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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

プレミアリーグ制覇を狙うアーセナルは進化したのか?昨季と現在のスタッツ&スカッドを徹底比較!

2年連続でプレミアリーグを2位で終えているアーセナルは、勝負の年を迎えています。2024-25シーズンは、ペップ率いるマン・シティを倒してトロフィーを獲得できる最後のチャンスになるかもしれません。115件に及ぶプレミアリーグの財務規則違反を問われ、公聴会で無実を証明しようとしているクラブは、敗訴となれば重いペナルティは避けられないと見做されています。

さらに先日、チキ・ベギリスタインFDの今季限りの退任が発表されました。絶対的支柱のロドリはシーズンアウト。デブライネやカイル・ウォーカーは、次のキャリアを考える時期に差し掛かっています。クリアしなければならない課題が急激に増えたペップも、ピリオドを打つタイミングを模索しているはずです。その決断が、今季で終わりだったとしても驚きはありません。

アーセナルにとって、ライバルの混乱はポジティブな材料ですが、念願のビッグタイトルは自らの進化が大前提です。カラフィオーリ、ミケル・メリノ、スターリング、ネトを獲得した夏のトランスファーマーケットは高評価ですが、噂になっていたストライカーは見送り、スミス・ロウ、エンケティア、ファビオ・ヴィエイラ、ラムズデールらがチームを離れています。

今季のチームは、強くなっているのでしょうか。10月のインターナショナルブレイクまでの戦績を、昨シーズンと比べてみましょう。プレミアリーグの5勝2分と、カラバオカップ3回戦クリアはイーブン。PSVに勝った後、ランスにアウェイで敗れたチャンピオンズリーグは、アタランタにドロー、パリに2-0快勝で前年を上回っています。

公式戦のゴールと失点を見ると、2023-24シーズンは21ゴール8失点。今季は22ゴール7失点とわずかながら改善しています。プレミアリーグをピックアップしてみると、2年連続で15ゴール6失点。外から数字を見る限りでは、「攻守ともに安定的なパフォーマンスを発揮している」といえるでしょう。

しかし、チームの状況は大きく異なります。主力が全員健在だった昨シーズンは、スミス・ロウの停滞とファビオ・ヴィエイラ&ジェズスの出遅れ、カイ・ハヴェルツのフィット感しか気がかりはなし。プレミアリーグ開幕戦のテインバーの重傷は痛かったものの、ジンチェンコ、冨安健洋、キヴィオルが元気だったので、大きな問題にはなりませんでした。

対して今季は、負傷者が続出しています。ミケル・メリノと冨安健洋は10月まで合流できず、9月のネーションズリーグでウーデゴーアが負傷リタイア。ふくらはぎを痛めたジンチェンコは2ヵ月の離脱となり、膝をケガしたベン・ホワイトは4試合を失っています。ラヤとネトが出場できなかったカラバオカップのボルトン戦のGKは、16歳のジャック・ポーター。背番号は92です。

チームの状態だけでなく、対戦相手も今季のほうがハードでした。昨季の立ち上がりに組まれていたビッグ6とのゲームは、絶不調のマンチェスター・ユナイテッドとポステコグルーが来たばかりのトッテナムで、いずれもエミレーツ。2024-25シーズンはアストン・ヴィラ、ノースロンドンダービー、マンチェスター・シティがすべてアウェイで、2勝1分は素晴らしいのひとことです。

難敵との対戦が続いただけでなく、ブライトン戦ではデクラン・ライスがイエロー2枚、マン・シティ戦もトロサールにレッドカードが突き付けられています。昨季は58.4%だったポゼッションが50%に満たないのは、守備的な布陣を強いられたゲームが多かったからです。ポイントと得失点が同じでも、1年前より高いハードルを越えたといえるでしょう。

現在のスカッドを見ると、サブの選手の質は間違いなく高まっています。前線はジェズス、スターリング、トロサール、マルティネッリがポジションを争い、ミケル・メリノが加わった中盤はトーマス、ジョルジーニョと成長感があるヌワネリがいます。最終ラインはジンチェンコ、ティンバー、冨安健洋、カラフィオーリと複数のポジションで起用できるタレントが揃っています。

イングランド代表のギリシャ戦で負傷したサカはリスクを避けただけで、ドイツ代表を辞退したカイ・ハヴェルツはリヴァプール戦には間に合うようです。ウーデゴーアは11月にずれ込みそうですが、ベン・ホワイト、ジンチェンコ、ティンバーは早期に復帰と伝えられています。前年は、ここから年末までで7勝2分4敗。今のガナーズなら、クリアできる戦績でしょう。

2024-25モデルのアーセナルが真価を発揮する時が近づいています。私の最注目ポイントは、デクラン・ライスの覚醒です。昨季プレミアリーグで38試合7ゴール8アシスト、しかし今季は6試合でゴールもアシストもゼロ。守備のタスクが多い試合が続いたため、自らの攻撃力を眠らせていたセントラルMFは、イングランド代表でゴールを重ねて鬱憤を晴らしていました。

ミケル・メリノがアルテタ戦術にフィットすれば、ポジションをスイッチしながらゴール前に飛び出す機会が増えるのではないかとにらんでいます。アイルランド戦とフィンランド戦で見せてくれた攻め上がりからのゴールを、プレミアリーグでも解禁していただければと期待しています。ボーンマス戦の後、リヴァプール、ニューカッスル、チェルシー。今から楽しみです!


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