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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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最後まで冷や冷やリヴァプール!バロテッリ、ジェラードでもぎ取った貴重な勝ち点3!

リヴァプールのチャンピオンズリーグが始まりました。緒戦の相手が、バーゼルでもレアル・マドリードでもなくブルガリアのルドゴレツ、しかもホームのアンフィールドであったことは、5シーズンぶりにこの大会を戦う彼らにとってはよかったのではないでしょうか。サポーターの期待が異常に高まっているなか、大舞台の経験に乏しい若手が多いリヴァプールには、相当なプレッシャーがかかっていると思われるからです。

試合が始まると、予想通り、明らかに格下のルドゴレツに対してレッズは苦戦を強いられます。ひとことでいえば、よそ行きの戦い方。確実にボールを運ぼうとするあまり、チャレンジする動きが少なく、クロスも不正確。堅実なルドゴレツの守備陣相手にシュートまで持ち込めません。対するブルガリア王者は、6分のCK、18分のMFミシジャンのロングシュートと、少ないチャンスをシュートまで持っていきます。リヴァプール最初のチャンスは20分。バロテッリが中央から突破を図り、シュートを放つもDFがカット。これをフォローしたララナのシュートもDFのブロックに遮られ、先制点はなりません。

スタリッジ不在のなか、頼みのスターリングはひとりはかわせるものの、ラストパスやシュートまでは自由にやらせてもらえず、ララナはうまく攻撃に関与できません。攻撃面での希望は、アルベルト・モレノとマンキージョの両SBが元気なことと、33分にも中央でのドリブルからシュートを狙ったバロテッリが、プレミアリーグのアストン・ヴィラ戦よりもアグレッシブなこと。シュートこそ少ないものの、ゲームを支配し続けたリヴァプールに、37分、決定的なチャンスが訪れます。コウチーニョから中につなげたボールが最後はGKの目の前でフリーになったララナへ。ララナの一発めの左足はDFがブロック。リバウンドを狙った2発めも、DFの必死の守りにCKに逃げられます。CKにタイミングよく飛び込んだデヤン・ロブレンのヘッドも枠の外。緊張感が漂い、動きが硬かったリヴァプールに、ようやく積極性が出てきたところで前半が終了。0-0のまま、勝負は残り45分に持ち越されます。

後半に入り、46分にコウチーニョが持ち込んでシュートを放つと、前半同様にリヴァプールがボールを支配する展開となります。52分、中央のヘンダーソンからのラストパスでGKと1対1になったSBマンキージョが決めていれば、レッズは楽に戦えたでしょう。GKの飛び出しを気にした20歳は、シュートをふかしてしまい、ここでもリヴァプールはリードを奪えません。69分には、バロテッリが右に展開したボールを、マンキージョがすかさずロングクロス。中央で頭で合わせたのは、2分前にララナと交代で入っていたボリーニ。これも決まらず、焦れるリヴァプールは前がかりになり、この後、再三ルドゴレツのカウンターに脅かされることになります。

71分、サコの股間を抜けるパスを受け、フリーで放ったダ・コスタの右足シュートが決まっていれば、結果は逆になってかもしれません。しかし、運はリヴァプールにありました。渾身の一発は、右ポスト直撃。スコアは0-0のまま変わりません。ラスト6分となり、両者がドローを意識し始めたとき、左のアルベルト・モレノから中央にクロスが入ります。ニアサイドの落下点にいたのは、リヴァプールに入ったばかりのマリオ・バロテッリ。

彼についた2人のDFよりも、バロテッリのほうが冷静さで上回っていました。ボールを足に当てられないDFを尻目に、落ち際を右のアウトサイドに載せたテクニカルなシュートは、逆のサイドネット一直線!プレミアリーグ復帰を熱望していた背番号45が、ついにリヴァプール初ゴールを決めました。アンフィールドの盛り上がりは、ここにきて最高潮。やがて、時計は90分を回ります。モウリーニョ監督のいう「試合を殺す」プレイを、あと数分続ければ、レッズに久しぶりのチャンピオンズリーグ勝利の瞬間が訪れます。ところが、若い選手が多く、新加入の選手がこなれていない彼らは、この大事な時間にミスを犯してしまいます。スターリングがボールを奪われたとき、デヤン・ロブレンとサコはなぜあんなにラインを上げていたのでしょうか。縦パス1本で裏に抜けたのは、途中出場のダニ・アバロ。ロブレンのマークもGKミニョレの飛び出しもかわした17番は、簡単なシュートを無人となったゴールに流し込みます。まさかの1-1。アウトサイダー相手に勝ち点3が必須だったリヴァプールにとって絶望的な展開です。

しかし、ゲームはこのままでは終わりませんでした。終了直前の93分、救世主となったのは、最後まであきらめなかったマンキージョ。GKへの中途半端なバックパスを追いかけたマンキージョは、ボールを奪うとGKボージャンの接触を誘い、ジャッジはPK!リヴァプールには、百戦錬磨のジェラードがいます。ボージャンの逆をついたPKが右隅に決まり、2-1。ルドゴレツは、手に入れる寸前だった勝ち点1を、自らの不注意でさらわれる結果となりました。

何はともあれ、レッズサポーターのみなさん、おめでとうございます。リヴァプールにとっては、勝ち点3を獲れたことがすべてですね。苦戦の最大の原因は、緊張に加え、直前のプレミアリーグで点を奪えなかった嫌なムードを引きずってしまっていたことのように思います。ロジャース監督は、1-0とした後、余らせていたカードを使って、スターリングかバロテッリをコロ・トゥレに代えればよかったのではないでしょうか。危ない試合でしたが、貴重な勝ち点3を土壇場で奪えたいい試合でもありました。彼らしい強引な突破を再三見せ、絶妙なゴールを決めたバロテッリは、プレミアリーグでも期待です!

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“最後まで冷や冷やリヴァプール!バロテッリ、ジェラードでもぎ取った貴重な勝ち点3!” への2件のフィードバック

  1. リバサポ より:

    失点に関していえば、あの時間帯でチーム全体が押し上げすぎなのと、スターリングがつっかけた後の中盤の切り替えの遅さからの失点です。サコの裏のスペースにボールが通された時点でやれることは少なかったので、単純にCB陣のミスっていうわけでもありませんね。チームとして課題だらけでよい試合でした。

  2. makoto より:

    リバサポさん>私もその認識です。「デヤン・ロブレンとサコがラインを上げすぎていた」のは、彼らのせいというわけでなく、チーム全体の問題ですね。

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