指揮官乱心…勝ちにいかなかったマンチェスター・ユナイテッド、納得の敗退!
3分、マークがずれ、クルーゼがヘッドで反らしたボールにシュールレがフリーの大ピンチ。シュートを打ち上げてくれて助かりましたが、プレミアリーグで今季1試合しか出場がないヴァレラとCBの連携は不安材料です。8分、マンチェスター・ユナイテッドに最初のチャンス。左サイドの崩しからマタが左足で狙うと、ボールはフェライニに当たってしまい、オフサイドです。しかし10分、久しぶりに歓喜の時間が訪れました。最終ラインのブリントからの縦パスも、マタのスルーパスも完璧。最終ラインを破り、GKの脇を右足で抜いたのはアントニー・マルシアル!マタを中央に据えた今日の布陣には期待できそうです。
ところが、アウェイチームのリードは3分しか持ちませんでした。右サイドから入れたリカルド・ロドリゲスのFKをボレーで合わせたのはナウドです。後ろからの難しいボールを、よくぞ右隅に叩き込みました。1-1となった16分、デパイが左サイドから突破に成功し、縦に走ったマルシアルが左足のグラウンダーをマタに合わせるも、GKがセーブ。攻撃は悪くないマン・ユナイテッドは、中盤でドリブルで仕掛けられると後手にまわることが多く、いま一度落ち着かなければなりません。
27分、ブリントのCKを叩いたフェライニの強烈なヘッドはDFがゴールライン上でクリア。前がかりになったアウェイチームは、2分後に堅かった守備陣を完全に崩されてしまいました。ロングボールを受けた左サイドのシュールレが、右のドラクスラーにサイドチェンジ。ドラクスラーはドリブルとワンツーで簡単にデ・ヘアと1対1になり、中で空いていたヴィエイリーニャが無人のゴールに流し込みます。2-1となると、マンチェスター・ユナイテッドには個人技しかなくなってしまいました。38分、バスティのミスパスを拾われたショートカウンターから、ドラクスラーが2人かわして強烈なシュートを放つと、これはデ・ヘアが何とかセーブ。44にはリンガードが左から入れたボールが右のサイドネットに刺さりますが、オフサイドポジションにいたマタが関与したとしてノーゴール。前半は2-1で終わります。リカルド・ロドリゲス、ダルミアンとSBが負傷リタイアした両者ですが、痛いのは野戦病院化しているアウェイチームのほうでしょう。左SBの代役は、右と同様プレミアリーグ1試合出場のボスウィック=ジャクソンです。
後半のマンチェスター・ユナイテッドは、フェライニが前線に出るシーンが増えています。60分、マタが右サイドに展開したボールをリンガードが中に入れ、フェライニがヘッドで競ったこぼれ球をデパイが強烈なボレー。GKベナーリョの素晴らしい反応で弾かれましたが、この攻撃を繰り返せれば同点の可能性は充分です。1分後、左からのFKをマタが横に流し、ブリントが狙うとDFがブロック。67分に左から入ったシュールレがフリーになったシーンは、浮いたシュートをデ・ヘアがパンチ。その1分後、ファン・ハール監督の2枚代えは、バスティをキャリック、マタを何とニック・パウエルです。次のプレミアリーグでチェルシーに勝ったボーンマスと当たるため、マタを温存するのでしょうか。
73分、デパイの直接FKはわずかに右。75分にスモーリングが足を痛め、前線にいるだけとなったマンチェスター・ユナイテッドでしたが、82分にセットプレーから幸運なゴールを奪います。フェライニのヘッドをギヴァヴォギが頭に当てて逸らしてしまい、オウンゴール。しかし、わずかに差した光も、2分後のCKをナウドに頭で押し込まれ、3-2となって消えてしまいました。勝負が決着したのは残り5分。アイントホーフェンでPSVのプレッペルが逆転ゴールを決めた瞬間、2点が必要となったマンチェスター・ユナイテッドのヨーロッパリーグ行きが決まりました。
若かった、欧州の修羅場を戦えるチームではなかった、というのが最初の感想です。パウエル、ボスウィック=ジャクソン、ヴァレラを3人足してもプレミアリーグ出場2試合、チャンピオンズリーグはゼロ。マルシアル、デパイ、リンガードもこれからの選手で、最終盤はチャンピオンズリーグの勝ち方を知っているのはデ・ヘアとキャリックだけという布陣に多くは望めません。2つめに思ったのは、「采配を間違えなければ勝てたのではないか」。ファン・ハール監督は、守れ、つなげ、前でタワーになれとセントラルMFのフェライニにあれこれ求めすぎました。真ん中のマタとキャリックを背骨としてサイドに展開するサッカーと、スターターとして組んだ経験が少ないフェライニとシュヴァインシュタイガーに複雑な要求を突きつけながら戦う形のどちらに可能性があったかといえば、前者でしょう。スタメンが微妙だったうえに、アシュリー・ヤングをベンチに置き、シュヴァインシュタイガーを下げる「ベテラン軽視」の舵取りが、幸運を活かしきれない弱さにつながったのではないかと思います。
