2025.03.07 アーセナルの話題
エンケティアは納得の売却、ミカ・ビエレスは痛恨…アーセナルが手離したストライカーたちの現状。

カイ・ハヴェルツとガブリエウ・ジェズスが元気なら、「テレグラフ」が今さら過去の話を引っ張り出すことはなかったでしょう。ブカヨ・サカの負傷が合図だったかのように、たった1ヵ月で2人のストライカーとマルティネッリを失ったチームは、直近のプレミアリーグ3試合で2ゴールという不振にあえいでいます。
サム・ディーン記者のレポートの見出しは、「アーセナルの悔やまれる現実:チームを去った3人のストライカーが欧州で活躍」。あわてて売らなければ今頃は…というニュアンスですが、退団したときの彼らの評価も、その後のパフォーマンスも三者三様です。ガナーズの経営ボードは、エンケティアを売ったことを後悔していないでしょう。
ヨーロッパリーグのボリゾフ戦で、プロデビューを果たしたのは2017年9月。プレミアリーグの初ゴールは、2018-19シーズンの最終節のバーンリー戦でした。リーズで経験を積んだ後、2020年からファーストチームに定着。22歳だった2021-22シーズンには、公式戦28試合10ゴール1アシストという数字を残しています。
そこからの彼は、ジェズスやカイ・ハヴェルツに出番を奪われ、伸び悩んでしまいました。2022-23シーズンはジェズスの負傷で年末にレギュラーとなり、11戦6発と結果を出したものの、足首を痛めて休んでいる間に復帰したジェズスが10戦6発。2023-24シーズンは、2月以降のプレミアリーグ16試合で86分しか起用されず、コンスタントに活躍したシーズンは未だありません。
ギョケレスやイサク、シェシュコの獲得で前線を強化しようとしていたクラブは、売り値が全額利益となるアカデミー出身のストライカーを、妥当なタイミングで手離したといえるでしょう。クリスタル・パレスでレギュラーの座を手に入れるかと思われたエンケティアは、11節以降はサブにまわり、プレミアリーグ19試合1ゴールという不本意な数字しか残せていません。
チド・オビ=マルティンは、昨シーズンのU-18プレミアリーグで18試合32ゴール。何としても引き留めたかった17歳の逸材は、急激に強くなったファーストチームに居場所を見出せないと判断したようです。イーサン・ヌワネリとルイス=スケリーがもう1年早く、今のパフォ-マンスを見せていたら、ノースロンドンでプロデビューという道を選んだのでしょうか。
マンチェスター・ユナイテッドからの好条件オファーも、アーセナルに別れを告げる理由のひとつといわれています。新たなシャツを纏った17歳は、U-18プレミアリーグ、UEFAユースリーグ、FAユースカップで10試合12ゴール。2月にファーストチームに抜擢され、73分の出場機会を得ていますが、ストライカーが全滅した古巣なら既に初ゴールを決めていたかもしれません。
エンケティアは納得、チド・オビ=マルティンはやむなし。しかしミカ・ビエレスの売却は痛恨でしょう。18歳だった2021年にフラムを退団し、アーセナルでプロデビューという流れは、チド・オビ=マルティンと逆のコース。2022年からの2シーズンは、ワールワイク、マザーウェル、シュトルム・グラーツにローン移籍となっており、プレミアリーグの出場はゼロです。
2023-24シーズンはマザーウェルで15試合6ゴール、シュトルム・グラーツで22試合9ゴール。アルテタ監督の構想外だったとしても、オーストリアのクラブにとっては移籍金のレコードだったとしても、ブレイクの兆しがあったストライカーを400万ポンドはお買い得です。アーセナルが付けるべきオプションは、セルオンではなく買い戻しだったというのは結果論でしょうか。
2024-25シーズンの前半戦は、オーストリア・ブンデスリーガで16試合11ゴール5アシスト。チャンピオンズリーグでは、ジローナ戦とリール戦でゴールを決めています。素晴らしいパフォーマンスにいち早く目を付けたのは、前線の強化を目論んでいたモナコで、冬のマーケットで支払った移籍金は1080万ポンドでした。
このディールによって200万ポンドを手に入れたアーセナルは、リーグアンのクラブに直接売るなら、もっと高値を付けていたのに…と思ったかどうか。モナコの補強は大成功で、ビエレスは既にハットトリックを3回達成しており、リーグアン7戦10発は2025年の欧州の得点王です。2年前にモナコに売却したフォラリン・バログンは、アドオン込みで3500万ポンド…!
アマド・ディアロのブレイクに熱狂したマンチェスター・ユナイテッドサポーターとしては、「ときどき22歳で大化けする選手がいるので、お互い気をつけたいですね」といいたくなります。今、気になるのは22歳のストライカー、ネイサン・バトラー=オイェデジです。1-7で圧勝のPSV戦は、スターリング投入ではなく若手に経験を積ませたほうがよかったのでは…?
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