メディアは何を語ったのか?クリスタル・パレスVSアーセナルの終戦直後の記事を徹底チェック!
「Arsene Wenger: ‘It would be inconvenient to speak about me’ after loss at Palace(アーセン・ヴェンゲル「クリスタル・パレス戦を失った後に私のことを語るのは不都合だろう」:ESPN)」
「Arsene Wenger says future ‘not affecting Arsenal players’ despite loss at Palace(アーセン・ヴェンゲル「クリスタル・パレスに敗れたにも関わらず、自分の未来は選手たちには影響を与えていないと語る」:BBC)」
「Furious Arsenal fans abuse Arsene Wenger and his players outside Selhurst Park after loss to Crystal Palace(クリスタル・パレスに敗れた後、激怒したアーセナルファンはアーセン・ヴェンゲルと選手たちをセルハースト・パークの外で罵った:デイリー・ミラー)」
プレミアリーグ32節、セルハースト・パーク、クリスタル・パレス3-0アーセナル。今朝のショッキングな敗戦と、アーセナルの未来について海外メディアがどう論じているのかが気になって、チェックしてみました。「チャンピオンズリーグ出場権を獲得するのは非常に難しくなった」「1100以上の試合で指揮を執ってきたが、このような敗戦には慣れていない。失望している」というヴェンゲル監督の談話を報じたのは「ESPN」と「デイリー・ミラー」。アーセナルの指揮官は、プレミアリーグ4位のマンチェスター・シティに勝ち点7差をつけられた現状を悲観するとともに「私の将来について話す気分ではない。今は不都合だろう」とコメント。自らの去就については、今は話すべきではないとしています。
さらに「デイリー・ミラー」は、ガナーズの不甲斐ない戦い方にサポーターが激怒したとも伝えています。“We want Wenger out””You’re not fit to wear the shirt” と監督退任を促すチャントが終盤のアウェイスタンドを支配。一部の過激なサポーターがスタジアムの外で指揮官と選手を待ち構えていたため、「アウェイのドレッシングルームからチームのバスまで直通のルートを通さなければならなくなった」。ジェイミー・キャラガーのコメントを紹介した「メトロ」の見出しは扇情的ですが、グーナーについて語る彼の言葉は冷静です。
「みんないつもアーセン・ヴェンゲルについて話している。サポーターが分裂しているとは思わない。彼らの多くが変化を望んでいるのではないかな。選手たちも変わりたいと思っているようにみえる」(ジェイミー・キャラガー)
多くの評論家や記者が、アーセナルはこの敗戦によってプレミアリーグ4位キープが厳しくなり、変化を求める(あるいはそう考えざるをえない)サポーターが増えたと捉えているようです。「アンドロス・タウンゼントとクリスタル・パレスがアーセナルのTOP4の希望を粉砕した(ガーディアン)」「タウンゼント、キャバイェ、ミリボイェヴィッチのゴールは、アーセナルに4位からの撤退をもたらした。ヴェンゲル統治の21年で初めてのことだ(BBC)」。普段はタブロイド紙のようにむやみに煽らない高級紙や「BBC」も、ガナーズの行く末について明快にいい切っています。
私がいちばん興味深かったのは、「BBC」が伝えたサム・アラダイスのコメントです。ボールポゼッションは28%ながら、シュート数では17対11とガナーズを凌駕したプレミアリーグ17位チームの指揮官は、「タウンゼントとザハに最終ラインの裏のスペースを狙わせた」と明言。ベジェリンとモンレアルがウイングのようにプレイするため、その背後を突いたザハとタウンゼントがベンテケと一緒に中に斬り込めば、ムスタフィとガブリエウを危機に陥れることができるとのこと。戦術徹底度が高かったアラダイスと、綻びを明確に修正しなかったヴェンゲルの対決は、プレミアリーグ残留をめざす老獪な指揮官の目論み通りとなったわけです。
…厳しい敗戦の直後に、ヴェンゲル退任論についての是非を語るのはやめておきましょう。今、いえるポジティブなことは、彼らのプレミアリーグは8試合残っており、まだ何も結果は出ていないということです。ただし、私はこうも思います。優勝監督が2年連続で期中に不振の責任を取らされているなかで、直近のプレミアリーグ8戦で2勝1分5敗と崩れた監督が解任されても何の不思議もない。昨季プレミアリーグで最後まで4位を争い敗れたファン・ハール監督が、FAカップを制覇してもクラブに残れなかったことを思えば、4位を外した監督が退任を迫られても何の不思議もない、と。最後に、「BBC」が掲載したクリス・サットンのコメントを紹介しましょう。
