2022.05.05 チャンピオンズリーグ2021-22チャンピオンズリーグ
89分までオンターゲットゼロ…勝利を目前にしていたマン・シティ、突如崩れた悪夢の90秒!
いよいよ、決戦です。チャンピオンズリーグ準決勝セカンドレグ、サンチアゴ・ベルナベウのレアル・マドリードVSマンチェスター・シティ。初戦を4-3で制したプレミアリーグ王者は、ドローなら2年連続のファイナル進出が決まります。
ダヴィド・アラバをナチョに代えて臨むアンチェロッティ監督は、中盤にカゼミーロを置けるようになりました。対するペップはベストメンバー。GKエデルソン、DFカイル・ウォーカー、ルベン・ディアス、ラポルテ、ジョアン・カンセロ。MFロドリ、ベルナルド・シウヴァ、デブライネ、FWマフレズ、ガブリエウ・ジェズス、フォーデンという布陣です。
開始4分、カルバハルのクロスに反応したベンゼマのヘッドは、クロスバーの上。10分のマフレズのFKは、クルトワの正面です。マン・シティの最終ラインは、ベンゼマとヴィニシウスに落ち着いて対応できています。18分、ラポルテのクリアを拾ったヴィニシウスの左足ボレーは、うまくミートせず浮いてしまいました。
マン・シティが決定機をつかんだのは20分。デブライネがボックス右に落とした絶妙なラストパスで、フリーになったベルナルド・シウヴァが右足でフィニッシュ。ニアを襲ったボールは、クルトワが素晴らしい反応でCKに逃れました。27分にトニ・クロースが右足で巻いたFKは、壁に当たって左に流れていきました。
36分に裏に抜け出しかけたヴィニシウスは、カイル・ウォーカーが体をぶつけて止めました。直後、エデルソンのロングキックが前線に届き、ボックス手前にこぼれたボールをフォーデンがシュート。左に飛んだボールは、クルトワが外に弾き出しました。
マン・シティが得た最後の2本のCKは、いずれも味方に合わず。0-0という折り返しに納得しているのは、ペップのほうでしょう。しかし後半のキックオフから、右サイドをスプリントしたカルバハルに素晴らしいロングフィードが通ります。グラウンダーがファーに出ると、ヴィニシウスはフリー。枠に収めるだけでよかったフィニッシュは、ニアポストの外に逸れるミスキックでした。
ピンチをしのいだマンチェスター・シティは、左サイドを執拗に攻めています。49分にボックス左から打ったジェズスのシュートは、クルトワがキャッチ。52分に左からヴィニシウスがドリブルで仕掛け、中央で空いていたモドリッチにグラウンダーが通りますが、遅くなったフィニッシュはルベン・ディアスがブロックしました。
カイル・ウォーカーのミスパスで始まったショートコーナーは、カゼミーロからラストパスをもらったヴィニシウスが打てず。60分のヴィニシウスの突破は、カイル・ウォーカーがしっかり着いて苦しいクロスを上げさせました。3週間ぶりの実戦だったベテランのライトバックは、足がしんどくなっているようです。
先に動いたのはアンチェロッティ監督。68分にトニ・クロースを下げ、好調のロドリゴを前線に加えました。69分の競り合いでヴィニシウスは足をつり、カイル・ウォーカーは右足の激痛に顔をゆがめています。ペップはここで右SBとデブライネを諦め、ジンチェンコとギュンドアンを投入しました。
交代カードが切られた直後の73分、ベルナルド・シウヴァが中央をドリブルで進むと、右が2対1になっていました。優しいラストパスに走り込んだマフレズが、強烈なダイレクトショットをニアに叩き込んで0-1!2ゴールが必要になったホームチームは、残り15分を切ってもオンターゲットがありません。
78分、ジェズスに代わってグリーリッシュ。唯一の希望だったヴィニシウスは、ジョアン・カンセロと対峙するようになってからは完全に電池切れです。85分にマフレズと代わったのは、37歳のバースデーマッチとなったフェルナンジーニョ。1分後、ジョアン・カンセロの決定的なミドルは、クルトワが右に飛ぶビッグセーブでしのぎました。
87分に左サイドをドリブルで崩したグリーリッシュの一撃は、必死に戻ったメンディにゴールライン上で止められ、直後の2発めは足を出したクルトワのスパイクの裏にかすって、ファーポストの外に切れていきました。決定的な2発のうち、どちらかが決まっていれば、マンチェスター・シティはファイナルに進出していたはずですが…。
90分、カマヴィンガが左に浮かしたボールをベンゼマが左足で折り返すと、エデルソンの前に出たロドリゴが右足アウトでプッシュして1-1。さらに91分、カルバハルのクロスがロドリゴに届き、完璧なヘッドがエデルソンのグローブの先を抜けました。あっという間にトータル6-6!94分にFKをもらったフェルナンジーニョのクイックリスタートは、フォーデンが右に外して実りませんでした。
