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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ニコラ・ペペやダニ・セバージョスのバックアッパー⁉ 復活するのか、メスト・エジル!

焦り、諦め、悔しさ、怒り。彼のことを想うと、さまざまな感情に襲われます。プレミアリーグで7シーズンめを迎えたメスト・エジル。1年前の夏は、ワールドカップロシア大会の開幕直前にトルコのエルドアン大統領と面会したことから、母国ドイツで強烈な批判に晒されました。ノースロンドンには信頼関係を築いていたアーセン・ヴェンゲルはおらず、モチベーションを高められないままでプレミアリーグに突入。彼らしいプレイを披露してくれたのは、自ら同点ゴールを決めた後、オーバメヤンの2発を演出した8節のレスター戦が最後でした。

エメリ監督は「戦術的な理由」でエジルを外し続けたことになっておりましたが、実際のところは夏のトラブルによる精神的なダメージが大きかったのではないでしょうか。11月末から2月までで、プレミアリーグ10試合を欠場したプレーメイカーは、ハーフライン付近でパスをまわすだけの消極的な姿が目立ちました。プレミアリーグ26試合5ゴール2アシストなどというスタッツは、彼のものとは思えません。2015-16シーズンに、ティエリ・アンリが持つレコードに1差に迫る19アシストを記録してから、9、8、2と年々アシストが減っています。望まぬ形でドイツ代表を引退し、30歳になったガナーズの司令塔にとって、2019-20シーズンはリベンジを果たす1年になるはずでした。

事件が起こったのは、7月25日。ロンドンにてナイフを持った暴漢に襲われたエジルは、一緒にいたコラシナツの奮闘によって難を逃れたものの、「安全上の理由」でプレミアリーグ開幕戦の欠場を余儀なくされます。バーンリー戦とリヴァプール戦でもスカッドに入らなかった10番が、ようやくユニフォーム姿を見せたのは、4節のノースロンドンダービーでした。2-2に追いついた後も攻め続けていた試合でしたが、エメリ監督はエジルを起用せず、カードを1枚余らせてタイムアップ。次節はプレミアリーグ最下位のワトフォードとのアウェイゲームですが、エジルに出番はまわってくるのでしょうか。勝負のシーズンに1度も出番を得られないまま、早くも4試合を消化してしまいました。

今のアーセナルを見ていると、「メスト・エジルが活かされるポジションはあるのか」という疑問が湧いてきます。右ウイングにニコラ・ペペが定着すれば前線は3枚。グエンドゥジがアンカーに入ると、インサイドMFはジャカ、ダニ・セバージョス、ルーカス・トレイラ、ウィロック、ネルソン、エジルで争われることになります。守備重視ならジャカとルーカス・トレイラ、攻守のバランスを取るならダニ・セバージョスが1番手でしょう。エジルを起用するなら、4-3-1-2、4-2-3-1、3-5-2が考えられますが、ニコラ・ペペ、オーバメヤン、ラカゼットのいずれかが外れる布陣は、あくまでもオプションのひとつという位置づけになるものと思われます。

プレミアリーグ166試合32ゴール52アシスト。レアル・マドリード時代には、クリスティアーノ・ロナウドのベストパートナーと持て囃された司令塔は、ダニ・セバージョスやニコラ・ペペのバックアッパーとしてキックオフをベンチで迎え続けるのでしょうか。最も力を発揮できるポジションが見当たらないエジルに、マンチェスター・ユナイテッドでジョーカーに徹するファン・マタの姿が重なります

トルコのメディアは、「ウナイ・エメリと和解していない」「トルコとMLSのクラブがエジルに興味あり」「ロンドンでのナイフアタックの後、チームを去りたがっている」と煽っています。そんなことはない。エジルはエメリの下でも輝ける。今季こそ、あの素晴らしいチャンスメイクでアーセナルのアタックをリードしてほしい…。「復活してほしいか」と聞かれれば迷わずイエスですが、「復活するのか」という問いには一瞬、フリーズしてしまいます。コンディションは万全と伝えられていますが、しばらくはベンチが目に入るたびにやきもきする日々が続きそうです。

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“ニコラ・ペペやダニ・セバージョスのバックアッパー⁉ 復活するのか、メスト・エジル!” への6件のフィードバック

  1. ガナーズぺろ より:

    エジルは好きですのでもちろん輝いてほしいけれど、ELで歩いて交代していたのを見るともうこのチームには居場所がないんだなと感じます。サンチェスと意思疎通して優勝できそうだった15年。あの頃のイメージであればサンティの代わりになるセバジョスがいるのでいい感じになりそうですが、監督はジャカが好きそうだし。。ELメンバーになっているような気がしますね。今のエジルは

  2. にし より:

    監督が変われば、戦術も役割も変わるから、メンバー選出も変わる。

    当たり前のことで、エジルはただ単に「ファーストチョイスでない」だけ。
    単純にそれだけなはずなのに、寂しさを感じてしまう…

    消える時間もあるのは周知の事実ですが、彼が輝いた時のサッカーの美しさ。
    レアルでも、ドイツでも、アーセナルでも…
    我々はそれに魅せられて、彼にそれを求めてしまう…

    でもでも、世の中に「ファンタジスタ不要論」と言う言葉があり、エメリがそれに当てはまるとは言いませんが、美しさだけでは勝てないのは、グーナーであれば尚更理解しているんですが…

    「勝利=美しいサッカー」
    正に理想論でしょう…

    誰が良い、悪いではなく、エメリもエジルも頑張ってもらって、これらを勝ち取って欲しい。と願うばかりです…

  3. エミリー より:

    正直もう、あまり使ってほしくないですね。
    あまりにもギャンブルすぎる起用になってしまう選手だと思います。
    ゲンドゥジ、セバージョス、ペペが放つ可能性の輝きを前に、エジルがそれ以上に輝くとは、到底思えないですし、何よりも、彼自身が再び輝こうとは思っていない感がプンプンしてます。
    何か、期待すると悲しくなるので、いないものとする、みたいな感情でいます。

  4. 4 より:

    エジルは復活して欲しいです。アーセナルは美しく勝って欲しい、お洒落に勝って欲しいと思うと今いる選手の中ではダントツの選手だから。使われたとこでアピールして欲しいと応援してます。かなりケテル3
    トップへのパス。ただ勝つのはアーセナル?

  5. 匿名 より:

    感情に襲われる、全くもってブログ主様と同じです。このまま終わって欲しくない、心から切に願います。プレイの不調がそのまま彼の生き方の揺れとリンクしているのが非常に苦しいところではありますが。
    プレイに関して言えば、インテリジェンスの点でゲンドゥジとセバージョスはエジルに及ばない気がしますよ。ぺぺはまた別で、エジルのパスを決めるスーパーな選手だと思います。ちょっと内気そうだし、セバージョスよりエジルのパスにフィットすると思いますが。まあ、このまま出してもらえなかったらアーセナルなんか去って、次のストーリーを紡げばいいです。

  6. スーパーホット より:

    古典的なファンタジスタが欧州第一線で輝ききれなかった歴史は過去にもいくつもありますからねぇ。
    エジルはその系譜としてはむしろかなり頑張ったほうでは。
    とはいえ、イウォビもムヒタリアンも放出されたいま、コンディション良好かつエメリと問題がないなら、さすがにジョーカー起用はあるでしょうからね。期待しましょう。

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