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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

オープンプレーから決められない…アーセナルの「プレミアリーグ硬直症候群」の治療法を考える。

マンチェスター・ユナイテッドに2-3で敗れ、プレミアリーグで3戦連続勝利なし。アーセナルの停滞を負傷者のせいにしたら、ペップとトーマス・フランクに笑われてしまいます。忌々しいリストに残っているのは、マックス・ダウマンとカラフィオーリのみ。水曜日のカイラト・アルマトイ戦は、先発を全員入れ替えても勝てそうです。

パトリック・ドルグとマテウス・クーニャのスーパーショットに屈した一戦で、「公式戦120試合連続で3失点以上はゼロ」「今季は逆転負けがゼロ「エミレーツで無敗」という3つのレコードが一気に飛んでしまいました。グーナーの後押しを受けて終盤に追いついた直後、今まで喰らったことがなかった3点めで撃沈という展開は、メンタルのダメージが大きいのではないでしょうか。

とはいえ、今後のこととして考えるなら、3つの失点はさほど気にしなくてよさそうです。ズビメンディのバックパスミスは事故のようなもので、2つのミドルシュートは「もう1回やってくれ」と頼まれても再現できない「ゴラッソガチャ」です。懸念すべきは、オウンゴールとセットピースで2ゴールの攻撃のほうでしょう。

思うように勝てなくなった今は、アーセナルの「プレミアリーグ硬直症候群」について、根本治療を考えるべきタイミングなのかもしれません。PKとセットピース、オウンゴールを除くと、今季プレミアリーグの23試合で22ゴール。トータル36発のマン・シティだけでなく、リヴァプール、マン・ユナイテッド、アストン・ヴィラ、ボーンマス、ブレントフォードに劣る数字です。

「ギョケレスが決めてくれない」という声には、「チームのトップスコアラーですが」と返したくなります。最多ゴールの選手がこれより少ないのは、最下位に沈むウルヴスのみ。ゴールとアシストを足しても、トロサールの5ゴール4アシストが最高で、中盤の底にいるブルーノ・ギマランイスの8ゴール3アシスト(PKは1本)を下回っています。

プレミアリーグの優勝チームで、チームの最多ゴール&アシストが最も少なかったのは、2020-21シーズンに6ゴール12アシストだったケヴィン・デブライネです。今季のアーセナルがトロフィーを獲得したら、ワーストレコードは塗り変わるでしょう。いや、今のペースでそのままいったら、ハーランドやオリー・ワトキンスがいるチームにかわされてしまいそうです。

アーセナルは打てる形を創れないのか? あらためてスタッツを調べてみると、1試合あたりのシュート14.9本は3位、オンターゲット4.9本も3位で、ビッグチャンスのトータル68回も3位。xG(ゴール期待値)は40.5で、マン・シティ、マン・ユナイテッド、チェルシーに僅差の4位です。これらを見ると、オープンプレーで1試合1ゴール以下とは思えません。

ビッグチャンスミス46回はマン・シティの48回に次ぐ2位ですが、オープンプレーからのゴールがブレントフォードやボーンマスより少ない理由は、これだけではないでしょう。プレミアリーグでは前線が停滞する展開が多いのですが、チャンピオンズリーグになると豹変します。トータル20ゴールは、36チームのTOP。5ゴールのマルティネッリは、ランキングの6位に入っています。

欧州における1試合あたりのシュート15.7本は9位ですが、オンターゲット7.4本は3位で、ビッグチャンス34回はバイエルンに3つ差の2位。着目すべきはビッグチャンスで、プレミアリーグ23試合の半分の数字をチャンピオンズリーグの7試合で叩き出しています。オープンプレーからの14ゴールは、パリの16ゴールとスペインの2強の15ゴールに迫る4位で、バイエルンより上です。

アーセナルは、国内と欧州で何が違うのか。改善の余地はどこにあるのか。ヒントになりそうなスタッツが、2つあります。ひとつはポゼッション。プレミアリーグの58.2%は3位ですが、CLは52.6%で全体の13位に留まっています。その一方で、カウンターからのゴールは2対3でCLのほうが多く、マルティネッリ、ギョケレス、ノニ・マドゥエケのトータル11ゴールも納得です。

もうひとつ、気になる数字はプレミアリーグのロングフィードの本数で、410本は何と最下位!インテル戦で、マルティネッリがギョケレスに通したようなボールが少ないということです。ならば、「アーセナルの攻撃は読みやすい」のかもしれません。ビルドアップでは縦のパスをケアして、ウイングに渡ったら2人で囲み、ゴール前に人数を揃えれば決定機創出を阻止できそうです。

ギョケレスやジェズスはプレスが忙しく、いざ攻めるとなると屈強なDFとMFがゴール前で壁を作っています。2022-23シーズンには15ゴール7アシストの天才的なプレーメイカーがいたのですが、今シーズンの右のインサイドは「後方から水を運ぶリンクマン」で、17試合1ゴール3アシストという凡庸な数字を刻んでいます。

ビルドアップからつなぐだけでなく、中盤を省略して前線を走らせるボールや、自陣に呼び込んで仕掛けるカウンターが増えれば、ガナーズ対策の難易度が上がって得点力が高まるでしょう。アーセナルよりオープンプレーから決めているブレントフォードとボーンマスは、カウンターからのゴールのTOP2です。アルテタ監督、ぜひご一考を。ギョケレスが喜びます。


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