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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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交代から36秒、勝負を決めるベルナベウゴール!マルティネッリにサン・マメスの再現を期待!

チャンピオンズリーグ2025-26シーズンのリーグフェーズ第1節、サン・マメスのアスレティック・ビルバオVSアーセナルは、70分を過ぎても0-0。ここまでのシュート数は9対8で、どちらが勝ってもおかしくない展開です。ノックアウトラウンドへのストレートインをめざすチームは、アウェイといえどドローで終わるわけにはいきません。

65分にギョケレスをトロサール。何かを変えなければならないアルテタ監督は、2枚めのカードを用意していました。71分、エベレチ・エゼをガブリエウ・マルティネッリ。ピッチに入ったのは。10番の縦パスを受けたトロサールが、カットインでファールを取られた直後でした。左サイドはトロサールで、入ったばかりの11番は最前線にポジションを取っています。

GKシモンが自陣でFKを蹴った瞬間、ビルバオの最終ラインは全員敵陣に入っていました。ロングフィードのセカンドボールを奪って、サイドに展開しようと考えていたのでしょう。落下点に先着したのはモスケラ。クリアしたボールをデクラン・ライスが頭で前方に送ると、トロサールが右足のアウトでラインの裏に落としました。

出てくると確信していたマルティネッリの動き出しは早く、後手にまわったゴロサバルが必死に追っています。頭でタッチしたボールは、狙いより後ろに浮いてしまったのですが、右足のつま先でのリカバーが完璧で、SBは置いていかれました。右から詰めてきたパレデスは一歩及ばず、右足インサイドのフィニッシュがシモンの左脇を抜け、ネットに届きました。

本人が「ベルナベウゴール」と呼ぶ5ヵ月前の王者粉砕を思い出させる衝撃の36秒。ミケル・メリノの縦のフィードを受けて加速し、フラン・ガルシアをぶっちぎった決勝ゴールと同じ右足のラストタッチでした。駆け寄ってきた全員とハグをかわすシンプルなセレブレーションには、ベンチで過ごす悔しさをわかっていた仲間たちの愛情が込められていたように思えました。

勝負を決めた87分の追加点も、彼のスピードが決め手でした。縦に仕掛けてSBをかわし、ゴールラインに出ると、ニアに完璧なグラウンダー。トロサールのゴールにテンションが上がった「アスレティック」のエイミー・ローレンス記者は、「ゆっくりと葉巻に火をつけるかのようにボックス内でひと呼吸置くと、ニアポストを弾くシュートを叩き込んだ」と活写しています。

「ガビを心から称えたい。間違いなく、尊敬に値する選手だ。彼の振る舞い、コミットメント、積極性、チームのために進んで行動する姿勢。われわれはファミリーとして、彼のあらゆる資質を高く評価している」。アルテタ監督は、極上の表現でヒーローを激賞しました。攻守ともにさぼらないスピードスターは、チームのコンセプトを体現する唯一無二の存在といえるでしょう。

2022-23シーズンは、公式戦トータルで13のゴール&アシスト。交代選手の貢献度が低かったアーセナルは、2023-24シーズンは26に倍増させ、昨シーズンも25で終えています。選手層が分厚くなり、スーパーサブのトロサールが「どこでも三番手」となるかもしれない今季は、サン・マメスで4つ積み上げて5試合で5つのゴール&アシスト。これまでの数字を塗り替えそうな勢いです。

GKケパ、DFベン・ホワイト、モスケラ、インカピエ、ルイス=スケリー、MFノアゴーア、ヌワネリ、ミケル・メリノ、FWノニ・マドゥエケ、カイ・ハヴェルツ、マルティネッリ。ビッグ6とも互角に渡り合えそうなサブのメンバーのみのラインナップは、ウーデゴーアを欠くだけで蒼ざめていた半年前とは別世界に見えます。

マンチェスター・シティとの決戦は、どんなメンバーになるのでしょうか。モスケラVSサリバ、ルイス・スケリーVSカラフィオーリ、エゼVSマルティネッリ…。リードすると引いて構えるようになったペップのチームに対しては、マルティネッリが先発して、ゴールがほしい展開になったらエゼのほうがいいのではないでしょうか。早い時間のサン・マメスの再現を期待しつつ。


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