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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ジョゼ・モウリーニョがアーセナルを率いたら…⁉スパーズとガナーズを見ながら思うこと。

マンチェスター・ユナイテッドVSエヴァートンと同時刻開催だったウルヴスVSトッテナムを観ました。ジョゼ・モウリーニョ就任からのプレミアリーグ4試合は3勝1敗。立て直しの途上にあるスパーズにとって、曲者ウルヴスとのアウェイゲームはかなり厳しいハードルなのではないかと懸念していたのですが、予想通りの大苦戦でした。シュート数は19対9、ポゼッションは58%対42%と、ヌーノ・エスピーリト・サントのチームが多くの時間で主導権を握る展開。スパーズが勝てたのは、中央の守備が固く、少ないチャンスを活かすことができたからでしょう。

開始8分に2人をかわして右からニアを射抜いたルーカス・モウラのスーパーショットは、ポチェッティーノ体制の晩年にはなかったアグレッシブなプレイ選択でした。モウティーニョのチェックを受けていたあの状況で、中に斬り込んでホニー・カストロを抜こうとする選手は、ほとんどいないでしょう。ボールを預けている時間が長かったスパーズですが、スピーディーなアタックは脅威で、左サイドからドリブルで仕掛けるソン・フンミンはしばしば決定的なシュートシーンを創っていました。

アダマ・トラオレの強烈なシュートでイーブンとなり、90分を過ぎても1-1。勝負が決したのは、追加タイムのセットピースでした。途中出場のエリクセンが中央に入れたCKを、フェルトンゲンがヘッドでコントロール。ルイ・パトリシオが伸ばした右手は届かず、昨季プレミアリーグ4位のクラブが貴重な3ポイントをゲットしました。あらためて思ったのは、ジョゼ・モウリーニョはモチベーターとして優秀だということです。戦術の徹底、明確なミッション、個々のスペシャリティを求めるアプローチ。クロップやヴェンゲルが醸し出すポジティブな雰囲気は感じられず、選手から自由を奪うかのような負のイメージが強調されることが多いのですが、プライドを刺激して持てる力を引き出すマネジメントはやはり一流です。

セルジュ・オーリエが高いポジションを取り、フェルトンゲンが低く構える変則的なSBの役割と、エリック・ダイアーにバイタルエリアを埋めさせ、サイドから攻められた際にはCBをフォローさせる守り方はいかにもモウリーニョ。スパーズの選手たちは、シュートレンジでボールを持たれたときは、必ず足元に入ってコースを切るようになりました。マンチェスター・シティに惨敗したアーセナルの曖昧な守備に憤った後、6人で危険なエリアをカバーし続けるチームを見ると、ついついこんなことを考えてしまいます。ジョゼ・モウリーニョがアーセナルに招かれたら、どんなチームを創っていたのだろうか、と。

モウリーニョ監督が好む選手が多いのは、スパーズのほうだと思います。前線でボールを収められるストライカー、直線的なアタックを仕掛けられるドリブラー、CBの前で体を張れるアンカー。マンチェスター・ユナイテッドにはルカク、ラシュフォード、マティッチ、フェライニがおり、トッテナムではハリー・ケイン、ソン・フンミン、デル・アリ、ルーカス・モウラ、エリック・ダイアーが必須アイテムでしょう。オーバメヤンとラカゼットがいるガナーズなら、両サイドはニコラ・ペペとマルティネッリ、エジルが以前の出来を取り戻せるならトップ下か右サイドで使うかもしれません。

問題の中盤は…モウリーニョ監督が指揮を執ったチェルシーで、ダヴィド・ルイスは初年度のプレミアリーグを19試合出場に留まり、2年めの夏にパリに放出されています。彼をコンバートするのではなく、グエンドゥジとジャカにバイタルエリアのケアを徹底させ、ルーカス・トレイラにはアンデル・エレーラのようにチェイシングとつなぎ役を求めるのではないかでしょうか。そうなると、CBはムスタフィとパパスタソプーロス、あるいはホールディング!? 今のガナーズに、稀代の名将が求めるCBが不足しているのは明らかです。それでも、モウリーニョ監督は守備力を向上させることができるでしょう。スモーリングとフィル・ジョーンズがレギュラーだったチームを、マティッチのカバーリング能力を活用しながらプレミアリーグ28失点の2位に持っていったのですから。

