハードルは低くなったと伝えられています。プレミアリーグでどこまでやれるかは未知数ですが、獲得できる可能性が高まった2人を押さえられれば盛り上がります。

地元メディアの記者は、「左利きのCB、本職の右SB、ストライカーもターゲット」としています。しかし、パブロ・マリやメートランド=ナイルズをローンで出したのに、最終ラインを強化するかどうかは微妙で、ムドリクを引き入れたら最前線は獲らないでしょう。セントラルMFとアタッカーが来ればOK。ヴェンゲルの首位陥落を思い出させる最悪の想定はコレです。

「ストライカーは、夏にバログンを戻したいからスルー」
「セントラルMFは、夏にティーレマンスを獲りたいからスルー」
「サカの代役はマルキーニョス、よってさいどもスルー」
「というわけで、冬はスルー」

…外野のおせっかいなのは重々承知です。久々に優勝をめざせるポジションにいるこの冬は、ぜひとも薄いポジションを補強してください。2015-16シーズンを勝っていれば、アレクシスの去り方もヴェンゲルの辞め方も変わっていたのではないでしょうか。全力で勝ちにいって、3連覇を許したなら納得。「彼が抜けなければ…」と悔やむ結末だけは、見たくないのです。


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