延長前半開始2分、ヴィニシウスのクロスを叩いたベンゼマのショットはエデルソンがセーブ。足が止まっていたプレミアリーグ王者は、カマヴィンガのドリブルへの対応が遅れ、外から上がったロドリゴにグラウンダーを許してしまいます。トラップしたベンゼマをルベン・ディアスが引っかけてしまい、PK。9番の今季CL15発めは、右隅に収まった完璧なキックでした。
ロドリ、フェルナンジーニョ、ギュンドアンの中盤は、1点がほしいときの布陣ではありません。ペップが使える有効なカードは、スターリングのみ。99分にロドリが下がり、イングランド代表のスピードスターは右サイドに入っています。2分後、スターリングのスライディングにイエローカード。疲労困憊のベンゼマは、104分にダニ・セヴァージョスに後を譲りました。
前半終了間際、ジョアン・カンセロのアーリークロスがフォーデンへ。ファーに逸らしたヘッドはクルトワが触り、詰めたフェルナンジーニョは触るのが精一杯でした。残り15分、時間を遣うエル・ブランコ。ボールを奪うたびに、ベンチから歓声が上がっています。何もできないマン・シティ。3分と表示された追加タイムは、2分50秒を過ぎたところで止まりました。
あまりにもショッキングな敗退でした。90分までオンターゲットゼロ、脅威はヴィニシウスの突破のみ。左サイドを崩せるとみて、ナタン・アケではなくジンチェンコ、守れるジェズスより決定的なボールが出せるグリーリッシュを入れたペップ采配は咎められるべきなのか。87分からのグリーリッシュの2発が、どちらか決まっていれば、指揮官は称賛されていたはずです。
あの時間帯は、左サイドの守備の連携が悪く、2発喰らう前から危険な形を創られています。下がって対応していたグリーリッシュよりも、サイドのケアをしないジンチェンコのポジショニングのほうが気になっていました。それにしても…。グリーリッシュのシュートを止めたメンディとクルトワ、右サイドからチャンスを創ったカマヴィンガとカルバハル、ルベン・ディアスを出し抜いたロドリゴが素晴らしかったということでしょう。
モナコ、リヴァプール、トッテナム、リヨン、チェルシー、そしてレアル・マドリード。昨年のファイナル以外の敗退は、すべて大事な試合で3失点を喫したのが命取りになっています。足りなかったのは本職のSBか、1-1となったときに5バックにスイッチするという手はなかったのか…。主力でベンチにただひとり残ったナタン・アケという名前を眺めながら、頭のなかで悪夢の90秒がリフレインしています。
ダヴィド・アラバをナチョに代えて臨むアンチェロッティ監督は、中盤にカゼミーロを置けるようになりました。対するペップはベストメンバー。GKエデルソン、DFカイル・ウォーカー、ルベン・ディアス、ラポルテ、ジョアン・カンセロ。MFロドリ、ベルナルド・シウヴァ、デブライネ、FWマフレズ、ガブリエウ・ジェズス、フォーデンという布陣です。
開始4分、カルバハルのクロスに反応したベンゼマのヘッドは、クロスバーの上。10分のマフレズのFKは、クルトワの正面です。マン・シティの最終ラインは、ベンゼマとヴィニシウスに落ち着いて対応できています。18分、ラポルテのクリアを拾ったヴィニシウスの左足ボレーは、うまくミートせず浮いてしまいました。
マン・シティが決定機をつかんだのは20分。デブライネがボックス右に落とした絶妙なラストパスで、フリーになったベルナルド・シウヴァが右足でフィニッシュ。ニアを襲ったボールは、クルトワが素晴らしい反応でCKに逃れました。27分にトニ・クロースが右足で巻いたFKは、壁に当たって左に流れていきました。
36分に裏に抜け出しかけたヴィニシウスは、カイル・ウォーカーが体をぶつけて止めました。直後、エデルソンのロングキックが前線に届き、ボックス手前にこぼれたボールをフォーデンがシュート。左に飛んだボールは、クルトワが外に弾き出しました。
マン・シティが得た最後の2本のCKは、いずれも味方に合わず。0-0という折り返しに納得しているのは、ペップのほうでしょう。しかし後半のキックオフから、右サイドをスプリントしたカルバハルに素晴らしいロングフィードが通ります。グラウンダーがファーに出ると、ヴィニシウスはフリー。枠に収めるだけでよかったフィニッシュは、ニアポストの外に逸れるミスキックでした。
ピンチをしのいだマンチェスター・シティは、左サイドを執拗に攻めています。49分にボックス左から打ったジェズスのシュートは、クルトワがキャッチ。52分に左からヴィニシウスがドリブルで仕掛け、中央で空いていたモドリッチにグラウンダーが通りますが、遅くなったフィニッシュはルベン・ディアスがブロックしました。
カイル・ウォーカーのミスパスで始まったショートコーナーは、カゼミーロからラストパスをもらったヴィニシウスが打てず。60分のヴィニシウスの突破は、カイル・ウォーカーがしっかり着いて苦しいクロスを上げさせました。3週間ぶりの実戦だったベテランのライトバックは、足がしんどくなっているようです。
