やっときました、エリク・ラメラ!トッテナム、プレミアリーグに向けて収穫大の辛勝劇!
しかしこれがそうはうまくいかず、前半は想定外の0-0、同点。ボールポゼッションは8割方、トッテナムなのですが、やっているサッカーが「点が獲れない時のトッテナム」です。パススピードは一定、パスはすべて足元、裏へ飛び出す動きやダイレクトパス、ワンツーは皆無。淡々と回し、ただサイドを突破しようとするだけ。タウンゼントが不在で、ターンオーバーでパウリーニョがベンチだったので、ますます変化を促すプレイに欠け、存在感をアピールすべきカプエ、エリクセン、ラメラに積極的なプレイがありません。
決定機が多かったのはむしろシェリフ・ティラスポリのほうで、25分にカウンターからFWイサが右でフリーになった形は、昨日、チェルシーがシャルケ戦で見せたウィリアンとエトーの2点めとまるで同じ。シュートを放ったのがエトーやアグエロ、アザールではなかった幸運を喜ぶべきシーンでした。26分にも自陣のミスパスを拾われてメンデスにミドルで脅かされ、GKは間違いなくフリーデルのほうが体を張っています。前半終了直前、トッテナムにもチャンスがあり、クロスのコースにDFより早く入ったデフォーがシュート態勢に入りながら、あえなく空振り。その直後にもまた速攻で逆襲され、課題をいろいろと抱えながらの45分が終わりました。これは何らかの手を打たないと危険です。ヴィラス・ボアス監督は、後半、この状況をどう打開するのでしょうか。
トッテナムサポーターの方々には申し訳ないのですが、正直にいえば、ハーフタイムにコンビニに買い出しに行きながら「このままずるずるとスコアレスドローだろうな」と思っていたのです。ところが…やりましたね、ヴィラス・ボアス監督。シグルズソンやエリクセン、ラメラに「徹底的に裏を狙え」と指示を出したのではないでしょうか。後半に入り、48分にエリクセンが右サイドから裏に飛び出してパスを受けたのを見て、「これはおもしろくなるかもしれない」とこの試合で初めて、前のめり観戦モード。55分にはドリブルで中央に割って入ったエリクセンのミドルシュート。これはGKが何とか上にはじき出したものの、迫力充分です。57分にカプエが下がり、パウリーニョが入った直後、ついにこの男が真価を発揮しました。ローマからやってきたアルゼンチン代表期待のFW、エリク・ラメラです!
59分、右サイドのラメラは中央のエリクセンにパスを出すと、DFの裏を突こうと中に斬り込んでいきます。エリクセンのスルーパスはDFに当たりますが、こぼれ球を奪ったラメラは一瞬の躊躇もなく左足でニアに強烈なシュート!不意を突かれたGKは動けず、まずは1-0。そして66分にも、ラメラが中央からドリブルで2人をかわし、最後のひとりに引っかけられてPKをゲット。これをデフォーが思い切り決めて、2-0。ラメラとエリクセン、デンベレが絡んだ中央の切り崩しと裏への突破で、トッテナムのサッカーが生き返りました。
この後、71分にミドルシュートをフリーデルが弾いたところをフォローしたイサに1点を返されますが、76分のエリクセンの絶品クロス、79分のパウリーニョのオーバーヘッドなど、前半にはなかったさまざまなフィニッシュの形を創ったトッテナムに3点めのチャンスが続きました。結果的には2-1の辛勝でしたが、膠着状態を戦術変更で打開できたことと、期待のラメラやエリクセンが好プレーを見せ、トップ下起用の目まで見えたことは、大きな収穫だったのではないでしょうか。ヨーロッパリーグで格下クラブ相手に有意義な実験をし、そこで見出した選手や作戦をプレミアリーグで活かすなどという心憎いことをされれば、どうしても難クセをつけたくなるヴィラス・ボアス監督を見る目も変わってくるというものです。まあ、私の見る目が変わろうと変わるまいと、プレミアリーグの行方やトッテナムの未来には何ら影響はありませんが(苦笑)。(ジャーメイン・デフォー:写真著作者/James Boyes エリク・ラメラ:写真著作者/Jon Candy)
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Your posting lays bare the truth
Normally I’m against killing but this article slaughtered my ignorance.