急造CBコンビで冷静に戦ったチェルシー。ミケルのアウェイゴールで次戦につながる2-1!
11分にはイヴラヒモヴィッチの直接FKが左にアウト。13分、マチュイディのスルーパスに左サイドでマクスウェルがフリーとなり、GKとDFの間を狙った勝負のラストパスはクルトワがキャッチ。時間が経つにつれて、「優勝候補のパリにチェルシーが胸を借りるゲーム」であることが鮮明となります。15分、チェルシーにようやくチャンス。右からフリーで上がったのはペドロ。自ら打てそうな状況でしたが、右足で浮かした最後のパスがDFの頭を越えません。直後に中央へのスルーパスから抜け出しかけたルーカス・モウラは、アスピリクエタが体を寄せてうまくボールを奪いました。20分にチェルシーが仕掛けたカウンターは、ジエゴ・コスタが左サイドでは怖くありません。しかし、このチャンスをきっかけに余裕がなかったチェルシーが落ち着きを取り戻し、自分たちのペースでボールをまわせるようになります。
22分、左右のスペースを窺いながらパスをつないでいたチェルシーは、左のラーマン・ババのクロスにジエゴ・コスタがフリーとなる絶好機。決めなければいけなかったヘディングシュートは、GKトラップに触られてしまい、バーに当たったボールはポストの左に逸れていきます。チャンスの数ではホームチームに劣るチェルシーですが、最終ラインに大きな綻びはなく、ここまではよく戦っています。
31分に一瞬空いたイヴラヒモヴィッチが叩きつけたヘディングシュートは、対応したケーヒルとクルトワに余裕がありました。カウンターから左を上がったディ・マリアのシュートはうまくヒットせず助かったものの、38分にゴール正面でファールをしてしまったミケルは、直後に失点の主役になってしまいました。イヴラヒモヴィッチの強烈なFKにクルトワが逆を取られたのは、ミケルに当たって右にコースが変わったからでした。1-0となった44分、やや右からのFKは、ウィリアンのキックが壁にブロックされます。前半はこのまま終わりと思いながら眺めていたラストプレー、ウィリアンのCKは、おお、チェルシーの選手がゴールの真ん前でフリー、決めたのは何とミケル!1-1の折り返しは、アウェイチームにとっては上々。次の1点を先に奪って、パリにプレッシャーをかけられれば最高です。
49分、自陣でドリブルを始めたウィリアンからのチェルシーらしいカウンター。スルーパスに抜け出したジエゴ・コスタは、GKトラップに間合いを詰められシュートをブロックされてしまいます。53分にイヴァノヴィッチを一発でかわしたイヴラヒモヴィッチの強烈な右足は、クルトワがセーブ。どうしてもゴールがほしいパリは、縦に急ぎ過ぎています。アスピリクエタが裏を取られたピンチは、ケーヒルがゴール前をフォロー。ディ・マリアとマクスウェルが揃う相手の左サイドに対する守備は、ペドロの応援が必要です。
60分にはパリのシンプルな攻撃。イヴラヒモヴィッチのポストプレーで中から突破したルーカス・モウラの一撃は、クルトワが右に飛んでストップしました。完全なるホームチームのペース。64分にディ・マリアが上げたクロスは、イヴラヒモヴィッチがヘッドで競り勝ち、こぼれ球を狙ったマチュイディの左足はケーヒルが横になってカットしました。チェルシーは自陣右サイドが不安です。67分、ディ・マリアの素晴らしいFKは、読んでいたクルトワがビッグセーブ。昨季プレミアリーグMVPの10番は、自陣で強引なドリブルを奪われるシーンばかりが目立ち、71分にオスカルと代わったのは妥当でしょう。残り20分を切っても、パリ・サンジェルマンの圧倒的な攻勢は止まりません。
ブラン監督は74分、ルーカス・モウラをカバーニ。できれば2発決めて終わりたいパリの圧力は、さらに強くなるでしょう。縦1本にオスカルが抜け出しかけた77分のチャンスは、相変わらずGKトラップの対応が落ち着いています。チェルシーの堤防が決壊したのは78分。イヴァノヴィッチが一瞬棒立ちになり、カバーニがその裏に出ようとしたのをディ・マリアは見逃しませんでした。浮き球のラストパスは9番にぴったり。角度がなかったシュートは、飛び出したクルトワのニアを抜く素晴らしいコースでした。残り10分、次のゴールを決めたチームが、スタンフォード・ブリッジでは有利になります。
ラビオとパストーレで勝負のブラン監督。このまま終われれば悪くはないヒディンク監督は現状維持。最終盤のチェルシーの攻撃は、ジエゴ・コスタが周囲が見えていれば、もっときわどいシーンが創れたでしょう。91分、ウィリアンのロングフィードを受けて右から狙ったペドロの一発はサイドネットです。2-1、タイムアップ。両者とも、「チャンスを活かしきれなかった」と悔やんでいるのではないでしょうか。就任以来、プレミアリーグと国内カップで無敗だったヒディンク監督にとっては初の黒星となりましたが、うまく戦えた手応えも残っているはずです。
セカンドレグをチェルシーが制するための最大のポイントは、セントラルMFの連携。パスの出どころを抑えて、イヴラヒモヴィッチを自由にする縦の楔を入れられないことです。あそこでタメを創られると、両サイドがいいポジションを取るための時間ができ、アスピリクエタやラーマン・ババの対応を難しくします。チェルシーは、「勝ち抜けのチャンス充分」といっていいでしょう。セカンドレグは3月9日、1年前はCKから2発やられたスタンフォード・ブリッジでリベンジを果たし、ファイナルのピッチに立ったことがないイヴラヒモヴィッチの夢を終わらせてもらえればと思います。(ジョン・オビ・ミケル:写真著作者/Ultraslansi エディソン・カバーニ:写真著作者/Богдан Заяц)
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更新お疲れ様です!
初めてコメントさせて頂きます。
まず負けはしましたが第2戦に望みを繋げられて良かったです。
ズマもテリーも居ない急造DFラインでしたが、4人ともよくやってくれたと思います。特にババは大一番での先発にも臆せずプレーしてくれました。
管理人さんも仰っている通り、第2戦は中盤センターが鍵になると思います。とにかく失点せずに1-0を目指してほしいです!
プレミアリーグ大好き!さん>
アスピリクエタのサイドが厳しかったですが、よく守ってましたね。いくつか決定機もあり、セカンドレグの逆転に期待できると思います。