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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

トリガーはカラフィオーリ。現地記者がレポートする「エドゥ・ガスパール退団の舞台裏」

ミラノに旅立つ直前のトレーニンググラウンドで、選手とスタッフはエドゥ・ガスパールとの別れを惜しんでいました。インヴィンシブルズの一員として、クラブに数々の栄誉をもたらしたレジェンドが戻ってきたのは2019年7月10日。当初の肩書はテクニカルディレクターで、ファーストチームとスカウト部門をマネジメントすると伝えられていました。

クラブ初のスポーツディレクターに就任し、ウイメンズとアカデミー全般を統括することになったのは2022年11月。アルテタ監督が率いるチームは、彼が獲得に漕ぎ着けたジェズス、ウーデゴーア、ジンチェンコらを擁してプレミアリーグの首位に立っていました。それから2年が過ぎ、未だビッグタイトルを手にしていないチームは、彼とともに進化していくはずでした。

3度めのチャレンジの最中に、突如舞い込んだ無念の知らせ。エドゥ退団の舞台裏をレポートした「アスレティック」のジェームズ・マクニコラス記者とデイヴィッド・オーンスタイン記者は、「アーセナルの経営幹部にとって、彼の決断は驚きではなかった」と伝えています。去就を巡る話し合いは、数週間前から続いていたそうです。

よりインターナショナルな視野をもって活躍できる場を求めていたエドゥにとって、エヴァンゲロス・マリナキスのオファーは魅力的だったようです。ノッティンガム・フォレスト、オリンピアコス・ピレウス、ポルトガルのリオ・アヴェを運営するグループで、それそれの強化やクラブの拡大に携わる…アーセナルでは手に入らない仕事です。

「アスレティック」のレポートによると、ギリシャの海運王とガナーズのSDの距離が縮まったのは、2023年でした。マット・ターナーとヌーノ・タヴァレスを引き入れたノッティンガム・フォレストのオーナーはエドゥを気に入り、オリンピアコスのヨーロッパカンファレンスリーグ制覇の祝賀会や、自らのバースデーパーティーに招いています。

アーセナルにおけるエドゥSDの最大の不満は、厳正な審査や複雑な手続きがハードルとなってスピーディーな補強ができないことだったようです。5月末からアプローチしていたリカルド・カラフィオーリは、現有戦力の売却で収支のバランスを取るべきと主張する経営ボードの承認が得られず、ようやくOKが出たのはレアル・マドリードが動き出したという情報が流れてからでした。

入団発表は7月29日。その翌日は、エヴァンゲロス・マリナキスの57回めのバースデーです。

経営ボードに加えて、現場のコーチングスタッフが補強に関与し始めたことも、SDのストレスを高めたといわれています。最後の事件が起こったのはデッドラインデーの直前、エスパニョールのGKジョアン・ガルシアの獲得を巡る交渉の最中でした。 複雑な状況に苛立ったエドゥは話をストップし、ボーンマスのネトのレンタルに舵を切ったそうです。

今のところ、エドゥとマリナキスは正式な契約を結んでいません。半年のガーデニング休暇を経て、正式に役割とサラリーが決まるといわれています。よき親友であり、最高のパートナーだったSDを失ったアルテタ監督は、「以前から話は聞いており、覚悟はしていたが、残留の可能性ありから急転直下の決定に驚かされた」という状況だったようです。

「すべてがあっという間だった。一緒に仕事ができて、うれしかった。ともに歩んだこの素晴らしい旅を大いに楽しんだ」と振り返った指揮官は、プロの決断としてリスペクトするべきといっています。数週間の話し合いのなかで最後まで手を尽くし、お互いに納得したうえで送り出すと決めたジョシュ・クロエンケとリチャード・ガーリックにも、感謝しているのでしょう。

「オーナーから始まるヴィジョンは、非常に明確で野心的だ。それは継続されるだろう。われわれには、強力なリーダーシップを持つチームがある。信じられないほどのノウハウと、フットボールクラブへの真の情熱、大きな思いがある。クラブ全体に広がる興奮、情熱、この旅をどこへ導きたいのかという共通認識はそのまま残っている」

「それは、他の誰かが来て、自らの役割を果たす機会があるということを意味している。われわれは前に進む。今までのことに感謝の意を表して、前進しなければならない。なぜなら、これがわれわれの業界の現実だからだ」


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