「その昔、アーセン・ヴェンゲルはインヴィンシブルズを指揮していたが、彼は今もインヴィンシブルズを指揮している。彼は去るべきだ。選手たちは聞く耳を持っていないだろう」「アーセナルの最大の問題は、ヴェンゲルの将来について決めるのは彼自身だということ。それはオーナーがするべきだ」
ヴェンゲルさんを応援し続けてきた者としては胸が痛む言葉ですが、その時が確実に近づいていることを認めなければならないのでしょう。「元祖SAS」の辛辣な意見を目にして、あらためて思いました。アーセナルにとって重要なのは、ヴェンゲル監督が辞めるべきかどうかよりも、「いつ、誰に後を託すのか」であり、今季プレミアリーグにおいて彼らが絶対に犯してはならない失敗は「ヴェンゲル退任とした際に、理想の後任を呼べないこと」だ、と。
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スポナビのブログに現地の退任派のファンの意見が載っていましたが、個人的に考えているよりはるかに厳しい意見でした。
早くやめてくれ、これ以上ベンゲルを嫌いになりたくないんだ、と。
ttp://www.plus-blog.sportsnavi.com/realcr9/article/619
参考までにどうぞ。
長年アーセナルの後塵を拝し続け、お隣から「憎き相手」と闘志、ライバル心を燃やし続けて来ましたが、仮にヴェンゲル監督が今シーズン限りで去るならば、これは余りにも淋しい幕切れで、悲しい限りです。
クラブは水面下で後任探しに奔走しているのでしょうか?
そんな情報よりも、ヴェンゲル監督が更に2年契約を結ぶなどと言った報道が目立ちますが、ユナイテッドの混乱を見た限り、後任をしっかり定め、しかるべきタイミングで発表せねばチームはカオスに陥ります。
今季限りで追われるように去るのか、それとも後任を探す間、死に体政権として残留するのか
いずれにせよ、私からはポジティヴな将来が見えないです
更新おつかれさまです。
ヴェンゲルを解任して欲しいというのと、ヴェンゲルをリスペクト出来ないというのはイコールではないと他サポながら私は思います。長期政権というのはスパーズサポの私も憧れますし、ポチェにはそうなって欲しいと思ってます。だからこそポチェの事はリスペクトしてますし、その気持ちがなくなりたくたないと思っています。その点でいうとファーガソンは絶妙なタイミングで辞められたと思いますね。
以前もコメントさせて頂きましたが、自分もヴェンゲル支持派ではありますが
出来るだけ円満な形で次の世代に交代してほしいという希望を持っています。
ですが、いまヴェンゲルに関わる話題はどれも悲観的すぎたり脅迫的だったりと
ヒステリックに騒ぎ立てる人たちばかり目立ってうんざりという心境です。
ただ、私はヴェンゲルの哲学で出来たこの特異なクラブの存在そのものが好きなので
他のクラブと同じような理念を持ち込むサポと元々相容れないのでしょうね…。
ハーヴィルさん>
バイエルン戦以降、持ち直していればまた違ったのかもしれませんが、なかなか上がらないので声が厳しくなってますね。4位キープできるかどうかが見えるまでは、続けるにしても次に譲るにしても発表はなさそうです。
ホタさん>
賛成です。次を誰にするかが大事ですよね。動いているのではないかと思います。
にわかスパーズファンさん>
サー・アレックス・ファーガソンが辞め方まで文句なしだったので、好きなヴェンゲルさんにもそうあってほしいという気持ちがあります。状況的には、難しくなってますが。
麦茶さん>
「私はヴェンゲルの哲学で出来たこの特異なクラブの存在そのものが好きなので 他のクラブと同じような理念を持ち込むサポと元々相容れないのでしょうね…。」
→おっしゃることに近い感覚が、私にもあります。マンチェスター・ユナイテッドファンとして、ファーガソン時代の勝利至上主義・チームプレー主義の考え方と輝かしい実績に満足しつつも、アーセナルの自由な雰囲気や美しく攻撃的なサッカーをうらやむ気持ちがありました。サポーターの方の前では申し上げにくいのですが、「大事なことは優勝だけではないのでは?」「他クラブは優勝できなくて解任される監督がいますが、アーセナルはもっと大事なものがあると言い切り、リーグの常識や相場観から外れていてもいいのでは?」と思ったりしました。
それほど、うらやましかったのです。
先日、ヴィエラとロイ・キーンの映画を見た時も、あらためてそう思いました。アーセナルはアンリ、ベルカンプ、ロシツキ、セスク、エジルのチームであり、マンチェスター・ユナイテッドが手に入れられないものを持っているチームだな、と。