フェライニではなくキャリックでスタート、ダルミアンに代わるのはアシュリー・ヤング、さらに手を打つなら欧州を知るマタと直接FKという武器があるデパイは残し、リンガードを下げてフェライニを前線へ、だったのではないでしょうか。勝利に近づくためではなく、負けたときの言い訳を積んでいくような采配に愕然としました。この戦い方では無冠は必然。ファン・ハール監督にとって、負けなかったことの証明である「プレミアリーグ4位」も難しいでしょう。アグレッシブなサッカーで、ブンデスリーガでヴォルフスブルクより上位のボルシアMGに勝ち、トップ通過を決めたマンチェスター・シティを心からリスペクトしたいと思います。2点失っても4点獲って勝てばいいのだ、重要なゲームこそ普段通りのサッカーで戦うことが大事なのだ、と教えてくれたライバルを。
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更新ご苦労様です。
マタを下げたのはまずかったのでは、、、と思う次第です。
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まず1チーム敗退しましたね、、、
何年か前まではプレミア1チームでも落ちたら事件だったのに、まだ2チームに敗退の可能性が。
これならプレミアが3枠しか無くなるのも納得ですね。
更新お疲れ様です。
今日の試合は完全に今のプレミアリーグの現状を反映しているように思いました。
リーグ戦>CLにならざるおえない理由はいくつかあると思いますが、リーグ戦を必死で戦い4位以内を確保したにも関わらず、CLで本気を出さないなんて、普通のスポーツの仕組みからしたらおかしな話です。例えとしてあまりいい例ではないでしょうが、甲子園に出るために地方大会で頑張って優勝したのに、いざ甲子園で戦うとなると来年の甲子園に出るために力を温存するようなものです。
こうなったらELの舞台でポイントを荒稼ぎしていただきたいと思います。昨年のリバプールのようになるのだけはサポーター以外のプレミアファンも望んではいないと思いますので。
最近の不調を覆せずの敗戦は残念です
火曜日終了時点のでカントリーランキングでプレミアはセリエに抜かれて
しまった様なので「ELは罰ゲーム」などと言わずにELで頑張ってきて
欲しいと思います。
私としてはレスターのトップ3フィニッシュも十分ありだと思うので
CL4枠死守とトップ3入りを目指してビッグ6は例年以上に頑張る必要が
あるのではないでしょうか。
ここだけだったなプレミアの恥晒しは
怪我人が多過ぎですよね
誰が監督をやってても厳しい結果だったと思います
ただCLはこの試合だけで決まるわけではないです
もう少し早く勝ち点を積み上げるべきだったでしょう
Mackiさん>
おっしゃるとおりです。あれはないですよね…。
デリックさん>
全体を嘆くのは1日待とうと思っていたのですが、何とか形はつきました。UEFAのポイントでは、問題はどちらかというとELなんですよね。3チームの上位進出を祈ります。
にわかスパーズファンさん>
おっしゃるとおり、本末転倒です。ロンドン勢が力を出し切って勝ってくれてほっとしてます。
ゆうまさん>
CLはユーヴェはまずまずですがローマが今ひとつなので、イタリアとのランキング競争は年明けのEL勝負ですね。
プレミアリーグ大好き!さん>
負け方には納得がいかず、ファンとしての怒りや嘆きはあるものの、勝負事ですから負けることもあります。恥さらしなどということはないと思います。
シティふぁんさん>
痛かったのは、勝てば決められていたホームのPSV戦を引き分けたことのほうです。とはいえ、この日の采配には疑問やがっかり感が強く、負けたこと自体よりもそこですね。
いえ、恥晒しでしょう
所属してたリオさんも言ってますから間違いない(笑)
だからファンハールがチーム戦術を整備して勝った試合はないと以前申したはずなんですがね。
ようやく、わかっていただけたようです、