2024.09.24 アーセナルの話題
クレバーか、ダーティーか?10人のアーセナルがエティハドで残した前代未聞のスタッツ!
八方美人のプレミアリーグファンも、シティズンもグーナーも、後半の展開と最終スコアに言葉を失ったのではないでしょうか。今季もトロフィーを争うであろうマンチェスター・シティとアーセナルの決戦は、壮絶なドロー決着。ガブリエウがCKを決めて1-2とリードした後、前半終了間際にトロサールがレッドカードを喰らうと、アルテタ監督は残り45分をベタ引きで守り切るという策を選択しました。
セカンドハーフが始まろうとするエティハドのピッチの脇に、ベン・ホワイトがいるのを確認したグーナーは、気が遠くなるような長く厳しい時間を覚悟したでしょう。片方にしかゴールリングがないバスケットボールのような、容赦ないハーフコートマッチ。10人になったアーセナルが、いかに耐え続けたかを物語るレアなスタッツを紹介しましょう。
1-2というスコアが最後まで動かなかった56分の攻防。ポゼッションは88%対12%、シュートは28対1、オンターゲット9対1で、マン・シティは16本のミドルシュートを放っています。前後半の45分のシュート数としては、プレミアリーグ史上2位。2011-2012シーズンに、マン・シティが逆転でリーグ制覇を果たしたQPR戦の後半の34本に次ぐ記録です。
392本のパスを通したホームチームに対して、アウェイチームは29本。敵陣のみに絞ると349対10で、下部リーグのクラブと対戦するFAカップでも見ない数字です。相手のペナルティボックスでのタッチ数は40対3。後半の平均ポジションを見ると、ドク、グリーリッシュ、ベルナルド・シヴァ、サヴィーニョ、ジョン・ストーンズ、ギュンドアンは全員敵陣のボックスの入り口です。
さらに、アーセナルが実現した3つの珍記録に触れると、「生涯2度と出会えない貴重なゲームだったのかもしれない」と思えてきます。90分を通じて最もボールタッチが多かったのは、ビッグセーブを連発したダヴィド・ラヤ!GKが52回で、2人のCBがそれぞれ40回以下という試合は、まずありません。
90分にティンバーと代わった17歳のルイス=スケリーは、プレミアリーグデビュー前にイエローカードという記録を残しています。プレミアリーグがさまざまなスタッツを取るようになった2003-04シーズン以降、初めての「怪挙」を成し遂げたのはカイ・ハヴェルツで、フル出場でパス成功数ゼロ!彼の最大のハイライトは、キックオフ直後のロドリとの激突だったようです。
とはいえ、前線で奮闘した長身のレフティのプレイを辿ると、大いに称賛すべきという気持ちになります。後半のアーセナルの平均ポジションで、唯一敵陣にマッピングされているのですから。誰も体験したことがない絶望的な劣勢のなかで、何とかボールを前に運んで状況を変えたいという思いは、1ポイントという形で結実したといえるでしょう。
指揮官の舌戦がヒートアップしていたジョゼ・モウリーニョの時代なら、「ゴール前にバスを停めた」と非難されていたでしょう。しかし記者と評論家のなかには、「アーセナルは凄かった」と見る向きも多いようです。ドクとサヴィーニョは2人がかりで止めるのに、ルベン・ディアスにはミドルを許す戦略的な守り方とその徹底度が評価のポイントとなっています。
これに対して、彼らと対峙した選手はやはりストレスを溜めています。「TNTスポーツ」のインタビューに応じたベルナルド・シウヴァは、「フットボールをプレイしにきたチームはひとつだけだった。残念ながら、もうひとつはレフェリーに許される限界までプレイしたかったようだ」とコメント。ピッチに座り込んだ6人や、ラヤのスローなプレイを時間稼ぎと非難しています。
「BBC」の「マッチ・オブ・ザ・デー」では、ジョン・ストーンズがアーセナルの戦い方について語っています。「彼らがダークアートを極めたとはいわない。でも、ここ数年はずっとやられているので、想定していた。クレバーかダーティかは、好きに呼べばいい。彼らはゲームのリズムを壊す」。同点ゴールがなければ、その表現はもっと厳しくなっていたかもしれません。
