スルーパスNo.1、ロングボールは最下位…とんがりまくりのアーセナルのスタッツがおもしろい!
さて、そんなアーセナルの8節までのスタッツを「プレミアリーグ公式サイト」で見てみると、これがまたとんがっていておもしろい!まずはざっと数字を並べてみましょう。パス数4703本は、よく走るリヴァプールに次ぐ第2位ですが、アーセナルらしいスルーパスの本数に特化すれば、41本で堂々のトップ。お隣のトッテナムはたったの5本でプレミアリーグ20チーム中16位ですので、何と8倍以上です。一方、ロングボールは376本で最下位!アルデルヴァイレルトやエリック・ダイアーが左右に振りまくっているスパーズは、上位チームではトップの583本で5位となっており、両者の戦術の違いがくっきり数字に表れています。
クロスの本数は、プレミアリーグ2015-16シーズンのワンツーであるクリスタル・パレスとサウサンプトンが今季も1位と2位。クーマン監督からピュエル監督に代わっても、セインツのタディッチ、セドリク・ソアレス、バートランドは頑なに自分たちのスタイルを守り続けているようです。アーセナルもまた、昨季も今季も13位。149本しか上げていないチームの下にいるのは、横より縦のレスター、アーセナルに負けず劣らずコンセプチュアルなクロップ監督、後の5チームはクロスを上げる機会自体が創れないサンダーランドやハル・シティなどの下位クラブです。シュート数は7位と普通ですが、「ボックス内からのゴール」が19本中18本でトップ。数字から見える攻撃面の特徴をまとめると、「短いパスをしっかりつなぎ、スルーパスを効果的に使ってボックス内から決めるチーム」といったところでしょうか。今季プレミアリーグで覚醒したウォルコットは、枠内シュート14本でジエゴ・コスタとルカクに次ぐ3位につけています。
守備の数字でおもしろいのが、クリアが157回で最下位、インターセプトが148回でウェストハムに次ぐ第2位という数字です。後ろからつなごうという意識が強すぎて、ジャカがシグルズソンにボールをさらわれたりするシーンもありましたが、不利な体勢でも安易に外に出さないのがアーセナル。インターセプトが多いのは、全体の3位に入っているナチョ・モンレアルです。アタッカーにかわされるシーンが目立ち、昨季の安定感を失っているようにみえるベテランSBは、読みのよさと前に出る姿勢は健在のようです。イエローカード10枚がリーグ最下位というのも、ガナーズらしさといっていいのでしょうか。いや、これはむしろ、「ジルー不在の状況証拠」と表現したほうが適切かもしれません。
ここからは、個人に目を向けてみましょう。ゴール数は5発のウォルコットが3位、4発のアレクシス・サンチェスが6位。アシストではアレクシス・サンチェスとイオビが3本で2位につけています。パス本数とタッチ数ではサンティ・カソルラが561本、695回でいずれも2位。意外なのはスルーパスで、アレクシス・サンチェスが17本と、2位のダヴィド・シルヴァの10本をぶっちぎってダントツ1位です。ウォルコットの好調を支えているのは誰なのかが、データを見るとはっきりします。
ちなみに今季3ゴールのエジルはシュートを11本しか打っておらず、ウォルコットの29本、アレクシスの23本の半分以下で3つの決定機を確実に決めています。元々、シュートが最適なシーンでしか狙わない選手が8試合で3ゴールを記録しているあたりに、ゼロトップのなかでお膳立てに回ることも多いアレクシス・サンチェスのラストパスがいかに素晴らしいかが表れています。ここまでミドルシュートはジャカの一発しかありませんが、彼だけでなくエルネニーやカソルラの遠めからのシュートが増え、クロスをジルーが決めるシーンも見られるようになれば、アーセナルの攻撃はさらに多彩になります。
モンレアル、ムスタフィ、ベジェリン、コシールニーの4人だけで、リヴァプールの総数より3つ少ないだけの80回のインターセプトに成功しているガナーズ守備陣は、下がって守るよりも前で奪取し、速い攻撃につなげる意識が高まっています。長いボールよりも短いパスを確実につなぎ、スルーパスを効果的に出して攻めるゼロトップフォーメーションは、昨季は過半をストライカーが決めていたところを2列め以下のゴール比率が高いチームに変え、多様な形で点が獲れる布陣になりました。このうえはぜひ、ミドルズブラとサンダーランドに手堅く勝っていただき、プレミアリーグ8連勝&公式戦11連勝でノースロンドンダービーに臨んでいただきたいのですが、最後にひとつだけ、データを。アーセナルではないのですが…。今季の「Hit the woodwork」ランキング、つまりバーやポストにシュートをぶつけた数で、ジャック・ウィルシャーが3本でトップを走っております。今季プレミアリーグで4試合出場のMFは、現在ノーゴール。がんばれ、ジャック!ということで、本稿を締めさせていただきます。