先に動いたのはアンチェロッティ監督。68分にトニ・クロースを下げ、好調のロドリゴを前線に加えました。69分の競り合いでヴィニシウスは足をつり、カイル・ウォーカーは右足の激痛に顔をゆがめています。ペップはここで右SBとデブライネを諦め、ジンチェンコとギュンドアンを投入しました。
交代カードが切られた直後の73分、ベルナルド・シウヴァが中央をドリブルで進むと、右が2対1になっていました。優しいラストパスに走り込んだマフレズが、強烈なダイレクトショットをニアに叩き込んで0-1!2ゴールが必要になったホームチームは、残り15分を切ってもオンターゲットがありません。
78分、ジェズスに代わってグリーリッシュ。唯一の希望だったヴィニシウスは、ジョアン・カンセロと対峙するようになってからは完全に電池切れです。85分にマフレズと代わったのは、37歳のバースデーマッチとなったフェルナンジーニョ。1分後、ジョアン・カンセロの決定的なミドルは、クルトワが右に飛ぶビッグセーブでしのぎました。
87分に左サイドをドリブルで崩したグリーリッシュの一撃は、必死に戻ったメンディにゴールライン上で止められ、直後の2発めは足を出したクルトワのスパイクの裏にかすって、ファーポストの外に切れていきました。決定的な2発のうち、どちらかが決まっていれば、マンチェスター・シティはファイナルに進出していたはずですが…。
90分、カマヴィンガが左に浮かしたボールをベンゼマが左足で折り返すと、エデルソンの前に出たロドリゴが右足アウトでプッシュして1-1。さらに91分、カルバハルのクロスがロドリゴに届き、完璧なヘッドがエデルソンのグローブの先を抜けました。あっという間にトータル6-6!94分にFKをもらったフェルナンジーニョのクイックリスタートは、フォーデンが右に外して実りませんでした。
延長前半開始2分、ヴィニシウスのクロスを叩いたベンゼマのショットはエデルソンがセーブ。足が止まっていたプレミアリーグ王者は、カマヴィンガのドリブルへの対応が遅れ、外から上がったロドリゴにグラウンダーを許してしまいます。トラップしたベンゼマをルベン・ディアスが引っかけてしまい、PK。9番の今季CL15発めは、右隅に収まった完璧なキックでした。
ロドリ、フェルナンジーニョ、ギュンドアンの中盤は、1点がほしいときの布陣ではありません。ペップが使える有効なカードは、スターリングのみ。99分にロドリが下がり、イングランド代表のスピードスターは右サイドに入っています。2分後、スターリングのスライディングにイエローカード。疲労困憊のベンゼマは、104分にダニ・セヴァージョスに後を譲りました。
前半終了間際、ジョアン・カンセロのアーリークロスがフォーデンへ。ファーに逸らしたヘッドはクルトワが触り、詰めたフェルナンジーニョは触るのが精一杯でした。残り15分、時間を遣うエル・ブランコ。ボールを奪うたびに、ベンチから歓声が上がっています。何もできないマン・シティ。3分と表示された追加タイムは、2分50秒を過ぎたところで止まりました。
あまりにもショッキングな敗退でした。90分までオンターゲットゼロ、脅威はヴィニシウスの突破のみ。左サイドを崩せるとみて、ナタン・アケではなくジンチェンコ、守れるジェズスより決定的なボールが出せるグリーリッシュを入れたペップ采配は咎められるべきなのか。87分からのグリーリッシュの2発が、どちらか決まっていれば、指揮官は称賛されていたはずです。
あの時間帯は、左サイドの守備の連携が悪く、2発喰らう前から危険な形を創られています。下がって対応していたグリーリッシュよりも、サイドのケアをしないジンチェンコのポジショニングのほうが気になっていました。それにしても…。グリーリッシュのシュートを止めたメンディとクルトワ、右サイドからチャンスを創ったカマヴィンガとカルバハル、ルベン・ディアスを出し抜いたロドリゴが素晴らしかったということでしょう。
モナコ、リヴァプール、トッテナム、リヨン、チェルシー、そしてレアル・マドリード。昨年のファイナル以外の敗退は、すべて大事な試合で3失点を喫したのが命取りになっています。足りなかったのは本職のSBか、1-1となったときに5バックにスイッチするという手はなかったのか…。主力でベンチにただひとり残ったナタン・アケという名前を眺めながら、頭のなかで悪夢の90秒がリフレインしています。
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絶句です‼️また来年か。
ショッキングな試合になりました。プレミア対決で決まりと思ったのですが。
ベルナベウの雰囲気のためかデブライネが本来のレベルになく、延長は審判も呑まれてしまったように感じました。一方で最後までスーパーだったフォーデンのことは忘れないでおきます。
いやーレアルですか。彼らがなぜか得意とする決勝で、劇的勝利で勢い付いた状態の彼らとあたるのはベリーハードモードと言わざるを得ません。早い時間に戦意を折れたらいいですね…