2025.10.21 アーセナルの話題
「セットピースだけではダメですか?」アーセナルの決勝ゴールは6本中5本がCK…!

オープンプレーからの失点は、レインダースとハーランドが仕掛けたカウンターのみ。ウェストハム戦とフラム戦は、オンターゲットを1本も許さずタイムアップを迎えています。8試合で3失点は、ジョゼ・モウリーニョのチェルシーが2004-05シーズンに記録した15失点のレコードを更新するペース。7本を枠に収めたマンチェスター・ユナイテッドは、胸を張っていいでしょう。
ビッグ6との直接対決で勝利がないのは気になりますが、アンフィールドのリヴァプール戦はシュート数9対11で上回っており、マンチェスター・シティ戦はペップ・グアルディオラにバスを停めさせています。残り20分から5バックでベタ引きされながら、マルティネッリのゴールで1-1のドローで終えた一戦は、「分けてなお強し」といえるのではないでしょうか。
直近の7試合でPK以外のゴールがゼロのサラーは、不振の理由が取り沙汰されていますが、7試合連続ノーゴールのギョケレスは、さほど話題になっていません。彼らの最大の違いは、プレミアリーグで3連敗と3連勝。アーセナルのストライカーが、前線のプレスや最終ラインとの駆け引きで機能しているのも、不安より期待の声が多い理由のひとつです。
前置きが長くなりました。本題に入りましょう。好調に見えるアーセナルにも、ネガティブな評価があります。リーグの15ゴールの内訳を見ると、セットピースで8ゴール。6勝のうち4勝はCKで先制しており、決勝ゴールは6本中5本がCKからとなっています。オープンプレーから5ゴールは10位。「セットピースに依存しすぎている」という記者もいます。
昨シーズンの開幕から、セットピースで先制したのは14試合で、アストン・ヴィラの9試合を引き離すぶっちぎりのTOP。「アスレティック」でアーセナルの特派員を務めるエイミー・ローレンス記者は、「効率がいいセットピースは大きなアドバンテージ」と評価していますが、クロスを決めたのはギョケレスのみという現状を懸念する向きが多数派のようです。
さまざまな意見に目を通しているうちに、モヤモヤ感が膨らんできました。オープンプレーは、セットピースより上なのか?ゴールに辿り着くルートとして、どちらも重要なのではないか?未来を占ううえで重要なポイントは、再現性・継続性・多様性でしょう。平たくいうと、「対策されやすいかどうか」です。
その昔、マンチェスター・ユナイテッドで「モイーズのクロス81本」が失笑とともに語られたのは、単調で読まれやすかったからでしょう。アーセナルのCKやFKが、すべてガブリエウの頭に向かっているのなら、心配したほうがよさそうです。しかし実際は、彼らのアプローチは多彩です。今季プレミアリーグの8発のフィニッシャーを並べてみましょう。
ティンバーとズビメンディが2発で、カラフィオーリ、ミケル・メリノ、ガブリエウ、トロサール。左右ともにニア、ファー、ショートを使い分けています。GKの飛び出しを封じる動きをダーティーとする声には、「キーパーチャージがなくなった世界では、合法かつ有効」と返すしかありません。ニコラ・ジョバーの緻密な戦術は対応しづらく、今後も武器となるはずです。
とはいえ、「オープンプレーからもっと決められれば、ラクな試合が増える」というのも妥当な指摘でしょう。サイドからの仕掛けやオンターゲットが減れば、CKやFKのチャンスもおのずと減ってしまいます。ギョケレスとエゼは、2人合わせて3ゴール2アシスト。イサクとヴィルツのノーゴール1アシストよりは上ですが、それでも「足りない」といいたくなります。
クリスタル・パレス、バーンリー、サンダーランドと続く今後のスケジュールは、直接対決でつぶし合うリヴァプールとマンチェスター・シティを引き離すチャンスです。堅守を強みとして勝ち続けてきたアーセナルは、得点力を高めることができるでしょうか。もちろん、「全部3-0、全部CK」でもいいのですが、しかし…。
私のなかにも、「オープンプレーから決めないと」という「常識」が潜んでいるのでしょうか。いや、もしかすると「セットピースばかり」という指摘は、「オープンプレーのほうが偉い」といっているのではなく、「鮮やかなゴールを見せてくれ」と要求しているだけなのかもしれません。結論は、「セットピースが多いアーセナルのゴールシーンは地味」でいかがでしょうか?
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優勝できるならなんでもいいですね笑