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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ラスト15分、メッシとネイマールが怒涛の3発!ノイアーの奮闘及ばず、バルサ決勝当確!

チャンピオンズリーグ準決勝ファーストレグ。テベス、クリスティアーノ・ロナウドといった元プレミアリーグ勢のゴールがユヴェントス・スタジアムを湧かした初日の夜は、ホームチームが2-1とレアル・マドリードに競り勝ち、サンチアゴ・ベルナベウでの第2戦をドローでOKという状況に漕ぎつけました。今日のゲームはバルセロナVSバイエルン・ミュンヘン。リベリー、ロッベンをはじめ、負傷者だらけのバイエルン・ミュンヘンが、ネイマール、メッシ、スアレスが並ぶ強力なバルサ攻撃陣に対してどういう戦い方を見せるのかに興味をそそられます。DFBポカール準々決勝でドルトムント相手にPK戦で散り、先日のブンデスリーガではメンバーを落としてレヴァークーゼンに敗れたグアルディオラ監督は、当然この試合に照準を合わせてきているはず。シャビ・アロンソ、ティアゴ・アルカンタラ、ラーム、シュヴァインシュタイガー、ベルナトが中盤に並び、最前線に鼻骨骨折が伝えられていたレヴァンドフスキとトマス・ミュラーを揃えたバイエルンは、若手や病み上がりのハビ・マルティネスを使わずとも何とか体裁が整ったようです。

開始3分、さっそくスアレスが裏に抜け出しかけ、カンプノウのゴール裏に歓声が起こります。7分にはカウンターの応酬からレヴァンドフスキとスアレスがシュートを放つオープンなゲーム。中盤にスペースが空き、個人技が活かせる展開になれば、前線に突破力が高いタレントを揃えるバルサが有利でしょう。バルサの3トップにラフィーナ、ボアテング、ベナティアの3バックがそれぞれマッチアップするおつりのない布陣のバイエルンは、11分、縦パス1本でスアレスに最終ラインをかいくぐられ、あっという間にGKノイアーと1対1。昨季プレミアリーグ得点王とワールドカップ優勝GKの第1ラウンドは、右足でシュートをブロックしたノイアーの勝利です。15分にもバルサは好調ラキティッチとスアレスのドリブルで右サイドを崩し、グラウンダーをネイマールが合わせる決定機を迎えますが、ラフィーニャが足に当てて何とかクリア。グアルディオラ監督は危険な3バックを諦め、SBにベルナトを下げた4バックで対応します。

18分、バイエルン最初の決定機。右サイドに流れたトマス・ミュラーがフェイスガードをつけたレヴァンドフスキにラストパス。完全にフリーだったエースはスライディングシュートを流し込むことができず、ボールは左に逸れていきます。21分、やはり止められないメッシが右サイドで3人を自分に寄せて左足でラストパスを出すも、ノイアーの飛び出しに中の選手が詰められません。後ろの枚数を揃えれば攻めが薄くなり、攻撃に人数を駆り出せば最終ラインをスアレスとネイマールに脅かされるバイエルンは、明らかに苦しそうです。それでも、4バックにスイッチした効果でジョルディ・アルバとダニエウ・アウベスの両SBに突破を許していないのが、0-0で耐えている最大の理由です。

35分、メッシを引っかけたシャビ・アロンソにイエローカード。背番号10のFKはノイアーがコースを読み切り、正面でキャッチします。39分、イニエスタの浮き球で前線に抜け出したのはダニエウ・アウベス。いよいよ先制かと思われた胸トラップからのプッシュは、またしてもノイアーの右足がゴールを許しません。フォーメーションを変えたペップの叡智とワールドクラスのGKの奮闘、そしていくばくかの幸運が支えた前半の0-0。バイエルンがリードを奪われずに試合を終えたいなら、自陣左サイドの綻びに何らかの対策が必要です。

