マンチェスター・ユナイテッド、P.ジョーンズの一発でホーム3連敗と新監督の解任は回避!?
この日のチャンピオンズリーグ、グループリーグ第6節のシャフタル・ドネツクとの一戦は、元々は「引き分ければ悠々1位通過」という意味合いだったものが、直近の不振で「勝たなければならないゲーム」に変化しました。マンチェスター・ユナイテッドが、本拠地オールド・トラフォードで3試合戦って1勝もできないという事態は、何としても避けなければなりません。この日のスタメンは、ルーニーのワントップで香川真司がトップ下。珍しく、香川とヤヌザイが同時出場です。「右サイドMFアシュリー・ヤング」というのはどうなんでしょうか。モイーズ監督の起用は、ときどき調子を度外視しているように見えます。リオが「スタメンがぎりぎりまで発表されないので準備ができない」と不満をいったのは、スタメン発表が遅いこと自体の問題ではなく、起用の理由が不明であることのストレスなのではないかと思います。
さて、ゲームが始まると、ホームチームは前半から積極的です。5分にはフィル・ジョーンズが右サイドを突破し、ギグスもドリブルで上がるシーンがあり、両センターMFが今までになく攻撃に絡んでいます。この試合に勝たないと1次リーグ敗退が決まるであろうシャフタル・ドネツクも、12分にスルーパスからティシェイラが抜け出して右ポストすれすれのシュートを放つなど、ブラジル人選手を中心とした速攻とドリブルで応戦します。17分、トップ下に入った香川真司からクロスが上がり、中で受けたヤヌザイが振り向きざまに強いシュートを打ちますが、これはGKの正面。30分にはヤヌザイが倒されて得たFKを、ルーニーがカーブをかけて狙うもボールはわずかに右にそれます。32分、リオが自陣でボールを奪われ、ショートカウンターを喰らうもクロスに誰も飛び込めず、ウクライナ・プレミアリーグ王者の先制はなりません。
攻守がめまぐるしく変わるシーソーゲームは、どちらが先に点を獲ってもおかしくありません。マンチェスター・ユナイテッド最大の誤算は、アシュリー・ヤングの不振です。36分にはGKと1対1からのイージーなループシュートを外し、前半終了間際にもルーニーのラストパスを決められず、どうもいいリズムでプレイができません。前半は0-0で折り返しましたが「2-1でホームチームリード」が妥当だったのではないでしょうか。
後半開始直後に、CKのこぼれ球からのシュートをDFラキツスキが惜しくも右に外すと、ここからはマンチェスター・ユナイテッドペースです。前半以上に香川真司が中盤でボールに絡み、前線に飛び出してチャンスメイクするシーンも目立ってきます。49分のギグスとのコンビネーションや、56分にビュットナーのグラウンダーをニアでDFの前に入り込んでシュートしたシーンは、いずれも得点の匂いがするいい動きでした。この後も主導権を握りながら、なかなかゴールが決まらないマンチェスター・ユナイテッドにようやく歓喜の瞬間が訪れたのは、67分。CKを競ったボールが中央やや左にいたフィル・ジョーンズの前に流れ、彼は冷静にボレーでGKの足元を抜きます。
久しぶりのゴールは、しかしこの日唯一のゴールでもありました。サイドを崩すシーンが多かったにもかかわらず、シュートはシャフタル・ドネツクより5本少ない10本にとどまり、まだまだ本調子ではありません。リオが再三に渡ってドリブルでかわされ、フレッジやダグラス・コスタにフリーでシュートを打たれるシーンもあり、相手が狡猾なチームなら結果が逆になっていてもおかしくありませんでした。ともあれ、何とか勝ちました。調子の悪いときの最高の処方箋は、やはり勝ち点3です。これをきっかけに、プレミアリーグでも、せめてトップと1ケタの勝ち点差まで詰めて2013年を締めたいものです。
ちなみに今回のチャンピオンズリーグでは、マン・ユナイテッドはA組で無敗だったわけですが、過去、グループリーグを無敗で抜けたときは、すべてファイナルまでいってるんですよね。もし今季、欧州をいただけるのであれば、プレミアリーグは今のままの順位で構いません。え?「プレミアリーグでホーム勝率5割のチームがヨーロッパで勝てるわけがない?」…そりゃあ、そうでしょう。だからこそ、こんな都合のいいこと言ってるんでしょうが(逆ギレ)!…最近、イライラが募りますが、今日はほっと一息でした。(フィル・ジョーンズ 写真著作者/nasmac)
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