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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

大量の負傷者とレッドカード、若手の成長、欧州王者を撃破…アーセナルの2024-25シーズンを総括!

アーセナルの最終節は、サウサンプトンの本拠地セント・メアリーズ。ヌワネリの縦パスで右サイドを突破したベン・ホワイトが、ニアに入ったティアニーに合わせて先制すると、セットピースからのスチュワートのヘッドで追いつかれますが、89分にウーデゴーアが強烈なミドルを右隅に叩き込んで勝負を決めました。3年連続の2位フィニッシュ。想像以上に厳しいシーズンでした。

18勝14分4敗で74ポイント。優勝したリヴァプールとの差は10ポイントで、マンチェスター・シティと最後まで争った昨シーズンより15ポイントもダウンしています。ゴールは91から69に激減し、失点は29から34に増えています。カラフィオーリ、ミケル・メリノ、スターリングを加え、タイトルをめざしたシーズンは、負傷者とレフェリングに泣かされ続けた1年となりました。

アーセナルはなぜ、勝てなかったのか?ジャーナリストやグーナーに問えば、瞬く間にいくつかの理由が挙がってきそうです。序盤の快走を阻んだデクラン・ライス、トロサール、サリバのレッドカード。ウーデゴーアのリタイアとサカの長期離脱、ジェズスとカイ・ハヴェルツの負傷によるストライカーの不在、セットピースの王者ビッグ・ガブのシーズンアウト…。

ウーデゴーア不在のボーンマス、リヴァプール、ニューカッスルの連戦で8ポイントを落とし、カイ・ハヴェルツがリタイアした後のウェストハム、ノッティンガム・フォレスト、マンチェスター・ユナイテッドで7ポイントを失っています。ガブリエウ抜きの最終盤は、3勝4分1敗。3試合以上連続で勝利がない時期が3回もあれば、トロフィーは望むべくもありません。

進化を志向したアーセナルは、停滞してしまったのか?カオスのシーズンを冷静に振り返ってみると、未来につながる収穫も多かったといえるでしょう。最大のハイライトは、ティーンエイジャーの急成長です。イーサン・ヌワネリは公式戦37試合9ゴール2アシスト。ルイス=スケリーはCLのノックアウトフェーズで全試合出場と、左サイドになくてはならない存在となりました。

レアル・マドリードを圧倒してダブルを決めたチャンピオンズリーグの4強進出も、進化の証といえます。ノースロンドンの3-0は、マン・シティ戦の5-1と並んで今季のベストマッチ。デクラン・ライスのFK2発は、合わせ技でゴール・オブ・ザ・シーズンでしょう。8番に定着したイングランド代表MFは、3月以降は16戦6発3アシストとペースを上げ、来季に期待をつないでいます。

中盤といえば、トーマスの復活にも触れないわけにはいきません。自在なパスワークで攻撃の起点となったアンカーは、ここぞというシーンで4ゴールを決めています。左のインサイドとして獲得したミケル・メリノは、9番をまかされた11試合で6ゴール3アシスト。最前線で高さを活かす布陣は、新たなシーズンでもオプションとして機能しそうです。

指揮官の最大の課題は、選手のユーティリティを活かしきれなかったことでしょう。CBとSBをこなせる選手が6人もいるのに、サリバとガブリエウが揃わないと不安が拭えず、自在性があるはずのMFも役割固定のゲームが多かったように思います。誰が出てもクオリティが落ちないスカッドを構築できれば、チーム内の競争が活発になり、ドローを減らせるのではないでしょうか。

シーズンの最後を飾ったウーデゴーアの強烈なミドルは、思うようにゴールを生み出せなかった鬱憤を晴らす一撃のように見えました。秋の負傷の影響が残っていたのか、守備を気にしすぎたのか。打てるエリアに入るシーンが減ったプレーメイカーにとって、来季の巻き返しにつながる一撃であればと願っています。

最後にもうひとつだけ、今季の収穫を挙げたいと思います。キーラン・ティアニーが、アルテタの戦術でも充分貢献できると証明したこと。セインツ戦の先制ゴールを見て、今からでも引き留められるなら…と強く心を動かされました。あらためて2024-25シーズンのアーセナルを総括してみると、苦しみながらも収穫を得たシーズンといえそうです。前線が強化される来季は、ぜひ!


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