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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

インターセプト、ショートカウンター、スピード。チェルシーらしさ満載の快勝劇で、ベスト8進出!

プレミアリーグ勢が次々とチャンピオンズリーグを去るなか、3番目に登場したのはチェルシーです。試合前の会見で、対戦相手のガラタサライのマンチーニ監督は、「うちが勝ったら、モウリーニョ監督とのディナーは私のおごり」とジョークを飛ばしていましたが、スタンフォード・ブリッジで勝つことがいかに難しいかは、昨季までプレミアリーグにいた彼なら重々承知しているでしょう。

おお、やはりガチガチのベストメンバーですね、チェルシー。DFラインはイヴァノヴィッチ、アスピリクエタ、テリー&ケーヒル。先週のプレミアリーグから変えたのは、マティッチをランパード、F.トーレスをエトーの2人のみ。アザール、ウィリアン、ラミレス、オスカルは「いつもの顔ぶれ」です。このメンバーなら、ドログバ、フェリペ・メロ、スナイデルを擁するガラタサライが相手とはいっても、スタンフォード・ブリッジで悠々勝ち抜けを決めるだろう…と観ていると、4分、さっそくチェルシーが先制です。

ラインを高く保っていたガラタサライを3人で破る、これぞモウリーニョのショートカウンター。アザールが右を走るオスカルにつなぎ、オスカルはDFの股の間を通す完璧なラストパス。これを右足でクロスに決めたのは、今や絶対的なエースといっていいサミュエル・エトー!ファーストレグは、トルコで1-1のドロー。チェルシーは、ここから点をやらなければ勝ち抜け決定です。

先制点の後も、ペースを握るのはチェルシーでした。ドログバを拠点に使いながら、サイド攻撃を仕掛けようとするガラタサライを「攻め上がらないSB」アスピリクエタやラミレス、ランパードらがしっかりチェックしながら、マイボールになると縦に速い攻撃を繰り出します。21分には、センターサークル付近でランパードが奪ったボールを左のアザールへ展開。アザールはオスカルとのダイレクトパスのやりとりで左サイドを攻略し、最後はゴールライン際からのオスカルのラストパスにランパードが合わせるという美しい攻撃を披露。先週末のプレミアリーグで、アストン・ヴィラ相手に攻めあぐんだチームとは別な集団です。

ガラタサライは、13分のオーバーヘッドや23分にワンツーからフェリペ・メロにシュートを打たせたシーンなど、時折ドログバが絡んで単発のシュートを放つものの、GKチェフを脅かすまでには至りません。20分を過ぎると左サイドのアザールのドリブルに対して劣勢にまわったガラタサライは、30分からのチェルシーのセットプレイにも後手を踏んでしまいました。

31分、ランパードの左からのFKにテリーがDFラインの裏に飛び込み、ドンピシャのボレー。これはわずかに上に外したものの、34分のCKのチャンスは逃しませんでした。右CKにフリーでヘッドを放ったテリーのシュートは確実に枠を捉えるものの、GKムスレラが横っ飛びでブロック。このリバウンドを見逃さなかったのはテリーの相棒、CBケーヒルです。ゴール正面、至近距離から思い切り蹴り込んだ右足シュートがゴールネットを揺らし、文句なしの2-0!終始攻撃を仕掛けていたチェルシーのボールポゼッションが50%を切ったのをみても、いかにスピード志向が強かったかがわかります。ガラタサライ、2点はきつい。険しくなるマンチーニ監督の表情。一方のモウリーニョ監督の冷静な物腰は、「満足」の表明と受け取っていいでしょう。

後半に入っても、イニシアティブを取るのはモウリーニョ軍団のほうでした。開始早々、アザールが右サイドを突破してエトーにつなぎ、落としをオスカルがシュート。これはDFにブロックされますが、左右バランスのいい攻撃に、ガラタサライのDFラインはひたすら振り回されます。51分にも敵陣でのインターセプトからフリーのウィリアンがミドルを放ち、さらにランパード、エトーが次々と遠めからゴールを狙います。ホームチームの3点めの期待が高まる一方で、ガラタサライのクロスボールは無情にピッチを横切り、流れていきます。

70分を過ぎると、出足の早いチェルシーの守備に次々と反撃の芽を摘まれたガラタサライに疲れがみえるようになり、自陣でのミスパスを拾われ、チェルシーにDFラインの裏を突かれます。82分にはアザールが得意の左45度からのシュートを放ちますが、GKムスレラが左手でセーブ。87分にも左サイドをドリブルで上がったアザールのヒールパスから、途中出場のF.トーレスが抜け出してGKと1対1となりますが、これもムスレラに当ててゴールならず。後半は前半にもましてチャンスがなかったガラタサライは、最後のセットプレイのチャンスにもドログバが触れず、万事休す。ボールポゼッションはイーブンながらもシュート数は21対4。チェルシーが、あまりにもチェルシーらしい勝ち方で、今季プレミアリーグ勢初のチャンピオンズリーグベスト8進出を決めました。

あらためて思いましたが、モウリーニョ監督の手柄は「テリー、ランパード、エトーらベテランの力を引き出し、特にテリーを復活させたこと」「DFラインを固定し、ウィリアン、アザールという軸を明確にしてチーム全体のパフォーマンスを安定させたこと」ですね。ブレないチームは、ここ一番で自信を持って戦える。プレミアリーグ開幕から8ヵ月経ってもスタメンをいじくり回してるチームはダメだよなぁ…。コンセプトとマネジメントの重要さを痛感した、スタンフォードブリッジの快勝劇でした。

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“インターセプト、ショートカウンター、スピード。チェルシーらしさ満載の快勝劇で、ベスト8進出!” への1件のコメント

  1. makoto より:

    こちらにも貼っておきます。19日から20日朝にかけて、コメント欄に不具合があったようで、書き込みができなくなっていました。ほんとうにすみません。修正できたと思いますので、これにこりず、引き続きどうぞよろしくお願いします。

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