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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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予定通りのスコアレスドロー&想定外の主力リタイア!満身創痍のチェルシー、損得勘定はマイナス!?

チャンピオンズリーグも、いよいよ準決勝。プレミアリーグ勢で唯一勝ち進んだチェルシーは、アトレティコ・マドリードの本拠地、エスタディオ・ビセンテ・カルデロンに乗り込んでファーストレグを戦います。エトー、アザールの欠場もさることながら、今季プレミアリーグ最少失点の立役者のひとり、イヴァノヴィッチを欠く布陣に不安が募ります。モウリーニョ監督は、中盤にランパード、ミケル、ダヴィド・ルイス、ラミレスを並べ、守備をしっかり固めてきました。パリ・サンジェルマンに緒戦で3点を奪われ、苦労した準々決勝と同じ轍は踏まないという意志の表れでしょうか。ベンチには、負傷で長期欠場を余儀なくされていたMFファン・ヒンケルの姿もあります。

シメオネ監督のアトレティコ・マドリードは、今季バルセロナと5戦して1勝4分けと一度も負けておらず、こちらも運動量、堅い守備とカウンターがセールスポイントのチームです。この試合には攻撃の軸となるエースストライカー、ジエゴ・コスタが戻ってきました。コケ、ラウル・ガルシアを中心に中盤を組み立てて攻撃を展開。ゴディン、カスミルスキ、フアンフラン、ミランダが構えるDFラインと、チェルシーからレンタルで移籍しているベルギー代表のエースGKクルトワで、相手の攻撃を完封しようという算段でしょう。

チェルシーはアウェイゴールを奪って、1-1以上のスコアでスタンフォード・ブリッジに帰ってこられれば満足。アトレティコ・マドリードは、できれば2-0、最低でも1-0で敵地での第2戦に臨みたいところです。

試合は、開始からお互いリスクを回避し、安全運転重視の展開。15分まで両者ともこれといったシュートがなく、静かに進んでいたゲームでしたが、18分、チェルシーに大ピンチが訪れます。CKをクリアした際に相手選手と接触し、手から落ちたGKチェフがアウトのサイン。シュウォーツァーにスイッチするしかないモウリーニョ監督のゲームプランは、より守備的に変更を強いられたことでしょう。

中盤を制圧し始めたアトレティコ・マドリードは28分、左からのクロスをラウル・ガルシアがヘディングシュート。33分にはジエゴのパスを受けたMFマリオ・スアレスが、シュウォーツァーを左にダイブさせるきわどいミドル。前線への長いボールをF.トーレスが収められないチェルシーは、まったくチャンスが創れません。41分、クロスのこぼれ球をジエゴ・コスタがボレーで狙うもアスピリクエタがブロック。守備の堅さではチェルシーも負けません。前半終了間際のジエゴの左足シュートも、シュウォーツァーの正面。プレミアリーグではお目にかかれない、お互いのよさをつぶし合うだけの「冷戦」。0-0は、シメオネ監督も想定内、モウリーニョ監督にとっても悪くない出足でしょう。勝負は後半、最初の1点を巡る争いになりました。

後半に入り、47分、ランパードが左足ボレーでチェルシー初の枠内シュート。50分を過ぎると、徐々にアトレティコ・マドリードが攻勢を強めます。52分、クロスに対するシュウォーツァーのパンチングミスを拾ったジエゴのシュートはGK正面。60分を過ぎても、攻めながらシュートを打てないアトレティコと、ボールを奪った後、前に展開できないチェルシーという構図は変わりません。やはり両チームとも、中盤から後ろの守りが整備されています。チェルシーでは、ゴール前のスペースまでカバーするミケルと、中盤の選手を自由にさせないダヴィド・ルイスのチェイスが効いています。

70分、チェルシーに2回めのアクシデント。今度は不動のCB、ジョン・テリーです。ダヴィド・ルイスの足を踏んだ際に足を捻ったテリーは、痛みをこらえてプレイを続けたものの、73分にたまらずリタイア。交代で入ったシュールレはサイドに入り、CBダヴィド・ルイス、センターMFランパード、ミケルというフォーメーションにチェンジします。

この機に乗じて猛攻を仕掛けるホームチーム。74分のマリオ・スアレスのFKは、シュウォーツァーが右に飛んでセーブ。79分、この試合最大の決定機はトクランでした。右からのクロスにアスピリクエタを完全に抑え、ヘディングで競り勝ちましたが、シュートは左に外れていきます。80分過ぎからラウル・ガルシアが再三放ったシュートも、いずれも芯を捉えられず。終始おとなしかったエース、ジエゴ・コスタのヘッドもCBケーヒルがブロック。第2戦に向けてアドバンテージがほしいシメオネ監督は、ラスト5分でダヴィド・ビジャ投入です。

チェルシー唯一のチャンスは、88分にF.トーレスが前線でドリブルを仕掛けて獲ったFK。ペナルティエリアすぐ外、やや左のいいポジションでしたが、ダヴィド・ルイスのシュートはアウト。追加タイムに入り、モウリーニョ監督はウィリアンを下げてデンバ・バを入れ、念入りに時間を遣います。チェルシーのCKをクルトワがキャッチし、カウンターが不発に終わるとゲームはスコアレスドローでタイムアップ。シメオネ監督に向かって大きく手を上げ、ピッチを後にしたモウリーニョ監督にとってはまずまずの着地。アウェイで先に点を獲ればいいシメオネ監督にとっても、ネガティブになるような結果ではないでしょう。

よくいえば、中盤のせめぎ合いが白熱した玄人好みのシブい試合。悪くいえば、単調なアトレティコ・マドリードと退屈なチェルシーが、腰を引きながら戦った臆病者同士のバトル。第2戦のモウリーニョ監督は、「得意の1-0でOK」です。…しかしまあ、この試合でいちばん得をしたのは、またしてもリヴァプールではないでしょうか。ケガをしているエトー、チェフ、アザール、テリーのうち、何人が27日のプレミアリーグ、アンフィールドでの大一番に復帰できるか。次戦で負けたらプレミアリーグ優勝の芽が完全になくなるチェルシーは、チャンピオンズリーグに全力を傾けたほうがよさそうです。準決勝さえ突破すれば、モウリーニョさんのファイナル勝率は100%ですから!

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“予定通りのスコアレスドロー&想定外の主力リタイア!満身創痍のチェルシー、損得勘定はマイナス!?” への3件のフィードバック

  1. チェルシー より:

    更新お疲れさまです

    固い試合でしたねー
    ドン引きとかで片付けられそうですが個人的には緊張感があってなかなか楽しめました
    この展開だとやっぱりチェルシーの英雄が恋しくなりますがトーレスもサポートがないなか頑張ってましたね

    2ndにアザール、エトー、テリー、チェフが帰ってくる事を祈るばかりです
    CLストレートイン出来ればいいのでリヴァプール戦は流してでもアトレティコ戦に全力でいってほしいってのが本音ですね

  2. makoto より:

    チェルシーさん>
    F.トーレスはがんばってましたが、やはりチェルシーのサッカーには、ドログバやイブラヒモヴィッチのように個人力で決めてしまえるFWが必要ですね。ルーニーやジエゴ・コスタ、カバーニという噂もありましたが、タイプとしてはファン・ペルシやスアレス、ジャクソン・マルティネス、ボニー・ウィルフリードなどのほうが合うような気がします。

  3. eqfwoq より:

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