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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

文句なし!プレミアリーグ9月月間MVPはヴェンゲル&ラムジーのダブル受賞!

プレミアリーグの9月月間MVPが発表され、最優秀監督賞に首位を走るアーセナルのアーセン・ヴァンゲル監督、選手賞に5試合で4ゴールを決めたアーロン・ラムジーが選ばれました。まずは、おふたりとアーセナル関係者の方々、そしてサポーターのみなさんを称えたいと思います。おめでとうございます!おつかれさまでした。素晴らしい1ヵ月でしたね。

9月のヴェンゲル監督のベストゲームとして、キャピタルワンカップ3回戦のWBA戦を挙げたいと思います。このゲームは、ケガ人続出でスタメンのやりくりもままならないなか、ヴェンゲル監督が腹をくくり、博打に勝った一戦です。スタメンが発表されたとき、サポーターやイギリスメディアは唖然としたのではないでしょうか。GKファビアンスキ、DFジェンキンソン、モンレアル、ヴェルマーレン、メルテザッカー。MFにはアルテタ、アイスフェルト、宮市、ニャブリ、ヘイデン。トップはベントナー。メルテザッカーを除いて、病み上がり、控え、若手のみのいさぎよすぎるメンバーです。しかも、相手がチャンピオンシップのチームならまだしも、プレミアリーグの曲者、WBA。会場は敵地、ザ・ホーソンズ。「今季こそタイトルを!」とプレッシャーをかけられている監督に、この博打はなかなか打てるものではありません。

ゲームは1-1のまま、延長に入りますが、交代で入った選手はベジェリン、オルソン、アクポム。ベンチにフラミニがいたにも関わらず、結局使わず、最後はPK戦で4回戦進出決定。ヴェンゲル監督は賭けに勝ちました。結果、何が起こったか?

プレミアリーグの大事な場面でも、ニャブリとベントナーを使えるメドが立ち、短時間なら宮市やアイスフェルトもいけるという手ごたえを得たでしょう。そして、ケガから復帰したばかりのアルテタやヴェルマーレンは、コンディションが上がったのではないでしょうか。出場機会が少ないモンレアル、ファビアンスキのガス抜きも大事です。何よりも大きかったのは「まずはプレミアリーグが重要」「このメンバーでカップ戦を勝てると信じている」といった、監督のプライオリティや方針、ならびに選手への信頼をメッセージできたことです。

「PK戦という、薄氷を踏む勝利だったじゃないか」という声もあるかもしれません。おっしゃるとおりです。私もそのときは「大丈夫か?」とハラハラでしたし、今も「危なかった」と思っています。しかしここが重要なところで、負けたら非難轟轟となるプレッシャーをはねのけ、彼らは勝ったのです。であれば、称賛されてしかるべき。少ないメンバーをやりくりし、プレミアリーグもカップ戦も勝ち続けながら、選手のコンディションも上向きに持っていく。これだけのことをできる優秀なマネージャーはなかなかいないでしょう。

他クラブに目を向けると、それなりに実力はあるのに、ゲームに出る機会が少ない選手が大勢います。マンチェスター・ユナイテッドの香川真司、ジョニー・エヴァンス、チチャリート、ファビオ。リヴァプールのジョー・アレン、シソコ。チェルシーではデブライネ、アスピリクエタ、ウィリアン、デンバ・バ。極端なメンバー固定をしたり、調子のいい選手を使わなかったりすると、必ずチームの選択肢は狭くなり、ケガ人が出た時に代わりの選手が機能せず、サッカーのレベルを下げることにつながります。

この観点では、今のところアーセナル、マンチェスター・シティ、リヴァプールはまずまず。チェルシーは何しろ人材豊富なので多少はやむなし。危険なのは、マンチェスター・ユナイテッドとトッテナムですね。調子が悪かったアシュリー・ヤングやナニにこだわって勝ち点を落とし、ファーディナンドとヴィディッチを使いすぎてエヴァンスやスモーリングらセカンドチョイスの可能性を狭くしたモイーズ監督のチームは、ここぞという試合でコンビネーションの悪さを露呈する可能性があります。トッテナムも然りで、ラメラはまともに使われておらず、ホルトビーは調子がよくても出場時間が短く、たまにしか起用されないサンドロにはミスが目立ち、直近はシャドリやカプエの出番がありません。マンチェスター・ユナイテッドは、相手関係が厳しかったというエクスキュースがあるかもしれませんが、強豪との戦いでの無理がたたり、ここにきて絶不調。トッテナムも、これから厳しくなるかもしれません。

おっと、話を広げ過ぎました。やっとラムジーの登場です。ショークロスのタックルで重傷を負ってからしばらく、彼は苦しい時期を過ごしましたが、ここにきて完全に開花しましたね。強いシュートを枠内に正確に打つ力は、エジル以上。ルーニーやヤヤ・トゥレらと並んで、プレミアリーグ屈指といっていいでしょう。後ろからの押し上げという得意技が効果的なセンターMFがベストポジションなのは間違いありませんが、ヤヤ・トゥレやジェラード、ラミレスのように、ゲームのなかでトップ下やサイドMFなどを自在にこなせるようになれれば、アーセナルサッカーのクオリティがもう一段、上がりそうですね。本当に素晴らしい活躍でした!引き続き、期待しています。

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