狙いなき采配にファンは激怒…マンチェスター・ユナイテッドはドローで一転、ピンチ!
開始早々から、マンチェスター・ユナイテッドが出足のいい守備とサイドからの仕掛けで攻勢です。5分、ペナルティエリアの外にいたシュヴァインシュタイガーが左足で最初のシュート。プレミアリーグのワトフォード戦よりは前に向かうパスが出るようにはなっているものの、最前線のマルシアルと後ろにつけるルーニーにいい楔が入らず、ホームチームには外からの精度の低いクロスしかありません。15分、PSVのルシアーノ・ナルシンが筋肉を傷めてアウト。急遽ペレイロが入ります。
19分、リンガードからダルミアンに速いスルーパスが通り、右SBがきわどいクロスを入れると、ルーニーは惜しくも触れず。今日の狙いのひとつは、こういった直線的なサイド攻撃でしょう。この直後にも、右サイドに出たルーニーからきれいなグラウンダーが通りますが、フリーだったリンガードがトラップをミスしてチャンスを逃してしまいます。負傷明けのマルシアルにプレミアリーグデビューの頃の切れ味がなく、マンチェスター・ユナイテッドはなかなかシュートに持ち込めません。32分、PSVのカウンターは4対3という絶好の形。ヘンドリクスのシュートはDFがコースを切っており、デ・ヘアがキャッチしますが、前がかりのホームチームはこの攻撃に気をつけなければなりません。
36分、ショートパスで中央をつなぎ、左で空いたデパイとマルシアルがシュートを連発するものの、DFとGKが体に当ててクリア。前半終了間際のマルシアルの強烈な左足はGKズートがセーブ。マルシアルとデパイのドリブルがつかまって攻撃を終えるシーンが目立ったマンチェスター・ユナイテッドは、0-0のままハーフタイムを迎えました。
後ろにパスが戻るたびにブーイングが聞こえる後半。マルシアルのクロスからリンガードのヘッド、スモーリングの縦パスからデパイが持ち込んで右足のシュートと、2つのチャンスはフィニッシュがここというコースに飛びません。58分、ファン・ハール監督は2枚代えです。ボールロストが多かったデパイとアシュリー・ヤングのチェンジはわかりますが、最初のシュートしかチャレンジがなかったバスティをフェライニですか。守備はそれなりにうまくやれていることを考えれば、「リンガードをマタ」が先でもよかったのではないでしょうか。
68分にルーニーがボールを失ったカウンターは、ロカディアが淡泊なシュートを打ってくれて助かりました。72分、シュナイデルランの軽率なパスミスからプロペルにロングシュートを喰らうも、デ・ヘアがキャッチ。ここからブリントが、DFラインの裏に走ったアシュリー・ヤングに長いパスをピタリと合わせ、グラウンダーが中に入る絶好のチャンスとなるものの、気負ったリンガードがイージーなボレーを浮かせて先制はなりません。残り15分を切り、フェライニがトップ、ルーニーはセントラルMFへ。84分にはダルミアンをマタに代え、ファン・ハール監督はゴールを奪いにいきます。しかし、マタの役割が不明確なチームは、ここからも何もできませんでした。
0-0なのに、笛を聞く前にスタジアムを去るファンもおり、その瞬間はプレミアリーグでも聞いたことがないほどの大ブーイング。マンチェスター・ユナイテッドは、ホームで勝てば1試合を残してグループB突破決定というチャンスを活かせず、次戦、ヴォルフスブルクとのアウェイゲームで敗れたらヨーロッパリーグ行きもあるというピンチに追い込まれました。それにしても、ひどい試合でした。デ・ヘアと最終ラインは落ち着いていたものの、シュナイデルランはパスミスだらけで、入団以来最悪の出来。フェライニはファールを繰り返すだけで、前の選手で普段通りにプレイしていたのはルーニーとアシュリー・ヤングだけでした。
ファン・ハール監督の采配には、大いに疑問が残りました。スタメンまで立ち戻らないとすれば、交代カードの切り方は、「デパイ→アシュリー・ヤング」「リンガード→マタ」「最後の最後にマルシアル→ストライカー・フェライニ」が妥当だったように思います。マンチェスター・ユナイテッドにとっての最大の勝機は、クロスの精度が高いアシュリー・ヤングとロホで左サイドを切り崩す攻撃でした。決してよくはなかったものの、中盤でタメを入れて展開できるシュヴァインシュタイガーを残していれば、左の2人が上がるための時間を創ってくれたはずです。シュナイデルランとフェライニが前にいいボールを出せず、ホームチームは20分にわたって無為な時間を過ごすことになりました。
ダルミアンを下げるとロホが中に絞らざるをえなくなるため、最終ラインとセントラルはいじらないほうが得策でしょう。マルシアルの一発に期待する気持ちはわかるものの、今日の彼は途中で諦めるべき状態でした。何としてもゴールを奪おうとするなら、マタとヤングの危険なクロス、フェライニのポストとルーニーの正確なシュートというユニットが最適だったと思います。これらに加えて、最後はシュナイデルランに後ろのカバーをまかせてブリントが上がっていく、といった戦術的な工夫もかませて攻撃していれば、先ほど終わった不本意なゲームよりもポジティブな着地にできたのではないでしょうか。