次期監督としてミケル・アルテタの名前が挙がっていますが、ペップの薫陶を受けたクレバーなコーチとはいえ、中盤と最終ラインに組織的な課題を抱えたチームを立て直すには時間がかかるでしょう。中国で職を失ったばかりのフース・ヒディンクなどプレミアリーグで実績がある監督に半年を託し、補強ができる夏に若い指揮官を招聘といった立ち回りがリアルなのではないでしょうか。ホームで6試合連続勝利なしのチームは、試合を経るごとに迷いが増大しており、抜本的な改革か経験豊富な監督のマネジメントか、いずれかがなければ変わらないのではないかと思います。

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“ジョゼ・モウリーニョがアーセナルを率いたら…⁉スパーズとガナーズを見ながら思うこと。” への4件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    エメリの首を切ったのは信頼関係もズタズタだったようですし、致しかたなしと思えど、ユングベリがどうやら無策、憎きモウリーニョはともかくとしてアンチェロッティさえあっさりエバートンに決まりそうなところを見ると、首脳陣もパニック状態なのではと思えてしまいますね。

    新監督探しはもちろんとして、やはり冬の市場で戦力確保しておくべきでは。
    素人がただただ妄想させてもらえば、特にマンジュキッチ、エムレ・ジャンのようなファイトできるタイプは狙っておきたいところ。
    前の組み合わせはマンジュキッチ、オバメヤンかラカゼットのうち来季のことやモチベ含めてきちんとプレーできる方、右はぺぺかできるならマルティネッリ。
    中盤は予算的にもエジルを諦めるほうが現実的かと。グェンドゥジ、ジャン、アンカーでトレイラの三角形。
    CBは実績で言えば、ユムティティなんかはレンタル可かもですがサイズが小さいだけにプレミアでいきなりできるか未知数。やはりホールディングの復活に期待するしかないですかね。レノが鬼神と化しているので、CBも一方が安定してくれれば、他の部分でごまかしが効くはず。
    最低でもジルー、マティッチあたりは確保しておきたいかなと。

    今季は降格しなければ、なんて言ってるグーナーもちらほら見ますが、ベンゲル時代にも2-8やら0-6やらシティ戦以上の惨敗なんていくらでもあったし、6位ユナイテッドとは3ポイント、5位トッテナムと4ポイント、4位のチェルシーだって7ポイント差なんだから、冬に打つ一手次第では来季に希望が持てる順位で終わることはまだまだ可能だと思いますけどね。
    長文失礼しました。

  2. エミリー より:

    たしかにアルテタの監督デビューには、荷が重いと思いますね。
    ペップの懐刀だったとはいえ、正式な指揮官ではなかったわけだし。
    かなりハードルは高いです。
    しかし!来て欲しいのは、アルテタです(笑)
    次点で、ポチェティーノさんですかね。
    少し期待しちゃったウルヴスのサント監督にはフラれてしまいました。
    まあ、もはやアーセナルの指揮官って、魅力的には映らないでしょう、ひとくい箱状態ですよね。

    勝てば自信になるのか?自信がつけば勝てるのか?なんか、とてつもない負のサイクルに囚われていて、どんな指揮官が良いものか、見当がつきません。
    とにかく、バリバリの戦術家というよりは、モチベーター的な人の方が今は良いのかな?という気はしています。

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    モウリーニョさんはヒール役が似合うのです。
    そういう点では何かと嫌われがちな(?)トッテナムは最適なチョイスだと思いますし、その前に成績不振でライバルのチェルシーサポーターと喧嘩別れしてるという点もヒール役としては最高です。
    自身を解任したユナイテッド、チェルシー相手に勝利という形で怨念を晴らし、ヴェンゲルさんと色々対立していたアーセナルも撃破。クロップ率いるリヴァプールともモチベーター対決も制し、ラスボスはユナイテッド時代、そして自身の最大のライバルであるペップシティを倒してPLなんてストーリーは流石に夢を見すぎでしょうか!?

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    チェルシーのライバルはフルアムでしょ。
    スパーズのライバルはガナーズ。

    あと20年プレミア見てて思いますが、嫌われてる率が高いのはユナイテッド、リバプール、チェルシー。とくにアブラモビッチ以降はダントツでチェルシー。

    モウリーニョが喧嘩別れしてるのはユナイテッドサポであってチェルシーサポではないですし。
    いろいろめちゃくちゃ。

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