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ゴールを24時間引き出せるATM素晴らしいですね。戦術・チームワーク・ボールゲームとしての魅力とここにきて、非の打ちどころがありませんね。数年前からエジルの得点力・アタッカーとしてのサンチェスの能力・ウォルコットの得点力に期待していたベンゲルさん。またまた評価がジェットコースターの頂点に達しそうです。年間通しての継続力だけが心配。でも、信じていれば魔法は続くはずですよね・・・
去年までのアーセナルのサッカーの印象として試合ごとにころころサッカーが変わりよくわからないチームだという印象だったのですが今年はデータが示す通りコンセプトをしっかり固めてサッカーをしています。形のなかったチームが形を決めてきた、他ファンとしては怖いですね
あとATMは流石に ない と思います(笑)
今期のガナーズのフットボールが大きく変化していることがスタッツに現れていて面白いですね。補足の情報はないかと思いWho.Scored.comでチームスタッツを調べてみました。特筆すべき補足事項は下記の通りです。
ポゼッション: 6位(55.3%、1位からCity, Liv, Chel, Tot, South
パス成功率: 2位(84.8%) 1位Chel
ドリブルPG: 3位(14.3) 1位からCity, Liv
Through Ball PG: 2位(5) 1位City
Opposition third (サードエリアでのプレイ率): 2位(32%) 1位City
これを見るとマコトさんの記事に補足するならポゼッション偏重は捨て、ショートパスを相手陣内で繋ぎつつ、ドリブルを旨く使って切り込んだり、横に運びながらサイドチェンジして崩しを狙い、スルーパスで仕留めるという特徴が如実に現れていますね。また、カウンター攻撃が増えたこともポゼッションにこだわっていない特徴の一つかと。更に言えばムスタフィの加入やボランチの競争率が高まったことでの攻撃的守備が攻撃陣を支えていることも見逃せません!
エリア外からのロングシュートが断トツのトットナムに比べゲーム当たりのロングシュートが少ないことも納得ですね。これにロングシュートや、ワントップでのピンポイントパスによるシュート等のバリーエーシュンを旨くジャカやジルー、ルーカス、ラムジー等を使ってプラスしていけばさらにチーム力は高まってくると思いました。
モンレアルは持ち前の読みでインターセプトはあるものの、勤続疲労でスピードについて行けないのかと思っています。カソルラしかり、ベテランは旨くターンオーバーで休ませながら使って行けば、チームのコンディションをキープできると思います!
モンレアルは不調なのかと思っていたら、そうではないみたいですね。バーローらスピード系アタッカーにはやられがちなイメージがあるものの、流れを読む力に長けているため欠かせません。最近よく思うのが、モンレアルを第3CBとしても起用してみたらどうかという案です。もちろん、サイドバックとしても起用してほしいですが、左利きでかつインターセプトが巧いというのはアーセナルのCBに求められるピースだと思うので。
締めが最高。笑
CLのことを考えれば、ジルーにロングボールを通すなど、幅が欲しいと思いますが。
あまり尖りすぎても良いことはないですし。欧州でたら尚更。
とりあえず、CL勝ち抜き筆頭はアーセナルだと思いますんで、頑張って欲しいですが、
だしまるさん>
ボロ戦はドローに終わりましたが、優勝するチャンスであることは間違いありません。今季こそ、カソルラとコシールニー、チェフを含むアンタッチャブルな6人から長期離脱が出ませんように…。
しーばすさん>
ATM、ダメですか!?アーセナルは、昨季もコンセプチュアルなチームで、データも個性的でした。今季ここまでのデータは、アレクシスのゼロトップ効果がいろいろ出ているところがおもしろかったです。
ヤンガナ大好き!さん>
以前からいただいていますが、プランB、プランCのクオリティをいかに上げるかは重要なテーマですね。
新参さん>
モンレアルCBの3バックはありですが、ペップ的ですね。彼が上がったとき、コクランがCBに下がったりしたらそっくりです。
絆創膏さん>
ありがとうございます。ホントにがんばってほしいです。
レッズサポさん>
おっしゃるとおり、幅はキープしたいですね。私の中では、ジルーのポストプレーはプレミアリーグNo.1です。