前半の展開を見る限り、トロサールが残っていたとしても、戦術のベクトルは変わらなかったのではないかと思います。美しくはなかった。でも、あれしかなかった。よくやった。しかし足りなかった。この結末を「勝利を逃した」ではなく「貴重な1ポイントを確保した」とするためには、2月のエミレーツで勝たなければならないでしょう。クレバーでも、ダーティーでも。
セカンドハーフが始まろうとするエティハドのピッチの脇に、ベン・ホワイトがいるのを確認したグーナーは、気が遠くなるような長く厳しい時間を覚悟したでしょう。片方にしかゴールリングがないバスケットボールのような、容赦ないハーフコートマッチ。10人になったアーセナルが、いかに耐え続けたかを物語るレアなスタッツを紹介しましょう。
1-2というスコアが最後まで動かなかった56分の攻防。ポゼッションは88%対12%、シュートは28対1、オンターゲット9対1で、マン・シティは16本のミドルシュートを放っています。前後半の45分のシュート数としては、プレミアリーグ史上2位。2011-2012シーズンに、マン・シティが逆転でリーグ制覇を果たしたQPR戦の後半の34本に次ぐ記録です。
392本のパスを通したホームチームに対して、アウェイチームは29本。敵陣のみに絞ると349対10で、下部リーグのクラブと対戦するFAカップでも見ない数字です。相手のペナルティボックスでのタッチ数は40対3。後半の平均ポジションを見ると、ドク、グリーリッシュ、ベルナルド・シヴァ、サヴィーニョ、ジョン・ストーンズ、ギュンドアンは全員敵陣のボックスの入り口です。
さらに、アーセナルが実現した3つの珍記録に触れると、「生涯2度と出会えない貴重なゲームだったのかもしれない」と思えてきます。90分を通じて最もボールタッチが多かったのは、ビッグセーブを連発したダヴィド・ラヤ!GKが52回で、2人のCBがそれぞれ40回以下という試合は、まずありません。
90分にティンバーと代わった17歳のルイス=スケリーは、プレミアリーグデビュー前にイエローカードという記録を残しています。プレミアリーグがさまざまなスタッツを取るようになった2003-04シーズン以降、初めての「怪挙」を成し遂げたのはカイ・ハヴェルツで、フル出場でパス成功数ゼロ!彼の最大のハイライトは、キックオフ直後のロドリとの激突だったようです。
とはいえ、前線で奮闘した長身のレフティのプレイを辿ると、大いに称賛すべきという気持ちになります。後半のアーセナルの平均ポジションで、唯一敵陣にマッピングされているのですから。誰も体験したことがない絶望的な劣勢のなかで、何とかボールを前に運んで状況を変えたいという思いは、1ポイントという形で結実したといえるでしょう。
指揮官の舌戦がヒートアップしていたジョゼ・モウリーニョの時代なら、「ゴール前にバスを停めた」と非難されていたでしょう。しかし記者と評論家のなかには、「アーセナルは凄かった」と見る向きも多いようです。ドクとサヴィーニョは2人がかりで止めるのに、ルベン・ディアスにはミドルを許す戦略的な守り方とその徹底度が評価のポイントとなっています。
これに対して、彼らと対峙した選手はやはりストレスを溜めています。「TNTスポーツ」のインタビューに応じたベルナルド・シウヴァは、「フットボールをプレイしにきたチームはひとつだけだった。残念ながら、もうひとつはレフェリーに許される限界までプレイしたかったようだ」とコメント。ピッチに座り込んだ6人や、ラヤのスローなプレイを時間稼ぎと非難しています。
「BBC」の「マッチ・オブ・ザ・デー」では、ジョン・ストーンズがアーセナルの戦い方について語っています。「彼らがダークアートを極めたとはいわない。でも、ここ数年はずっとやられているので、想定していた。クレバーかダーティかは、好きに呼べばいい。彼らはゲームのリズムを壊す」。同点ゴールがなければ、その表現はもっと厳しくなっていたかもしれません。
前半の展開を見る限り、トロサールが残っていたとしても、戦術のベクトルは変わらなかったのではないかと思います。美しくはなかった。でも、あれしかなかった。よくやった。しかし足りなかった。この結末を「勝利を逃した」ではなく「貴重な1ポイントを確保した」とするためには、2月のエミレーツで勝たなければならないでしょう。クレバーでも、ダーティーでも。
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