後半開始直後、左から抜け出しそうになったレヴァンドフスキをダニエウ・アウベスが引っ張ってイエロー&FK。大事なセットプレーはシャビ・アロンソが壁に当ててしまい、バイエルンの先制はなりません。CKしかチャンスがないバイエルンは、ベナティア、ベルナトが次々とイエローカードをもらうことによってバルサの速攻を止めています。56分、中央から持ち込んだメッシの強烈なミドルはまたもノイアーの正面。前半は右を起点にしていたメッシが中から攻め上がるようになり、後半はスアレスよりも左のネイマールが目立っています。61分、バルセロナは、バイエルン・ミュンヘンのDFラインは他クラブよりも1枚多いことを思い知らされます。メッシのスルーパスに抜け出したネイマールは、ペナルティエリアの外に飛び出してきたノイアーのクリアに絶好機をつぶされました。64分のネイマールの右足は打ち上げてしまい、残り20分を過ぎても交代がないゲームは、いよいよ終盤にさしかかります。

攻撃のタレントを欠きながらも、ここまでイーブンに持ち込んでいたバイエルンの堤防が決壊したのは77分でした。ダニエウ・アウベスに自陣でドリブルを奪われるといういちばんやってはいけないミスを犯したのは、ベルナト。パスを受けて右から持ち込み、ベナティアがコースを切る前に左足を振り抜いたメッシの一撃は、さすがのノイアーも触れません。1-0となり、ゲッツェを投入したグアルディオラ監督は、その3分後に古巣の凄さを認めさせられることになります。80分、ラキティッチのパスを最前線で受けたのはメッシ。ボアテングのチェックを簡単にかわした絶対的エースは、ノイアーの飛び出しをあざ笑うかのような右足チップキック!バイエルンはピンチですが、1点返せば世界は逆転します。アウェイゴールを決めて2-1でミュンヘンなら、焦るのはバルサのほうでしょう。

ところが、攻めようとするバイエルンは、ハーフラインを越えるのもひと苦労。意志の感じられないロングボールが浮くたびに、ロッベンの不在を痛感させられるばかりです。グアルディオラ監督の表情は、既に諦めてしまった人間が見せる顏。この状態での追加タイム4分は、バイエルンにとってはありがた迷惑な長さでした。93分、前がかりになった裏をメッシのスルーパスが突き破ります。名手ノイアーにも、独走するネイマールを止める手立てはありませんでした。3-0は、決まりでしょう。バイエルン・ミュンヘンは、自国の首都ベルリンで行われるファイナルを前に、ホームで消化試合を1試合戦って今季を締めることになりそうです。

メッシ、メッシ、メッシ!バルサのエースは、昨夜、単独トップとなるチャンピオンズリーグ通算76ゴールめを決めたクリスティアーノ・ロナウドをたった1日で抜き返し、クラブをビッグイヤーの手前まで導きました。バイエルンが悔やまれるのは、大事な時間帯に中盤の選手たちが冷静さを欠いてしまったこと。ゲッツェ投入というグアルディオラ監督の「追いつけ」のサインに選手たちがポジショニングと戦い方を迷ってしまい、メッシをCBと1対1にするというタブーを犯してしまったように思います。アウェイゴールを奪いさえすれば有利になる状況だったので、采配ミスとまではいいませんが、セットプレー以外で相手を揺さぶれなかった後半の出来を考えれば、ダンテやハビ・マルティネスでゴール前のスペースを埋めて1点差のまま勝負をホームに持ち帰るという判断もあったのではないでしょうか。あらためて、サッカーの怖さ、メッシの凄さを思い知った一戦でした。

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“ラスト15分、メッシとネイマールが怒涛の3発!ノイアーの奮闘及ばず、バルサ決勝当確!” への2件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    バイエルンはノイヤーの踏ん張りで耐えてましたが、メッシにやられましたね。特に2点目のシュートはボアテングを嘲笑うようなフェイントを入れて最後はチップ。ラテンテイスト満々のプレーでしたね。バイエルンは最後の1点が余計でしたね。ポルト戦の再現が望まれるでしょうが、今回ばかりは難しいミッションになりそうですね。

  2. makoto より:

    Mackiさん>
    私は、今季の優勝予想をバイエルンにしてますので、ドイツ持ちで試合を観ていました。バイエルン、1点めで切れちゃいましたね…。同点を狙いにいったモナコ戦のアーセナルと、アウェイゴールにこだわったバイエルンの姿がオーバーラップしました。グアルディオラ監督はギャンブル承知で攻めにいったと思われるので、結果で采配を批判するべきではないと思うものの、無念です。

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