振り返りはこのぐらいにして、前を向きましょう。CSKAモスクワに、最終戦でPSVに勝てば3位に浮上できるチャンスが残ったのはプラス材料です。とはいえ、ヴェルフスブルクに勝たないとCLが終わる可能性が高いので、ゴールを奪いにいかないといけないのですが、くれぐれも先に点を奪われないよう慎重に入っていただければと思います。今日の出来の悪さは、負傷者・病人続出でコンディションが悪い選手が多かったのも原因のひとつでしょう。次戦こそは、調子が整ったマルシアルとルーニーやマタの絡みで、胸のすく決勝ゴールを期待したいと思います。
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侍JAPANの小久保監督並の采配でしたね。本当に酷い。これで来年のOTではチャンピオンズリーグアンセムではなくてヨーロッパリーグのアンセムが流れる事になりそうですね。こんな退屈なフットボールをあと1年半も見なきゃいけないと思うと気が滅入って仕方ないです。
昨シーズン、格下相手に守備が崩壊したからなのか、今シーズンはやけに臆病な戦いを続けています。ポゼッションを高めても守備重視じゃ、つまらないと批判されて当然です。冬の移籍で前線の選手を取っても無駄に終わるでしょう。ただ若手を使い続けているのが救いですね。
あの大ブーイングには驚かされました
今まで聞いた中で
1番大きかったかもしれません
大きく崩れたチームを立て直すには
最低でも1年はかかると思います
ファンハールさんの一年目は
崩れた基礎を固めるべき年だったのに
基礎の前に屋根を作ってしまったので
ノーカウントです
今年の補強は金額はさておき
ある程度理にかなった補強だったので
実質今年が基礎の年だと思っています
なので今年はストレートイン以上であれば
合格かなとみていたのですが
それにしても方向性がみえてこないのが
気がかりです
安易に監督を替えるのはよくないと思うのですが
このサッカーがずっと続くようであれば
シーズン後の解任もあるかもしれませんね
そんなに酷いブーイングだったんですか?見てないので…残念ですね。ワトフォード相手に久々の勝ち方を見たのに。休み明けのマルシャル、ルーニーを使うのは彼の哲学に反する行為なのではというツッコミをせざるおえません。
改めてファーガソンは偉大でしたね。正直、(ユナイテッドサポの主様には同意して頂けないかもしれませんが、)ファンハール政権の大体の試合は見てきましたが、
チームとして狙った攻撃が成功し快勝、は本当に0だった気がします。
個でごり押しで快勝、は何回かありましたが…(^^;
CLの躍進はおろか、PL優勝すら夢のまた夢な気がします。
グローリーグローリーさん>
今までは、交代策は納得感が高いゲームのほうが多かったのですが、さすがにあれは厳しいですね。連動性のある仕掛けがまったくなかったのが残念でした。
Uボマーさん>
スコールズさんのいうとおり、なゲームでしたね。とにかく「守から攻」が遅かったです。
chop-マンUファンさん>
プレミアリーグ4位を外したら、解任必至なのではないかと思いますが、それさえクリアすれば続投なのではないでしょうか。アイデアは豊富な監督なので、立て直しに期待しています。
MUFC@No.7さん>
哲学とはいっていられない人員不足だったのだと思います。ブーイングもさることながら、試合中に帰るサポーターがいたのにびっくりしました。「こんなサッカーは観ていられない」と思ったのでしょう。
大吉さん>
昨季は、守備にこそ問題はありましたが、フェライニの使い方を試合中に変えたり、交代策で劣勢をひっくり返すなど、組織で勝った試合はそれなりにあったと思います。マンチェスターダービーやリヴァプール戦をカウントしないのは、さすがにファン・ハールさんがかわいそうではないでしょうか。
この試合については疑問の残る采配でしたね。
前半の最初の方は得点の匂いがしてただけに残念です。ファンハールの仕事については賛否あるようですが、今のところ私は大いに評価しています。確かに攻撃については物足りないですが、組織立った守備には目を見張るものがあります。ここ2年間、暗いトンネルを彷徨うような試合ばかりだったからか、試合を見て戦術がわかるような試合をしていることが嬉しい。最終ラインのメンバーはみんな若く、チームの基礎工事はかなり上手くできたのではないでしょうか。詰まらないやら勝てないやら言われてますが、ここ2年よりよっぽど面白いサッカーしてると思いますし、得点が少ないだけで勝ち数は多い。なにか印象だけで批判されてるように感じます。