すべてのチャンスは香川真司から…しかしゴールに嫌われたマンチェスター・ユナイテッド
前半のレアル・ソシエダは、ホームらしからぬセーフティなサッカー。最終ラインは堅く締めるものの、中盤で積極的にボールを獲りに来ず、マンチェスター・ユナイテッドに主導権を渡します。ボールを奪われてもカウンターを喰らうこともなく、マンチェスター・ユナイテッドはアウェイチームらしからぬ余裕のポゼッション。10分には左サイドをエヴラが持ち込み、ニアサイドのルーニーにつないで落としたところを香川真司が左足ミドルシュート。18分にもルーニーのパスから香川が今度は右足ミドルと、積極的に遠めから狙い、レアル・ソシエダの守備陣をペナルティエリアに釘付けにします。惜しかったのは27分の香川のラストパス。左からゴールライン際に持ち込み、チチャリートに合わせたグラウンダーはわずかにDFのタッチが早く、CKに逃げられました。レアルソシエダも、FWアギレチェやSBデ・ラ・ベッラがペナルティエリア外からシュートを放ちますが、GKデ・ヘアを慌てさせるには至りません。淡々とした展開でハーフタイム。中盤でのパス回しが延々と続き、両チームともなかなかフィニッシュにつなげられません。
後半開始直後はレアル・ソシエダがペースを握りますが、49分、マンチェスター・ユナイテッドに決定的なチャンス。仕掛け人はまたもや香川真司です。左サイドでボールを受けた26番は、一瞬縦にボールを出し、相手のリアクションを誘うと、狙いすました股抜きグラウンダー!これを中央で受けたのはチチャリート。ゴール前3メートル、どフリー、先制点が決まった…と誰もが思ったシュートは、GKの飛び出しを気にしたのかゴールの上に大きく外してしまいます。これは悔しい!しかしチャンスは創れています。足りないのはゴールだけ。63分、最近はプレミアリーグでも積極的な采配が目立つモイーズ監督が動きます。ルーニー、チチャリートout。ファン・ペルシとアシュリー・ヤングin。ヤングが左、好調の香川真司がいよいよトップ下です。
この選手交代は、直後に成功をおさめたかに見えました。64分、中央からドリブルで左に流れた香川がサイドにいたアシュリー・ヤングにパス。ヤングの絶品クロスが逆サイドにいたファン・ペルシに通ります。しかしエースは、フリーの右足シュートをポスト!さらに3分後の67分、ペナルティエリア左で香川とヤングがワンツー。シュートを打とうとしたヤングがDFに倒され、ジャッジはPKです。蹴るのはもちろんファン・ペルシ。さすがに今度こそ入るだろうと思えば、右隅を狙った一撃はこれもポスト!
「今日はわれわれの日ではなかった」としかいいようがありません。レアル・ソシエダの決定機は、74分にMFプリエトのシュートをベラが胸で方向を変え、ゴール右隅を襲った1本のみ。このシュートが惜しくも外れると、ゲームは0-0という納得感のない最終結果へ収束していきます。それでもさほど、ストレスなく試合を観られたのは、マルアン・フェライニの中盤での守備とパスの散らしが非常によく、さらに強くなるマンチェスター・ユナイテッドを予感させてくれたからでしょう。このプレイに加えて、もっと攻撃につながるパスが出せれば、彼はいうことなしでしたね。そんなフェライニが最後に2枚めのカードをもらって退場、というのが、チャレンジが報われなかったこのゲームらしい幕切れだったのかもしれません。
同じグループAのシャフタル・ドネツクとレヴァークーゼンも0-0に終わったため、ゲーム開始前と勝ち点差は変わらないまま、着実に1試合を消化しました。ファーディナンドとヴィディッチも盤石。結果はともかく、週末のプレミアリーグ、アーセナルとの大一番につながるいいゲームだったと思います。いやー、しかし0-0か…。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
コメントを残す