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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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CLグループリーグ開幕!マンチェスター勢快勝も、香川真司の出来はいまひとつ

いよいよ、チャンピオンズリーグのグループリーグが開幕しました。ここから12月まで、週末のプレミアリーグとミッドウィークのCLで、各クラブともメンバーのやりくりに腐心することになります。昨日登場したのは、マンチェスター勢。レヴァークーゼンと戦ったマンチェスター・ユナイテッドは4-2と快勝。香川真司が今季、公式戦初先発を果たしています。マンチェスター・シティは明らかに格下のチェコのビクトリア・プルゼニに、アウェイで0-3。先制点を奪うまでに苦労したものの、幸先いいスタートをきっています。

マンチェスター・ユナイテッドの4点は、ファン・ペルシとルーニーの卓越した個人技とカウンターによるもので、ゲーム全体を通じて攻撃の組み立てはお世辞にもいいとはいえませんでした。メディアによっては「先制点に絡んだ」と書くところもあるかもしれませんが、22分のルーニーの先制点で、香川真司がエヴラに流したヘッドは狙って出したものではありません。ともあれ左サイドでフリーになったエヴラのクロスは、ファーサイドでマークを外したルーニーを捉え、ボレーのうまい背番号10が確実に合わせて好スタートをきります。前半の香川はボールに関与する機会が少なく、見せ場は38分のファン・ペルシへのスルーパスと、44分にバレンシアのクロスから打ったシュートがDFに当たってわずかに外れたシーンのみ。前半は1-0で、ホームのマンチェスター・ユナイテッドが余裕をもってゲームの主導権を握ります

後半に入り、54分にロルフェスに喰らった同点ミドルは、相手をほめるしかないでしょう。野球でいえば、サウスポーが投げる鋭いカーブ。ゴールの枠を外れるように左に逃げていったボールが、美しい曲線を描いてゴール左隅ぎりぎりに戻ってきたとなれば、GKデ・ヘアが一歩も動けなくても仕方がありません。追いつかれたもののDFラインを崩されたわけではなく、この日のレヴァークーゼンの不安定な守備陣を考えれば、いずれ勝ち越すのは間違いないマン・ユナイテッド。1-1になってから5分後、あっけなく決勝点となる一発が入りますが、これがまたスーパーゴール!バレンシアのクロスは狙いが雑で、ゴール前ニアサイドで待つファン・ペルシの後ろに出ますが、エースがこれを右足で引っ掛けると、強いシュートがゴール右隅へ。ありえないコースに飛び込んできたボールに、GKは何もできませんでした。これで2-1。後はマンチェスター・ユナイテッドの独壇場です。

レヴァークーゼンのCBコンビは不安定で、細かいミスを重ねていましたが、70分の3点めは絶対にやってはいけないプレイ。GKデ・ヘアがただ大きく蹴ったゴールキックにポジションが重なり、後ろにそらすと、狙っていたルーニーがゴール前まで持ち込みGKの位置をみて流し込みます。これで勝負あり。79分にはカウンターからルーニーのスルーパスをバレンシアが蹴り込み、88分にハイボールが苦手なデ・ヘアが目の前に入ったCKを触れず、こぼれ球をトプラクに決められますが、マンチェスター・ユナイテッドが4-2で完勝。攻撃も守備も粗かったレヴァークーゼンは、敗戦を悔やむよりも、この内容でよくぞ2点を返したとポジティブに考えるべきでしょう。

ひとつ、大きな疑問は「あれだけコンディションにこだわっていたモイーズ監督が、最悪の状態だった香川真司をなぜ使ったのか」です。風邪にやられ、ゲーム当日までノドの痛みが残っていたそうですが、ゲーム全体を通じた存在感の薄さと、後半目立った集中力を欠いたボールロストは、単純に「使うべきではない選手を使った結果」でしょう。71分まで引っ張った理由もわからず、外からの圧力に負けて仕方なく出したようにみえてしまいます。モイーズ監督の一貫性のなさが、今後、大事な局面での判断ミスにつながらなければいいな、と思います。

一方、マンチェスター・シティの収穫は、このところいいとはいえなかった攻撃陣が3点を奪ったこと。これではずみをつけて、マンチェスター・ダービーに向かえます。1点めはアグエロ得意の中に斬り込むドリブルから、ラストパスを中央でフリーのジェコが受け、左足でのコントロールシュート。2点めは信じられないヤヤ・トゥレのスーパーミドルシュート。中盤でのパス交換の後、直接FKのようなドライブのかかったシュートをゴール右上に差し込み、ブルゼニの諦めを促します。そしてとどめはアグエロ。右からドリブルで突破したナスリのショートパスを受け、縦に走るヤヤ・トゥレにDFがつられたのをみて中に切り返し、マークを完全に外して左足で決めました。相手が弱かったとはいえ、昨季まで2年連続でグループリーグ敗退を喫していたチャンピオンズリーグで、0-3スタートなら文句なしでしょう。

チャンピオンズリーグでは好スタートを切ったこの2チームは、苦戦続きのプレミアリーグで週末の日曜日、いよいよ激突します。先日のゲームをみれば、マンチェスター・ユナイテッドが優勢ですが、昨日の試合でマン・シティにコンパニが戻り、チームに安定感が出てきました。ここで負けたほうが優勝争いから大きく後退するという重要な一戦。残念ながら、香川真司はベンチに逆戻りでしょう。

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